残ったものは、
引き続き更新です。ちょっとした節目?です。
楽しんでいただけたら幸いです。
――死体の顔が自分の顔だった。
それが信じられず、思わず瞬きをした。
そして、気付く。
誰かいる。
自分以外、死体だらけのこの部屋に。
目が合った。
「え」
相手も動揺しているのが分かる。
「なんで、いるの?」
自分の台詞だ。そう言いかけた時、
誰かが居間に入ってきた。
その誰かもまた、自分たちを見て微動だにしない。
だが、その誰かがポツリと呟いた。
「なんで、ないの……?」
その言葉に、ハッと我に返る。
慌てて周囲を見渡して、くまなく探す。
そして、気付く。
この部屋の中には、三人の人がいる。
首を吊って死んだ筈の『僕』と、
浴槽で溺れて死んだ筈の『私』と、
大量の血を流して死んだ『俺』――――
代わりになくなったものがある。
悪臭漂う首吊り死体、
浴槽に浸かり込んだ溺死体、
そして、壁に背中を預ける出血死体、
全部、消えていた。
あとに残されたのは、呆然と立ち尽くす、
生きた三人だけだった。
ようやく一区切りです。
この後どうしようと考え中です。
とにかく、ここまで書けて良かったと一安心です。
引き続き、読んでいただけたら幸いです。それでは失礼します。