表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メルドリアスの遊戯世界  異世界転生ハーレムキャラバン  作者: 猫野 にくきゅう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/50

 傀儡の魔術師


 季節は夏の手前の雨期に入った。

 西の森の探索は随分と進み、第一領域にいた植物型の強敵はあらかた倒してある。


 今日からは天候次第で、第二領域の探索を開始しようと思う。





 朝から降っていた雨は昼に上がっていて、その後の空は晴れたり曇ったりをくり返している。雨が降りそうで降らないくらいの雲だ。


「これなら行けそうかな――」



 雨が激しい日には不測の事態を避けるために探索は休んでいるが、小雨程度なら問題なく戦闘できる。


 俺は農場を出て西の森に入り、一キロ先の森の奥まで広域探知を行い、敵の数と位置を把握する。


 探知範囲には戦闘能力100以下のモンスターしかいなかった。

 しかし今日は余計な戦闘は避けて進みたい。

 俺は隠密結界を張り、一キロ先の地点まで移動する。




「さて、ここからが未知の領域だ」


 俺が西の森を探索しだしてから、二か月ほど経過している。

 順調に強くなっている。

 自信を持って行こう――


*************************

名前  ユージ

HP 95/97  MP 88/91  FP 102/102


幸運力 

058~-011×2


スキル

空間移動 危険感知


所持品

魔石値   0027329

回復薬     6個


性奴隷

アカネル モミジリ


借金 金貨74枚 銀貨4枚 銅貨50枚


才能

大魔導士の卵 戦神の欠片 強欲な器


職業  

労働奴隷Lv15(従順-13) 農夫Lv11 薬草採取者Lv11

戦士Lv17 剣士Lv15 武闘家Lv13 弓使いLv10 槍使いLv08

魔法使いLv15 魔物使いLv14

探索者Lv17 斥候Lv15 隠密Lv17 暗殺者Lv16

遊び人Lv21 ギャンブラーLv16 ハーレムマスターLv13

薬師Lv16 錬金術師Lv18 鍛冶師Lv17

*************************






 俺は森の西方向へ、五百メートルの範囲に探知用の魔力を飛ばす。


 探知範囲にいた魔物は四匹で、戦闘能力は289、580、と269、372。

 それぞれ二匹連れで一方は動かない。

 恐らく植物タイプのモンスターだろう。  

 

 残りの二匹は、至近距離を移動している。

 俺は移動している方を狙うことにする。


「植物型は仲間を呼ぶタイプもいるからな――」



 鑑定も使い続けた結果か、魔法使いのレベルが上がったからかは分からないが、精度が向上している。

 広域探知で、敵の戦闘能力だけでなく、名前も解るようになった。


 鑑定で得た二匹のモンスターの名前は『ウッドマン』そして『傀儡の魔術師』。

 傀儡の魔術師からは、強力な魔力を感じる。

 ウッドマンはパワータイプ。


 名前からしてウッドマンを、傀儡の魔術師が操っているのだろう。





 俺は隠密結界を張って、慎重に敵へと近づていく。


 森を歩き進めると、敵の姿を捉えることが出来た。

 ウッドマンは身長三メートルくらいの、細長い木を人型にした魔物。

 もう一匹は杖を持ちローブを纏った、身長七十センチほどの老人顔の魔物。


 まずは魔術師を狙うべきだよな。

 けど――


「できれば、魔法を使うところを見たいんだよな――」



 油断している敵に、弓矢で奇襲が出来るのは最初だけだ。

 一撃で殺さない様に魔術師の肩を狙うか――


 ヤバくなればすぐに逃げる。




 俺はこれからの戦闘方針を決めると、闘気を込めて弓で矢を放った。


 ヒュォオオオオ!! 


 魔術師を狙った攻撃は、敵に当たる寸前でウッドマンに妨害される。

 それでも闘気を込めた矢は、ウッドマンの腕を貫き傀儡の魔術師に刺さった。


「グッ? グガッ……ぅうオオッ、オノレ、ニンゲンメガ!!」


 喋った。

 なんだあいつ――


 知能があるのか?

 それとも口から、それっぽい音を発しているだけなのか?


 まあどっちでもいいか、これから殺すことに変わりは無い。


「オモイ、シラセテクレル――」


 傀儡の魔術師はそう言うと、自身の纏う半透明な魔力を赤色へと変化させる。

 そして杖の先端に赤い魔力を集めると、こちらにかざし――


 ごぉおおおぅぅう!! 


 燃え盛る球形の炎が俺に――

 ドッ、ゴォオオオオオオオオ!!!





 敵が杖を振りかざすと同時に、炎は俺に着弾していた。






 避ける暇はない――

 魔法攻撃が来ると予想はしていた。


 対抗策として、自身の魔力を防壁として周囲に展開していた。


 それによって敵の魔法を軽減できてはいるが、それでもHPが一気に51/97まで減っている。

 服や装備は焼け焦げていて、左肩を中心に火傷がひどい――

 あと二発、さっきのを喰らうと死ぬだろう。


 傀儡の魔術師は、また杖に炎の魔力を集め出した。





「……ああ、これは詰みだな」


 奥の手を使う。


 俺は弓を異空間に仕舞うと、はがねの剣を装備。

 そして――

 スキル『空間移動』を発動した。




 次の瞬間。

 目の前にある傀儡の魔術師の頭へと、剣を振り下ろす――


 ズシャッ。


 俺の剣は、傀儡の魔術師の頭から胴体の真ん中までを両断した。






 しかし、戦闘はこれで終わりではない。


 ドゴッ……ォオオン!! 


「グアッ……」


 傀儡の魔術師の護衛として控えていたウッドマンの攻撃が、剣を振り下ろした直後の俺の身体に叩きつけられた。


 重量のある敵の攻撃が直撃し、数メートル吹っ飛ばされる。




 右腕から胸にかけて、衝撃が突き抜ける。

 飛ばされたことで衝突ダメージは上手く抜けてくれたが、それでもHPが三分の一以下まで削られている。


 俺は右手が動くか確かめてから、はがねの槍に装備を切り替えた。


 敵の長い手足に対抗するために槍を選択。

 これでリーチの差を埋める。




 ウッドマンの攻撃力は高い。

 まだ余力があるFPで身体の強度を上げて、防御力を補う。



 敵の様子を伺うと、不意打ちで削った身体の傷が塞がっている。

 再生能力があるのか、それとも身体を圧縮して傷を塞いでいるのか――




 槍で連続攻撃を繰り出し、敵の身体を削っていく。

 傷が塞がる様子を見ると再生ではなく、穴の開いた個所に周りの身を寄せて塞いでいるように見える。


 このまま攻撃し続ければ敵を無力化できるだろうが、ウッドマンの膨大な体積を槍で削り切るのは現実的ではない。



 俺にとって救いなのは――

 ウッドマンの操り主であった傀儡の魔術師が死んだことで、敵の動きが鈍くなっている。傀儡の魔術師の護衛時のような、素早さで動かない。



 威力はあっても大振りでスローな攻撃を避けるのは難しくないし、闘気で身体の強度を上げれば耐えることも可能だ。



 こちらの攻撃は命中するが、敵の攻撃は当たらない。

 優勢に戦えているが、決定打が無い。


 できれば――

 一撃で勝負を決めたい。




「魔石を狙うか……」


 モンスターはその体内の魔石を破壊すれば、倒すことが出来る。

 ウッドマンの魔石の位置は、空間探知で確認できる。



 ウッドマンはこちらに顔を向け、ゆっくりと腕を大きく振り上げる。

 顔には目が付いてないのに、こちらを見る動きに意味はあるのだろうか?



 まあいい、俺は槍に闘気を込めて、体には魔力を巡らせる。

 ウッドマンは振り上げた腕を俺に向かって振り下ろす。


 俺は魔力で身体能力を向上させ、敵の攻撃を回避して――



 ウッドマンの魔石に狙いを定めて、槍を繰り出した。

 俺の槍がウッドマンの身体を貫き魔石を砕く。



 ウッドマンは急速に力を失い、地面へと倒れ込んだ。


 どぉおおおおおおんん!!


 勝負はついた。






 離れた場所でずっと様子を伺っていたスラ太郎は、ウッドマンが倒れた様子を見てこちらへと近づいてくる。


 俺はウッドマンの半分に割れた魔石と、傀儡の魔術師の魔石を回収する。




 戦闘中で確認できていなかったが――

 傀儡の魔術師が『魔術師の杖』をドロップしていた。



*************************

魔術師の杖 (所有者ユージ)  

強度  115

魔力増幅  五十パーセント

品質A

************************* 


*************************

ウッドマンの魔石 (土属性) 

所有者 ユージ

魔石値 000225

*************************


*************************

傀儡の魔術師の魔石 (土属性)

所有者 ユージ

魔石値 000336

*************************


 俺は回復薬で体力と傷を癒してから、農場へと帰還した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ