2章 集えダイヤの戦士たち2
ソリスは今の仕事を始めてからずっと『スコアブック』をつけている。
チョメミチョ定食を食べながら試合開始に備えてスコアブックを取り出すと知らない男性がやってきた。
「あなた今スコアをつけようとしているようですがちゃんとスコアブックについて説明されましたかな?」
小太りの体形に高そうなグレーのスーツ、丸眼鏡をかけてシルクハットをかぶっている。
「あの、どちら様でしょうか?」
「おや、これは失礼、私はこういうものです。」
そういいながら優雅な仕草で名刺を差し出す。
ソリスは立ち上がって受け取り名刺を見てみる。
『セッツ・メイガスキー』
『説明などの依頼お待ちしております。』
なんだろう、司会者かなにかの営業だろうか?
身なりもしっかりしていて身分も高そうだ。
「あの・・・何をされている方なんですか?」
「はい、名刺にもある通り趣味で説明など嗜んでおります。」
「スコアブックの説明は確かにあったほうがいいと思うけど・・・1説明あたりおいくらなんですか?」
「いやいや、私は趣味でやっているだけなので無料で説明させていただきますよ。」
ソリスは趣味で説明をしている人に今まであったことがなかったのでいささか驚いたが面白そうなのでお願いした。
畏まりました。と優雅に一礼して説明を始める。
「スコアブックとは後から試合経過を見直すために情報を記載したものです。
決まった書き方などはありませんが打撃結果や投球内容など細かく書かれていたほうがより良いですね。
ソリスさんの場合は一球ごとのコースや球種も記載しているようですね。」
「え、なぜか僕の情報も詳しいですね・・・」
「はい、実は私毎週『ぼやき王子ソリスの今日の配球はあれやなぁ・・・』を読んでおりますので。」
コアなファンがいた!
でも自分の記事のファンに直接褒められると悪い気はしない。
そういえばアンケートで毎回高評価してくれている人が二人くらいいる。
そのうちの一人のようだ。
「よろしければ相席させていただいてよろしいですかな?私もクラーケンズを応援しておりますので。」
「あ、はい。構いませんよ。せっかくなので一緒に応援しましょう!」
こうして初対面の紳士と一緒に観戦することになった。
ペンタブを買って絵をつけたい。




