表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

〜11歳

他の方の作品を読んでいたら書きたくなりました。だから書きました。数分間の暇つぶしにどうぞ。思いつきで書いているので更新遅いよ。


わたしはタリア、奴隷のタリア。


とはいえ生まれた瞬間から奴隷だったわけではない。

帰る家もあったし、両親もいたし、弟もいた。

ただお金がなかっただけである。


わたしが10歳の頃、村に魔物達が押し寄せ、農作物と働ける人間達を奪っていった。

元々、貧乏だったのに働き手もいなくなっては、こんな貧乏村の行き着く先は決まっている。

だがしかし、このまま滅びを受け入れる訳にはいかない。

そこで村の子供達の中から何人かを見繕い、奴隷商人に売り渡す事が決まった。わたしもその中の一人である。


まぁ、可愛かったからね、隣のおばちゃんも是非息子の嫁にって言ってたし。でもけっこんはあと20歳若返ったら考えてあげるよ。そう言ったら怒られた。ウチのゴンちゃんの何が気に入らないのかって。年齢だよ。


親達は涙を流し別れを惜しんでたけど、そんな事するならもういっそ一緒に死んじゃおうって思ったね。

でも‥幼い弟達の事を思えば仕方ないのかも‥。

せいぜい買った人に媚び売って、せめてご飯だけは貰えるようにしよう。


荷馬車に揺られてガタゴト、たどり着いたよ大都会。

運ばれる私たちを馬車の柵の向こう側の世界から哀れむように見る人たち。


見世物じゃないっての、でもうりものなんだよねぇ。


中にはいやらしい目で見てくる人もいて鳥肌がたった。

でもよく見たら、見られてるのは隣のおっぱいが大きいお姉さんでした。確かにいいおっぱいである。


わたしを買った奴隷商人は、わたしたちに一年間は教育を施してから、高級奴隷として売り込もうとしている。


高級奴隷として売られるなら、使い潰されることもないか、やったね。


特に耳と尻尾の毛並みのいいわたしは高値で売れると期待されている。

言い忘れていたが、わたしは猫獣人。

思えばこの耳と尻尾のせいでヤツに目をつけられることになるのであったがこの時はまだ知らない。



人生の第二の転機は突然に‥

一年の教育を終えた私は、いよいよ商品として店頭に並ばされることになった。

そう、ヤツに買われる時が来たのである。


その日、奴隷商人に呼ばれ、お客様との面談室に通された私を待っていたのは、平たい人族の男だった。

ちなみに人族の亜種ではない。顔が平たかっただけである。

傍らにはエルフ族の見目麗しい女奴隷を連れた彼は私を見るなり、鼻息を荒くし、購入を即決した。


金貨30枚、あるところにはお金ってあるんだなぁ‥。


早速奴隷契約を交わし、首輪(高級奴隷なのでちょいお洒落)に主人を登録し、晴れて彼の所有物となった私。


売られる前に奴隷商人からはすぐにお手つき(交尾的なアレ)があるだろうから覚悟するように言われた。

せめて成人する12歳まで待ってほしいなぁ。


平たい彼はタロウさん、エルフ族の奴隷はサーシャさんと自己紹介された。長寿種のサーシャさんはわからないけど平たい彼は私より年上の18歳だと教えられた。


まだ若いのに、こんな大金払うとかすごい。帯剣してるから冒険者なのかもしれない。謎だ。


そしてここから、私の憂鬱な日々が始まったのである。



平たい彼、以下ヤツは自分は冒険者であり、まず私を冒険者として登録すると言った。一応、高級奴隷として護身術程度の短剣の使い方は習っているし、獣人だからそこそこ身体能力はある方だと自負しているが、交尾目的だと思ってたからなんだか面食らった。結局のちに抱かれるんだけどね。


登録の為に冒険者ギルドの受付で並んでいる時、それは起きた。ヤツの伝説の始まりである。


年若いヤツが見目麗しい奴隷を二人連れているのが気に入らないのか、数人の酒臭い冒険者が絡んで来た。

曰く、金持ちの坊ちゃんがこんなところに何の用だとか。とっとと帰れなど。口論の末、私とサーシャさんを寄越せだとか言ってヤツに殴りかかって来た冒険者達は速攻でヤツに軽くいなされてしまい、鼻で笑われる始末。

酔っていたといえ、彼らも冒険者。引っ込みがつかなくなり、とうとう剣を抜き、振りかぶったその時。

その冒険者の腕が宙にまった。


何が起きたか分からずにポカンとしてアホヅラ晒していたが、意識が戻ればあら不思議。腕のない冒険者達の出来上がりである。


私は戦慄した。いきなり、いきなりである。腕を切り落とすとかこの人怖い。確かに非は彼らにある。剣を抜いたのも彼らが先。だがしかし、ヤツの実力が彼らと一線を画していることくらい誰の目にも明らか。そこからの腕ぶった切りである。一応治癒の魔法も魔法薬もあるが、腕の切断ともなるとかなりの額がかかる。貧相な装備を見るに治療は絶望的。なむ


ヤツのターンは続く。自分の正当防衛を主張し始めた。

この場にいるみんなが証人だと。勝手に巻き込んでいくスタイル。

それにすかさず、流石ですタロウ様〜と合いの手を入れるサーシャさん。タロウ様に逆らったこいつらが悪いと。あなただけはまともだと信じていたのに。勝手だけど。


その後の処理は以外にスムーズに終わった。なんでもヤツは期待のルーキーとしてこのギルドのお偉いさんのお気に入りらしい。依頼達成数も少なくまだ最低のDランクでありながら、Aランク相当の魔物を複数討伐しているとのこと。


ここまでならまだよかった。この後、ヤツはこう言った。

俺の大切なサーシャとタリアをいやらしい目で見たり、寄越せだとか言ってカッとなってやった。と

割とドヤ顔で。


初対面からの大切な発言頂きました。

高かったもんね。私。


サーシャさんは顔を赤らめ、大切な発言に嬉し恥ずかし顔。

対する私は‥ドン引きしつつお礼を言った。媚び売りスタイルにチェンジし、恥ずかしそうにね。ヤダ、大切だなんて、そんな‥


その心は、

ヤツの反感を買うと処分される。

身が引き締まった。















読んでくださってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ