#End 青いう み に。
本当の最終回です。
非常に表現的に、言葉を選ばなければいけない厳しい描写があると思います。また、気分を害しかねない方や、胸糞、鬱が嫌いな人はブラウザバックしてください。
またこの作品は全てフィクションです。
また、あのままハッピーエンドで終わらせたい場合もお願いします。
ああ、おはよう。
もう1週間経つのですか。
早かったなぁ…。あの旅からもうそんなに…。
おみやげもみんな満足してくれたし、レフさんたち全員でシウマイパーティした昨日も楽しかったな…。
つらい現実だけど、たまにあんな平和があると幸せ…なのかな。少し嬉しいくらいだけど。
それにしても今日…レフさんが呼び出しって。
まさかまた任務とか…。
まあ最近は殺しの任務も少ないから…。
まだギリギリ心は痛むけど…まあ…まあ…。
とりあえず起きなきゃっ。
ひょいっ。
ふーっ。まあこの服で寝てたし…このままでいっか。
がちゃっ。
廊下…あの時の電車みたいに無機的だけど、まあちょっと違う。
すたすたすたすた…
ここかな、レフさんの部屋って。
こん、こん、こん。
…「いるぞー」
あっ、じゃあ入ろう。
「失礼します。」
「ああ、レイショ君。こんにちは。」
「いや…まだおはようございますですよ…」
「…そうだったか。 」
相変わらず凄まじい量の紙が落ちてる…。
ん…なんで新聞が?
レフさんは新聞を読むような人ではなかったような…。
「それで今回は…まあ。そうだな。」
「…考えることだけは無駄に上手な君なら…わかるかもしれないが。」
「…その新聞が目に映ったんだろう?」
「は、はい。」
「私もちょっくら気になって、君が行ったところを調べていたんだ。」
「なぜですか?」
「たまには泳ぐのも悪いんじゃないかと思ってな。まあ、どちらかというと観測に付いてが重要だが。」
どきっとした。レフさんがそんな人間には見えないから。
「君は、沈没船を見たと言ってただろう?」
「それに…テロってありましたよね。」
「…ああ。そのテロについてだが。」
「どうやら、何を考えていたかわかったんだ。」
「なぜ船に近づくやつを…止めてたかなんかも怪しいくないか」
「これはザル勘定だが…そうだ、君の衣服、まあ簡単に言うなら水着…だな。それを拝借した。」
人の水着を勝手に…とらないで。
「あの、あんまり水着とか見られたくないです…。」
「それはすまない。だが、ちょっと気になったことがあったんだ。」
「それは…。」
「水質汚染だ。それも計画的な、テロ。水銀での。」
「えっ。」
肝がどんどんと冷えていく。
「その君の衣服の水滴から水銀が見つかった。君の分泌液か? 違うだろう…今までの君のデータ的に損傷がないのに発生はしない。確実な損傷がないと漏れ出さない。」
「それに微弱とかそういう次元じゃない。かなり強力なもの…」
「 君は金属だから特に痛くも痒くもないだろう? 君にはわからないことだったんだろう?」
「痛くも痒くもないって…人間です。」
「そうか。まあそんなのはどうでもいい。」
どうでも良くないですっ。
「それが、あの沈没船に大量に詰め込まれていたら。」
冗談も興ざめ、これはもうだめ。
これ以上は言われたくない。
「だめだめだめっ、だめです。聞きたくない…です。」
目玉が散乱するほどに私の視線はぐっちゃぐちゃ。
「成程、まあ…現実は知らなきゃいけない。あくまで仮定かもしれないが。」
「そこに散乱している新聞連中をみろ。まあ…見たくなければ見なくても良いが。」
私は思わず目を背けようとして新聞を見つけてしまった。
そこには…〇〇湾近辺で謎の奇病。
という記事があった。
日付は2日前、よく見覚えのあるあの日の遠景が、あの兄弟が見えた場所…
「よく情報は調べないとだめだろう?…」
「まあ、君が沈没船を見つけてくれなければ、テロの確認ができなければ…わからなかったからな」
「…君がもし。いや…なんでも。」
「…ただ確証はないな。」
「だが…真実はない。事実だけがある。」
もう私は彼女の顔も見えない。水ってこんなに、こんなにもあったかくて冷たかったのかな。
あのひとが気を使ってる珍しい…その暖かさと、私の冷徹が…あぁ…。
「私はこれを調べなければならない。」
「あ…あぁ…は…ぃ」
「まあ、少しばかりお手々を拝借というべきか。君に案内してもらいたい。」
「確実に調べなきゃいけない。いや、調べなくてもいいんだが。」
…
「酷い事をいうが…カネがないんだ。テロリストをゆするか…それとも調べない怠慢を突くか、それとも情報を売るか…」
「何者かのテロによって、水質が汚染されてるとな。 確実ではないが事実だろう。そうならば。 …しかもそれがテロだからと。」
彼女はああ言う人だ。わたしはそれいか。
「あと、君の聞く話だと魚の名産らしいな。悪魔みたいなテロリスト連中だ、派手よりも陰湿極まりない。」
「テロという言葉も正味生ぬるいかもな。君の知識とその意識位には。 おっと、申し訳ない。」
「果たしてどこまでの悪意が詰まっていることか。」
「そうじゃなければ…どうしてあれが隠されているんだ?何故誰ひとりとしてキミの証言内では調べていないんだ?」
「いつから始まったかも考えなければな…特定できるか。」
心臓も冷え切るようなほどのことば
「おっとすまない。少々逸れたが…事実を調べることのほうがよっぽど楽しいがな。」
「まあ、ということだ。今じゃなくていい、後でまた準備が出来たら来ておくれよ。」
「は…」
もう口がこわばるように、ぐっしょぐしょぬ涙が口の中を冷凍していく。
…「じっれいします…」
がちゃん。
無機的な扉はまた彼女を隔てる。
すたすた…。
…もう一度がちゃんとなる頃、また布団にぽすっと…。重みを委ねる。
ただただあそこの人たちが危険にさらされてる…って。
いや…いやです。
い………。
…
「だから、今日は…お兄ちゃんが好きだった魚を取りに来たの。」
「そうですか…とはいえそんな格好で、海に入っちゃったら危ないですよ。海は危険なんですから…。」
「そうだよね、ごめんなさい。」
「いいの、無事だったのが一番なんだかfら。」
「…その魚取ってきましょうか。 お兄ちゃんに食べさせたいのですよね。」
「いいの、ありがとう! その魚は…大きいの。 あと、刺し身にすると美味しくて…すごく、高かった。」
「お金がなかったからかえなかったの。」
「…そうですか。じゃあ、待っててね。私が取ってきますから。」
「あ、あと人魚さん…取ってきてく…
…
うっ…。
あああああっ…うっ…うぅぅうっ。
も、いやあああああああああああああああああああ…なんで。
なんで…
なんで…。
ああああ、なんでなんでですか。
なんであの子を守れなかった。
また守れなかった。
あああああああっ。
うっ…ぅ゙っ…
「よく情報は調べないとだめだろう?…」
れ…れふさん。
あっ…そうか…私は…わ た し は…
金属製の人魚さん。
ああ…きっと。そういうことに見えるのかな。
…ああ…。
…。
次に扉が鳴く時に、彼女はただただ布団のように、空間に広がったように。
そこでただただずっと後悔と反省の言葉を連ねていた。
もう誰も、おにいちゃんも、おとうとも。
誰も聞いていないのに。いや、聞いているのかもしれない…。
遠い世界で。
がちゃん。
…うっ…あ、西宮さん…。
「ごめん、辛いと思うけど」
「次の任務はあの海…だよ。」
終
お疲れ様でした。
これにて外伝 旅する隠れ黄金少女は終了いたします。
…非常に不謹慎とも捉えかねられない、残酷な描写があると思います。本当に申し訳ございません。