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僕らが好きだった空  作者: 水上橋博士
11/15

11.始まりの9.18

「決まったよ!ライブ!」

「マジ?いつ?」

「9月18日!サウンドマスターで!」


スリーセブンの近くのライブハウス。

サウンドマスターにて、JUDEの初ライブが決定した。


「9月18日ったらジミヘンの命日だよな?何かジミヘンの曲やる?」

「いいね!やりたい!」

ケビンが乗ってきた。


「もう日がないな。よく決まったな?」

通常、ライブハウスには1、2ヶ月前から出演のオファーをしなければならない。

「コネだね!スタッフさん皆知り合いだから!」

「流石ユキ!心強いわ~」



「決まったか~」

「チケット出来たら持って来るよ!」

久しぶりに串丸に三人が集まった。


「楽しみだな~!」

「二人とも来れるんだろ?」

「もちろん!」

「あ~、俺はまだわかんねえわ~」

濁したのは哲だった。


「お前な~。春樹の第一歩だぞ!どうせ暇なんだから応援に行こうぜ!」

「行きたいけど、二週間後だろ?そんな先の予定なんてわかんねえよ!」


こいつは何を言ってるんだ?春樹と宗太は顔を見合わせた。

次に口を開いたのは春樹だった。


「まあ来れたらでいいからよ!」

「美奈ちゃんも来るのか?」

「さっきLINEしたけどまだ返って来ない。多分バイト中だろ」


いつもより口数少ない哲を横目に、久々に会ったことで、二人は近況報告で盛り上がった。


「そのうちMV創ってくれよ!」

「任せとけ!」



『絶対行きます(^o^)/』


河合美奈から返信があったのは、深夜12時を回った時だった。


「始まりの9.18」

そう書かれたJUDEのフライヤーは、町中の電信柱に貼られた。

もちろん串丸の店内にも。

そしてその始まりは着々と迫ってきた。



本日の出演バンドは三組。

その全てが初ライブであった。

その為、ライブ名は「始まりの9.18」となった。



トップは「BEAT69」。

疾走感のあるパンクロックバンド。

メンバーそれぞれが有名インディーズバンドの出身らしく、観客からの歓声は凄かった。



JUDEの出番は二番目であった。


一曲目はユキの前のバンド、「BLACK CHERRY」の代表曲。

『STAR LIGHT』


唯一、ユキが作詞、作曲した曲だ。

春樹もケビンも顔は知られていないが、ユキのファン達でそこそこ人が集まった。

一発目にBLACK CHERRYの曲を持って来たのは正解だった。

流石はデビュー直前まで行ったバンド。ユキの人気は強く、つかみは完璧だった。



ちょうどホールの中央に、宗太と美奈の姿を見つけた。

隣には哲もいた。

ぶつぶつ言いながらもついて来たんだろう。


一瞬客席の宗太と目を合わせた。

「次の曲は、俺の友達が創った映画の曲です」

ライブが進みにつれ、春樹の歌、ケビンのベースにも次第に歓声が増えていた。


最後に、満月の夜に一人歌ったバラード。

「僕らが好きだった空」と名付けた曲で、JUDE最初のステージは終わった。



最後はギブソンの使い手三人。 フライングVのギターボーカル。 レスポールのギタリスト。 ファイヤーバードのベーシストと、打ち込みのドラムの3ピースバンド。

「三銃士」が締めくくり、始まりの9.18は幕を閉じた。

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