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【短編集】とある小説家の最初の10日間

小説家 6日目

作者: 涼花

 今日は、2025年7月15日。目覚めると大雨が降っていた。冷房は止まっているのに、首筋に冷たいものが伝う。触ればただの汗だった。


 机に向かう。空白の原稿を開く。私が書いているのは、小説家になって6日目の新人小説家が大雨の日に恐怖を感じる物語である。現実の私の指も、キーボードの上で震えていた。書けば書くほど、背後で水滴の音が大きくなる。振り返るとなぜか窓が開いていた。私は、窓を閉めた。


 数分後、画面の文字が滲んだ。よく見ると液晶に水滴が落ちている。振り返ると数分前に閉めた窓が開いていた。窓の外を見ても誰もいない。私はもう一度窓を閉めた。私も私が書いている物語に登場する新人小説家と同じように恐怖を感じた。


 私は、窓がない部屋に移動して、物語を書き続けた。保存ボタンを押す。水を飲むためにさっきまでいた部屋に行くと窓は閉まっていた。私は、安心して水を飲む。冷たくて清らかだった。明日も水と恐怖に関する物語を書くだろうと思った。

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