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04 邂逅
フェルさまは、新入生代表を堂々とこなし、公爵家のご令嬢ここにあり! といった風情をかもしだし、その後のHRでも完璧なご令嬢でいらしていたのですが、放課後、ぶんぷん顔で私に迫ってきました。
「貴方のおかげで大変な辱めをうけました!」
と仰るのです。
挙げ句、私の両の頬をつねりながら、
「ただじゃすまさないですわよ!」
とか言ってると、
「おやまあ、天下のニーデルベルゲン公爵のご令嬢が、その侍女を虐めているとは、穏やかではないね」
と、天露に声を乗せてみました、みたいな美声が聞こえてくるではありませんか。
お嬢様は一瞬で耳の先まで赤く染めて、最高に可愛らしかたです。