表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第3話 洋介とヨウコ

   

 洋介が愛する『ヨウコ』は、解離性同一性障害により彼自身の体の中に発生した別人格、いわゆる二重人格だった。

 今から一年ほど前、洋介が前日までの記憶を失い、しかも女言葉で話し始めたため、両親は大騒ぎ。彼を病院へ連れていった。

 翌朝、そんな事件はケロッと忘れて元の洋介に戻ったが、彼の意識としては丸々二晩眠っていたことになるので、彼も慌てた。

 以降、朝の起床の度に、彼と彼女の人格が交互に現れるようになった。前日の記憶がないまま生活するのは支障があるので、交換日記を始めたのだが……。

 そのうちに二人は、互いを最高のパートナーだと思うようになってしまった。


 現在、両親や病院の先生に対しては「もう治った。ヨウコは消えた」と伝えてある。別人格であるヨウコも、洋介本人であるかのように演技していた。

 そうしないと、治療と称して本当にヨウコ人格を消される可能性があるからだ。洋介としては、最愛の人が生き続けられるよう、必死に彼女を守っているつもりだった。

 傍から見たら歪な関係だが、これもプラトニックな愛の形なのかもしれない。




(「彼と彼女の交換日記」完)

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ