3章 実戦!見せるは個の力3
ハッピーズ 打順
1 左 アストラ
2 二 ランザス
3 遊 ロビン
4 一 ジャッカス
5 右 チャールズ
6 中 アズリー
7 捕 ソリス
8 三 ドミニク
9 投 ルイス
「ライトに飛んだら諦めろ。」
「ふぉー、おいらも頑張りますよぉ。」
助っ人メンバーとしてアリカの兄ジャスティーも来ているが練習試合なので正式メンバーをスタメンに据えている。
チャールズは足の遅さは勿論、野球未経験から始めているのでボールの追い方もままならない状態だ。
アストラも未経験ではあったが持前の身体能力と足の速さで一歩目が遅れてもなんとか追いつけるくらいにはなっていた。
全体的に若く身体能力に優れたハッピーズに対し商店街チームは全体的に高齢であった。
また仕事柄集まって練習することもできない。
でも全員がとても楽しみにしていたのだろう、キャッチボールをする時も活き活きとしている。
気合いの入った赤いユニフォームはボルディの仕立て屋が提供している。
商店街チーム 打順
1 中 ボルディ
2 遊 ミオ
3 三 グレイタス(兄)
4 投 グレイタス(弟)
5 捕 グレイタス(父)
6 二 ヴァーミリオン
7 一 ラッセル
8 左 ティーン
9 右 ルノ
ショートのミオとライトのルノは女学生で友達同士でもある。
主力となるのは道具屋のグレイタス一家だ。
今日は店を閉めて奥さんも応援に来ている。
中でも投手のクリス・グレイタスはまだ学生だが外野手としてスタメンに選ばれるほどの現役球児だ。
一家揃って熱狂的なクラーケンズファンであり、幼き頃から野球漬けの日々を送っているほどである。
ミオとルノを誘ったのもクリスであり、校内でも人気のほどがうかがえる。
「今日は胸を借りるつもりでやらせてもらう。よろしく頼む。」
頼んでる人には見えない社長の態度だが商店街チームは誰一人気にも留めずニコニコとしていた。
「プレイボッ!」
見学者の中に審判マニアがいたので球審(本塁後ろでストライクやボールなどを判定する)を頼んだ。
その他、一塁と三塁に塁審を置いた三人審判制で試合を行う流れになった。
二塁の場合はプレイヤーがセルフジャッジを行う。
表の攻撃はじゃんけんの結果ハッピーズからとなった。
アストラが左打席に立つ。
まだ右のほうがうまくスイングできるが練習のためあえて左打席に挑戦している。
「アァァァイ!」
クリスはなかなかいい球を投げていて真ん中付近に来ても勢いがあるので空振りしてしまう。
結局アストラが打ったのは一塁方向にボテボテのファールを打った一度だけで空振り三振に倒れた。
「くそぅ、むずいぜ。」
「アストラ先輩ではまだ無理っしょ。」
ランザスは嫌な奴だが言うだけのことはあって外角のストレートをうまく合わせてライト前ヒットを放った。
続くロビンもセンター前ヒットで出塁し1アウト1,2塁としたが四番ジャッカス、5番チャールズが倒れて無得点。
1回の表の攻撃が終了した。
「ああああぁぁぁああ。」
「落ち着いてよ、ルイス。練習試合だしさ。」
ルイスはまだ緊張していた。




