3章 実戦!見せるは個の力5
結局7回以降はチャールズに代わって助っ人のジャスティーが入り二番手投手ルチアがノーヒットに抑え9-3でハッピーズが勝利した。
ソリスは本塁打を含む二本の長打を放ち体格が小さくてもそのパワーを証明することができた。
しかし一方で初回に四球を出しすぎてしまった配球については考え直す必要があるかもしれない。
ソリスはちゃんと反省点も洗い出していた。
「今日は勉強させてもらった。またよろしく頼む。」
「いいっていいって。俺らも久しぶりに集まれてめっちゃ楽しかったし。」
商店街の人たちとも話せる機会があったのも良かった。
地方紙である以上、地域との関係を築けるのはそれだけでもメリットは大きい。
それ以降練習試合の申し込みも増えハッピーズは地元でそこそこ名の知れた野球チームとなっていた。
仕立て屋にピンクのユニフォームを発注し仕立て屋からは広告の依頼がくる。
相互関係が良好になりビアンコ商店街自体も活気づいてきている。
練習時間も少しづつ長くなっていた。
「よし、練習の時間だ。しっかりやれよ。」
それに反比例して社長が練習に顔を出す回数が減っていった。
口には出さないが相当無理をして仕事を負担しているはずだ。
一度ソリスがそのことを社長に言った時、
「お前の仕事はなんだ?野球をすることだろうが!」
と怒られたことがある。
それだけ期待しているのだ、この野球部に。
そしてある日の朝礼で発表された内容は社長の決意そのものだった。
次章へ続く




