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4章 未来へ2
「・・・本当にいいんだな?」
「ああ、どのみちもう戻れやしないさ。」
「確かにな。・・・私はまだまだやれたと思うがな。」
「そっちで新たな道を進むのもそう悪いことだとは俺は思わないぜ?」
「そういってもらえるのは本当にありがたいんだ。ただ、お前の一ファンとして早すぎる引退が残念だと思っただけさ。」
「俺はあの事件でお前さんに何もしてあげられなかった。」
「やはり同情なら」
「勘違いしないでくれよ、それが理由じゃないさ。それにまだ引退じゃない。これから一仕事、恩返しをするチャンスが出来たことに感謝してるのさ。」
それから少し、魔道通信機でやり取りをした後社長は通信を終えた。
男は最後に『あと4日ほどで到着する』と告げて通信を終了した。
「・・・変わらないな。」
それがかつての英雄に対する社長の見解であった。




