4章 未来へ18
チャレンジトーナメント本戦を見学するソリスなど一部の記者を除いてハピスポは重い空気の中帰郷した。
そんな中、アストラはなんとか雰囲気を変えようと試行錯誤していたがなかなか難しい様子だった。
一方、本戦を見学したソリスはそのレベルを目の当たりにして、改めて目指す目標の高さを思い知らされた。
バルドランド予選一位通過でハッピーズを下したセイントナイツは本戦準決勝でエースのビグバレーが力尽き変わった投手が打ち込まれ乱打戦をものにできず敗北。
さらに決勝ではプロ注目ドラ1候補のブルーウェル投手が強力打線を完封して4-0で決着をつけた。
ソリス達はインタビューやらなんやらで目まぐるしく働いている間に行われた入れ替え戦では3rdリーグ前半戦最下位のパスケット・ブーマーズが粘り強くブルーウェル投手を攻略し続く二日目には打線爆発で打ち勝った。
結局チャレンジトーナメントを勝ち抜いたセスラッツ・スケルトンズはたった2試合でアドバンテージ含む0勝3敗でリーグ参戦の権利を失ってしまった。
結局今年もリーグ入れ替えは実現しなかった。
ソリスら取材組がビアンコに戻っても社内の活気は戻らなかった。
しかし仕事は山ほど溜まっている。
チャレンジトーナメントの特集はもちろんそれに準じて今季オフのドラフト注目選手特集やこの時期行われるマカイリーグオールスターシリーズなど注目のイベントが目白押しだ。
バルドランドからは唯一前半戦でブレイクしたクラーケンズのスティアー内野手が選出されイリーグ代表としてマルゲニアに飛び立つ。
オールスターはイリーグ代表VSカリーグ代表、イリーグ代表VSマリーグ代表、カリーグ代表VSマリーグ代表と三試合行われ、いずれも前回マカイシリーズを制したマルゲニアで行われる。
興行収入はもちろん、平和を祈念するイベントとして世界中が注目する一大イベントである。
各メディアはこれを外すわけにはいかない。
そういった忙しさもあり社内にピリピリした空気が流れていた。
次章へ続く




