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「見覚えがありません」と、『僕』は言った

お久しぶりです、ぺんぎんです。

久しぶりの執筆活動です。

今回も今回で、主人公が絶望的な状況です。主人公がどうなっていくのか。

楽しんで頂けたら幸いです。

 いつの間にか人を殺していた。


 気が付けば、『僕』は、誰かの首に縄をかけ縛り上げていた。

 

 我に返り、後ずさりしたものの、時すでに遅し。

 

 その誰かは死んでいた。


「なん、で……」


 見ればそこはその誰かの家の中。

 時計はすでに止まっていて、罅が入り、無造作に落ちていた。


 何が起きたのか全く分からない、。

 さらに周囲を見渡せば、死んでいるのは一人じゃない。


「え……」


 死んでいるのは『僕』以外、合わせて三人。

 一人は絞殺。

 一人は大量出血。

 もう一人は、風呂場で溺死。


 生きているのは、『僕』だけだ。


「……!」


 思わず立ち上がる。

 完全にパニック状態だった。

 ――逃げたい。その一心で、死体を置き去りして、玄関の扉を手をかける。


 だが――


「は!? な、なんで!?」


 玄関の扉はびくとも動かない。ガチャガチャという音はするのに。

 外から施錠でもされているのか。

 体当たりしようが、無理にこじ開けようとしようが。


 無理だ――。


 そう悟った瞬間、ずるずるとその場に座り込んだ。


「ちがう、ちがう、ちがう」


 『僕』じゃない。

 『僕』は殺していない。


 状況が物語る証拠を、必死に否定した。


「僕じゃない。だって、僕は――」

 

 『僕』は、『僕』は、『僕』は――


「何も覚えていないんだ」


 カチッ。


 何か、音が鳴った。

 その瞬間、世界が暗転した。


「――え?」


 そして、また目を開けた時。


 『僕』はまた誰かの首を縄で縛って、殺していた。

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