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〜35歳

書いてるうちに当初想定していた終わり方と大分変わってビックリしてます。


子供の為にめんどくさい人とも

付き合わなければならない。それがママ友。



あれから私も女の子を妊娠、出産した。

リタちゃんも出産したけど、

サーシャさんだけは孕まない。

死んでもヤツの子供を妊娠するかという気合を感じる。

‥嘘だ。長寿種は妊娠しにくいらしい。



先に子供を産み、成人まで育てた女王と

私はママ友となった。


その心は将来的に、権力者と懇意にしていた方が

子供の将来の為だと判断したからである。


だけど子育てを終え、ふくよかになった女王は

驚くほど丸くなって過去の発言を謝ってきた。


人って変われば変わるものだね。


最近では毎日お茶してる、ヤツ被害者の会。

ヤツの過去のイカレ具合をネタに毎日笑いが絶えない。



奴隷だった私が今、この国一番の権力者と

対等にお茶してる状況は何だか笑える。



ヤツに買われてから、最初は命の心配ばかりしてたけど

今更こんなおばさんのヨイショではヤツも喜ばないだろう。

あのリタちゃんですら老けてきているのだから。


変わらないのはサーシャさんだけである。



情はあっても愛はない相手の子供を産み育てた我が人生。

半分過ぎてみたらこれがそんなに悪くないのだから

不思議である。

衣食住も平均より高い水準だし、友達もいる。

一応はヤツに買われたおかげか。感謝‥したくないなぁ。



そうそう、数年前にエタッたヤツは今どうしているか?



権力と力と金と女を手に入れ、ヤツが憧れたテンプレに

沿った人生。


ヤツは飽きたそうだ。


権力を手に入れてもしたい事はない、政治は難しいから

参加できない、力は最強、でも敵がいないから使いどころがない。

金で欲しいものはもうない、転移前の世界の方が

娯楽に溢れている。

女は‥もういいらしい。一時期、男の娘を探していた。

ようはホモの一歩手前である。


そう、ヤツはこの世界に飽きた。

故に去った。



だが逃げられなかった。



そこで

ヤツは最近農業を始めた。

ズルをしない自分に出来ることを模索しているらしい。

チートを使わないから失敗ばかりしているけど

何だか楽しそうだ。


魔法の勉強から、料理と幅広く、少しずつ少しずつ

自分の中に刻みつけている。


剣を振っていた時より、悪徳貴族退治していた時より、

戦争していた時より、いい男になった。


以前はガキっぽかったけど、今は自分の顔つきに

自分の人生を刻んだいい顔だ。


久しぶりにヤツの顔をまっすぐ見た。

うん、全然好みじゃない。

でも、結構愛嬌のある顔をしている。

今はハゲた頭すら可愛いものだ。


あと、今の私に奴隷の首輪はない。

出産した時に外してくれた。

お母さんに首輪が付いているところを子供に見せたくないらしい。



こいつ、ホントに色々遅い。


だがまぁ許そう。ヤツは40歳超えなきゃ色々気付かない男なのだから。


チートを使えば若返ることも不老になることも出来たのに

それすら使わず私達と同じ限りある命を選んだこのハゲ親父を

愛す‥‥のは無理かもだけどせめて一緒に生きてやろう。



ヤツとは違い、私は40歳になる前に気付ける女なのだから。








最後まで読んでくださってありがとうございます。

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