これは夢か現か、真か虚か
※これは事実を元にしたフィクションです。1話まではノンフィクションです。
今日、生徒会活動をしていた時、生徒会の書記さんがこの光景を見たと言い出したのです。
今話はプロローグのようなものです。
そして、いつものごとくホラーと銘打ちながらそこまで怖くはないです。
冬季、某日。
ある学校の、生徒会室の扉が叩かれた。
「誰?人影がないけど...」
扉についた窓からは、人影は見えなかった。
「ちょっと、俺が見てくるよ」
副会長の航夢が、扉を開き確認する。
「誰も居ないな...」
扉の向こうには誰もいなかった。トントンダッシュかとも思われたが、走り去る音がないことからそれは有り得なかった。
「...この状況、夢で見ました」
生徒会室が少しざわざわとした中、皆が一斉に、書記の知真の方を見る。
会長の将徒が乗る。
「そういうの、良くあるよね、デジャヴと言うか...」
「たしかこの後視聴覚室の扉が開いて...」
あたりがどよめく。しかし、その扉は開かなかった。
「はぁ...良かった」
「あっ!思い出しました、このキャップが並べられていました!」
ホッとしたのもつかの間、再びざわめく中、すぐに知真が加えた。
「このポカ・コーラのキャップもこのとおり綺麗に並んでたし...このとおり色も綺麗に並べていました」
このキャップを並べたのは「今日」だ。
「え、怖い怖い...!」
書記の咲予が今まで以上に怯える。
「あっそうだ、その黒板の落書きも!」
そこには、国民的に有名なアニメのロボットが描かれていた。
すぐに、航夢が落書きを消す。
それに、元から描いてあった落書きも、「昨日」手直しをしたのだが...
「実は...その夢を見たのは、『一昨日』なんです」
そう、一昨日に、今日のこの光景を見たという。
予知夢だ。
予知夢とは、未来の光景を夢として見ることだ。
「ちょっと...本当に怖いんだけど...」
「扉がなった後、航夢先輩が扉の向こうの様子を見に行ったんです」
少し状況は違うが、航夢が様子を見に行ったという事実は変わらない。
「それで、皆が教室から出て逃げてしまった後、私が後退して、そこで目が覚めました」
「...夢が途切れたっていう事は、そこで命が...」
「辞めろ!」
航夢が語るもすぐに庶務の心音が止める。
「全く、同じ、この状況でした...それで、ここで話してた内容が...」
「何だったの...?」
「それは...
『最近学校で怪奇現象が起こるけど、生徒会室の戸締り、誰がしようか』」