表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メルドリアスの遊戯世界  異世界転生ハーレムキャラバン  作者: 猫野 にくきゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/50

 ベテラン冒険者

 サイザルの町での冒険者生活、四日目。


 この日もそれまでと変わらずに、サリシアとナーズは解体作業に、俺たちは平原へと兎狩りに出かけたのだが、冒険者ギルドで荷車を借りてからここまで、別の冒険者パーティが俺たちを付けてきている。


 そいつらは、三十歳を超えるくらいの年齢で構成された六人組だ。

 装備はそこそこ揃っていて、使い込まれて年季もある。


 低ランクのベテランチーム、といった感じだ。 




 

 俺たちは、この町の周囲で大金を稼げる獲物を、短期間に複数仕留めている。

 それは目立つし、噂になるだろう。


 ゴブリンやスライムは、大した金にはならない。

 低ランク冒険者が狙うのは、大兎だ。 


 何らかの方法で大兎を効率的に狩っているチームがいれば、あやかりたくなるのが人情だ。


 あいつらは、俺たちの後をつけて、横取りでもする気なんだろう。


 アカネルが、後ろを気にしながら――

「なんかムカつくわね。私が文句言ってきてやるわ」


 相変わらず、好戦的な性格だ。

 見知らぬ他人に対して、物怖じしない、その性格はちょっと羨ましい。


 イルギットも――

 私も行くわ、と言って乗っかろうとしている。


 さて、どうするか――

 とりあえず、俺は二人を止めておいた。





 冒険者同士の暗黙の了解として、他の冒険者のいる狩場にはなるべく近づかない様に、というのはある。

 俺達をつけ回すあいつらは、明らかにマナー違反だが――

 あくまでマナーが悪いというレベルで、明確に犯罪行為をしているわけではない。


 わざわざこちらから、喧嘩を売るほどではないと判断した。

 かといって、あいつらを大兎の所まで案内してやる義理もない。

 

 今日の兎狩りは中止にして、ゴブリン相手の実践訓練に切り替えた。

 資金はすでに結構稼げているので、これ以上、がっつく気もない。 





 俺たちはゴブリンに狙いを変更して、戦闘訓練を行う。

 二匹組のゴブリンと、二対一で戦う訓練だ。


 アカネル、モミジリ、イルギットの順で、それぞれ戦わせる。


 相手との間合いを上手く取って、なるべく一対一の状況になるように立ち回って、戦闘するよう指導する。


 三人の防具は、俺と同じでフルアーマーではない。

 敵の攻撃を避け切れずに受けるときは、防具で守られている箇所で、受けるように意識させる。


 三人とも、二対一の戦闘を無難にこなせた。


 後は町に帰って、サリシアとナーズと合流して、六人で模擬戦でもしようかと思うのだが――


 俺たちのことを、あの六人組がまだつけ回してきている。

 近寄っては来ないが、遠くから見ている。


 いい加減、ウザくなってきた。


 まあ、今日一日張り付いて、何の収穫もナシだ。

 あいつらも、これ以上は粘着しなくなるだろう。


 そう考えて無視することに決め、町へと帰還しようとすると――


 六人組が、俺達の行く手に立ち塞がった。








 こうなるともう、無視するわけにもいかない。

 マナー違反の範疇を超えている。

 

「なんだ、あんたらは、俺たちに何か用か?」


 とりあえず、俺が話しかける。

 どんな難癖をつけてくるのか、ちょっと楽しみだ。


「何か用か、じゃねーんだよ。クソガキ! お前らが横取りしたゴブリンはな――俺たちの獲物だったんだ。お前らが盗み取った魔石をこっちに渡せ。まあ、お前らも戦ったんだし、半分で許してやる」



 とんでもない言いがかりを、付けてきやがった。

 てっきり、大兎を横取りしようと、後ろを付いて回っているのだ、と思っていたが――


 ゴブリンの魔石を半分寄こせとか、こんなの全部売っても、せいぜい銅貨百二十枚くらいにしかならない。

 その半分なら銅貨六十枚、およそ六百円……。


「……何言ってんだ、お前? 渡すわけないだろ」


 俺は当然、断った。

 すると――


「おいおい……俺がせっかく、お前らに有利な提案をしてやったのに断りやがったよ。おい、こうなったら仕方ねーな。ここを通すわけにはいかない。通りたかったら金貨二十枚を払いやがれ!」


 ふむ、なるほど。


 こいつらはまず、理不尽な要求を突き付けて――

 それを断った相手に、本命の要求を押し付ける手口を、使うようだ。


 人間は理不尽には、反発するものだからな。

 最初の要求に応じておけば、六百円で手打ちが出来た訳か――


 いや、その場合は、さらに難癖付けて金貨を要求して来ただろう。




 俺たちが大兎を複数仕留めたと聞けば、そのくらいの金貨を持っているだろうと、推測できる。難癖付けて、それを奪うのがこいつらの目的だったか。


 そして今日ずっとつけ回して、俺たちの戦闘を観戦し、こっちの強さを見極めて、難癖付けられると判断した。


 だが――


 これは明らかに、強盗行為だ。

 

 罪科ポイントの増加を、考慮していないのか?

 ちょっと、聞いてみよう。


「……は? お前らに払う金なんかねーよ。お前らのやっていることは強盗行為だ。女神様がお許しになると思ってるのか?」






 俺の問いかけに、男たちは愉快そうに笑いながら――


「ああ、確かにそうだな。女神様はお許しにならんさ、――けどな、俺たちは魔物を狩って聖科ポイントを300も溜めているんだ。それだけあれば、今回のことはお咎めなしになる」



 まあ、そうだな。


 聖科ポイントさえ溜めれば、それと同量の悪事は問題にならなくなる。

 この世界には、そういったルールの穴がある。


 女神がわざと、開けているのだろう。

 善人ばかりの世界なんて、退屈だからな。


 それにしても、たったの300でドヤるなよ。

 俺なんて、6000以上貯めているんだぜ。


 言ってやりたいが、そういった個人情報は、迂闊に開示しない方が良いか。


「ということは、お前らの強盗行為は、お咎めなしか――」


「まあ、そういうこった。残念だったな。慈愛の女神様に守って貰えなくてよ。まあこれも良い勉強になったと思って諦めな。ルーキーのくせ――」



 そいつがセリフを最後まで、喋り切ることは出来なかった。


 俺が首を、剣で刎ねたからだ。



「――どうする? まだやるか?」


 俺の問いかけに――

「待ってくれ! 降参する!! 悪かった……」


 相手パーティの、副リーダーらしき男が両手を上げて、速攻で降伏した。



 流石はベテランだけあって、引き際を弁えている。


 俺は敵の謝罪を受け入れて、手打ちにすることにした。





 ベテラン冒険者たちは、塞いでいた進路から大人しく退いた。

 俺は、その横を悠然と進む。


 奴らはもう、こちらにちょっかいを掛ける気は微塵もない。

 俺を畏怖して、完全に委縮している。

 


 途中で大兎を一匹狩ってから――

 俺達は、町へと帰還した。




 町にたどり着いた俺たちは、解体業務の二人と合流して、珍しく昼食を取ることにした。

 この世界の食事は、朝夕が基本で昼を食べれるのは小金持ち以上だが、これだけ稼げれば、もういいだろう。


 冒険者は、身体が資本だしな。






 屋台に売っている料理は、安いが味がイマイチだった。

 安くて美味いが基本の日本とは、そこが大きく違った。


 値段は張るが、ちゃんと料理屋で食べたい。



 食事を取りながら、珍しくサリシアが上機嫌で話していた。


 包丁の切れ味について――


 昨日倒した殺人兎が、大きめの包丁をドロップしていた。

 店に売ろうと思っていたが、サリシアがぜひ欲しいというので彼女の装備にした。

 解体作業で早速使ってみて、その切れ味に魅了されている。


 熱心に包丁の切れ味を語るサリシアは、ちょっと怖かった。




 その後は、宿に帰って風呂に入って寝る。

 この町の滞在予定期間は、残り二日。

 

 残りの二日は、解体作業へは行かずにサリシアとナーズにも、スライムやゴブリン相手の実践を積ませる。


 二人には中型の盾と――

 サリシアは殺人兎の包丁、ナーズは短剣をそれぞれ装備させる。

 

 中型の盾は、町の防具屋で購入した。

 銀貨五枚のリーズナブルな物で、モンスターが良いのをドロップするまでの、繋ぎとして買った。


 二人には防御主体で、戦いに参加させる。

 盾で敵の攻撃を防いで引き付け、そこを他の仲間が攻撃する。


 いるだけでも、囮の役割を果たせる。


 集団での戦い方、立ち回りを、実戦で覚えさせる。





 この町での冒険者としての生活も、七日が過ぎた。

 予定通りに、次の町へと出発しようと思う。


 目的地は、ここから北西の方角にある、冒険者の町イーステッド。





 情報収集したところによると、ここからイーステッドまでは山道が連なっていて、道中で山賊が出ることもよくあるそうだ。


 ここから北東の道はこの国の王都へと続いていて、比較的治安が良いらしい。

 安全を考慮するのなら、いったん王都へと進んでから、西へと移動した方がいいらしいのだそうだ。



 イーステッドまでの山道を行くなら、商会や行商人が大規模な商隊を組むときに、便乗して行くと、比較的安全らしい。


 だがまあ、俺たちは冒険者だ。

 無意味に危険を冒すつもりはないが、効率の悪い安全策を取る気もない。


 旅の準備を整えて、俺たちはイーステッドへと旅立った。





*************************


名前  ユージ


HP 217/217  MP 278/278  FP 209/209


冒険者パーティ 白銀の竜の翼  ブロンズランク

ギルド貢献度  821     



幸運力 

058~-011×2


スキル

空間移動 危険感知 ウォータークリエイト


所持品

魔石値   0068749

回復薬     6個


性奴隷

アカネル モミジリ イルギット サリシア ナーズ


預金 金貨100枚 パーティ資産 金貨220枚  所持金 金貨10枚


才能

大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器


職業  

勇者Lv11 戦士Lv32 剣士Lv32 武闘家Lv28 弓使いLv25 槍使いLv29

教官Lv10

魔法使いLv35 魔術師Lv37 魔物使いLv20

冒険者Lv14 旅人Lv02 探索者Lv28 斥候Lv27 

隠密Lv30 暗殺者Lv33

遊び人Lv39 ギャンブラーLv35 ハーレムマスターLv39

薬師Lv25 錬金術師Lv30 鍛冶師Lv31

農夫Lv15 薬草採取者Lv21

*************************



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ