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機械の装甲を着て敵をウテ。~ほのぼのVRMMOSTGライフ~  作者: 月見系男子
第二章~公式イベント【チームアドベンチャー】~
7/12

7.イベントへ向けて(後編)~チーム決定~

 「で、Tを探してるけどなかなか見つからないと言うことか。」


 格闘部屋。近距離の武器のみで斬ったり殴ったり突いたりをして戦う部屋に良くつけられる名称である。

 部屋によってルールは違ったりするが、基本はTSチームサバイバルで三本先取、FF無しだ。


 して今は順番待ち、一騎打ちを見守っている状態で暇している。戦況は3:1でこっちが勝ってる。敵軍が一人になったら、一騎打ちにきり換えてあげるのがこういった部屋のマナーだ。フルボッコにするくらいならワンちゃんあげてみようってことでもある。


 「割りと現チーム面子は悪くないと思うんだけどな、中々Tの募集が上手くいかない。」


 「悪くないと言うよりも勝ち組だろそれ。狙撃姫とアクエリアスなんて美少女が二人もいるだし、やっかみや嫉妬で襲われるぞ?


 「やだよ。なんでそんな理由で襲われてやらなきゃならないん。」


 「とは言えだ。イベントまで後二日しかないんだ。Tが見つからないなら早めに別口を誘っておかないと、参加すらできないって事態になるぞ。もしくは初心者とか。」


 じゃあ次いくわって言ってさっさと降りて行きやがったアイツ…。いつの間にか敵に味方やられてるし。

 あ、しかもそのままパイルで抉られてやがる。3秒も持たなかったなー。


 これで残ってるのは敵と俺だけか、勝てる気がまるでしないとまでは言わないけど、相手は近接オンリーの奴等の間では最強と言われてる相手だ。腕がなるとか言えるほど強くも偉くもないけど、こういう瞬間は、こう、好きだ。



 「よう、後はお前だけか。」


 降りてきた俺に対して言葉をかけてくる敵―鬼殺しさん。通称鬼さんが手をあげる。

 大手近接戦闘専門クラン「ラグナロク」のクラマスにして、近接最強の名を欲しいままにする上位プレイヤーの一人。これまでの戦いで減ったLIFEや蓄積された疲労などを計算にいれて漸く土俵に立てるかといった相手だ。


 「胸を借りるつもりでいかせていただきます。」


 「おうよ!来な!叩き込んでやるぜ!」


 ブースターゲージを確認。MAXあるのを確認して、一気に吹かせて空中を飛ぶ。そのまま左肩を狙いパイルを叩き込む。

 振りをしてカウンターにあわせて叩き込む!

 予想通りこちらの初撃に合わせてカウンターの如くパイルを叩き込んでくる。初撃を避けることによって移動するであろう位置を予測し、そこにはなったパイルは鬼さんのお腹を抉る。


 「が、甘い。」


 鬼さんの攻撃が額に突き刺さる。攻撃の軌道の変化によってかわる頭の位置を読んで、パイルを放っていたのか。

 LIFEがMAXだった俺はパイルの攻撃を一度までなら耐えられる。一撃必殺となるHSヘッドショットを除いてだが。


 結局鬼さんの6タテによって俺たちは逆転敗けを晒したのであった。



※※※


 『最後のメンバーが見つかりそう。部屋番:21223に来てほしい。鍵は金平糖』


 とカホからメールが来たため、キリが良いところで格闘部屋を後にして、赤い扉―通称どこへでもドア―の前にあるキーボードに部屋番号:21223を打ち込む。

 《PASSを入力してください。》


 電子音で指示される。金平糖と入れればドアが開く。これを潜ればあっという間にカホが用意したであろう部屋へと跳ぶことができる。

 こういった他のプレイヤー達に聞かれたくはない会話をする場合の処置としてMWOでは、部屋ジャンル雑談として部屋を作り、PASSを設定すという方針が推奨されている。


 【(  ̄ー ̄)ノ<やぁ、レヴィちゃんだよぉ。ユート君久しぶりだねぇ(*´∀`)】


 部屋にはいるなり金髪ロングを靡かせた白い薄手のワンピースを着た美少女が立っていた。手にはホワイトボードを持っていて、そこに字が書かれている。


 その後ろではカホとざるそばさんが話をしているのが見える。目があったし手を振っておく。


 「…Leviathan。そのホワイトボードのキャラ楽しいか?」


 【スッゴク楽しいよぉ(((o(*゜∀゜*)o)))。と言うよりこのあと合流する新規面子を考えると児のテンションじゃないとなのー】


 「ん?Leviathanは誰が来るのか知ってるのか?」


 俺はまだ知らされていないが…。


 【知ってるよー♪っていうかレヴィって呼んで良いよって前から言ってるじゃない( ・ε・)呼んでよー(`ヘ´)】


 自動で文字が書き込まれるホワイトボードはアバターアイテムのなかでも激レアな分類なのだが、持たせてはいけない人物に渡ってしまった感が、凄くある。


 「あー、わかった。悪かった。んで、レヴィ的に最後の一人はテンション高くないとやってられないような奴なのか?」


 【そうだよぉー。正直味方としては心強いんだけどねぇー。仲間になりたそうにこっちを見ていたのがちょっと信じられないです( ̄▽ ̄;)】


ガチャリ、と扉が開く音がする。どうやら待ち人が来るようだ。


 《あるてしあさんが入室しました。》


 ……………………………………。

 ゆ、〔百合姫〕だぁー!?

 そりゃ、信じたくない気持ちはわかるが、ほぼお前(レヴィ)とカホに引き寄せられたんだろ。としか言えないぞ、この状況。

 …いや、後は俺がいるのも自惚れでなければ要因かな。


 「Leviathanちゃんだぁー♪抱きついて良い!?」


 【嫌だよぉー(*_*)レヴィちゃんあるてしあちゃんのこと嫌いだからι(`ロ´)ノ】


 「えー、本当は好きなんでしょ?知ってるよー。」


 【そんなわけないよー!!(`ヘ´)あるてしあちゃんと話してるとイライラしてるなぁ(# ̄З ̄)】


 「それ、Sって言うんだよ!私はMもばっちこいだから!安心して良いよ!」


 あ、来るなり挨拶もそこそこに行われた噛み合ってない会話にレヴィがキレそう。カホほど付き合いが長いわけでは無いけど、会えば喋るくらいには仲が良い(つもりな)レヴィの表情を見れば大体わかる。止めておくか…。


 「ストップ。これ以上はレヴィの胃がヤバイ。ただでさえ小食なんだから止めてやってくれ。」


 「なぬ、じゃあ私があーんして食べさせてあげよう!若しくは口移しで!」


 「アホたれ。そー言うのがストレスになって胃が痛くなるっていってんだろボケぇ!」


 「痛い!いーじゃん。どっちにしたってMWOでは食事システムなんてないんだから」


 「そーゆー問題じゃないっての!出来るか出来ないかではなくて、嫌悪感を抱くか抱かないかなの!」


 「二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」


 「お前一応母子家庭なの有名だかんな?それにお前の性癖の根本を聞いたことある俺からしたらんなもん当たり前だろとしか言えんわ!」


 「えー、しょうがないなぁ…。まぁ一回身を引いてあげよう!」


 偉そうに言いつつも、引き下がってくれたあるてしあ。

 【助かった~( -。-) =3ありがと!でも二人とも意外と仲良さげだけど仲良いの( ゜∀゜)?】


 「それは、私も、疑問。ふたり、接点、なさげ。」


 「気になるところではあるな。」


 三人がこちらをジーっと見ながら聞いてくる。

 喋っても良いかと目線で聞けばどうぞ。とかえってきたので喋ることとする。


 「オフレコでな?俺とこいつ。酒イベでのペア。しかも最終ステージ迄残った。」


 二十歳越えであろうざるそばさんはぴんときたようだ。


 ―酒イベ。黄道十二星座のひとつ前の公式イベントで、二十歳以上のプレイヤーのみ参加できたイベントだ。正式名称【酒酒パラダイス☆】とか言った名前だったか?戦場に酒場が無いのも味気ないという意見が多数寄せられたとかで、VR空間でお酒を飲んだ場合のゲームへの影響を調べる為のテストというで、二十歳以上のみのイベントなった。

 なお、VR空間用に用意されたお酒はデータとはいえ大手の酒造メーカーと脳の研究所が協力して造ったと言うだけあって美味しかったし酔えた。

 このイベントはペアで参加で、ペアは抽選で決定だったのだが、そのときのペアがあるてしあというわけだ。 


 因みにオフレコにしたわけは女性の年齢についてはあまり公言したくないじゃん?あるてしあは二十歳前後の微妙な年代な訳だし。


 「最初はギクシャクしてたからねー。でも最終ステージまでいくころには仲良かったよね」


 酒の力は偉大だった。ぶっちゃけトーク全開で仲良くなれたと言える。こいつ自体のノリも凄く良いしな。俺には性癖関係ないし良い友人だと言える。


 「まぁ、可愛い子が二人いて、ユートが居るなら参加しても良いかなぁって。ユートに誘われなかったのがショックだけど」


 「いや、だってお前、クランはどうしたよ。所属クラン。」


 「あ、今回は別行動。たまには敵同士ってことにしようと言う方針になりました!」


 コロコロ表情をかえながらビシッと敬礼するあるてしあ。


 クラン【ベルガモットてぃー】は上位プレイヤーで構成された少数精鋭ガチギルドの一角ではあるが、それが今回はバラけるのか…。


 「ともかくこれで全員揃ったな。自分だけかも知れんが初対面もいることだし、あるなら所属クラン、二つ名、名前、階級、機体クラスの順で自己紹介していきたいのだが?」


 コホン、と咳払いをしてから提案をするざるそばさん。確かにざるそばさん以外は多少なりとも面識はあるか。


 「じゃあ俺から。所属クラン、二つ名はなくて、名前はYuto。階級は少尉。クラスはAだ。」


 「クラン無し、〔Aquarius〕、KAHO、大尉、前述」


 「自分の番か。クラン二つ名はなくて、名前はざるそば。中尉でSだ。よろしく頼む。」


 【なら、次はレヴィちゃん挨拶しちゃうぞ~( °∇^)]「狙撃部」所属、〔狙撃姫〕のLeviathan、中佐でSだよぉd=(^o^)=b】


 「最後は私だね。【ベルガモットてぃー】の〔トリックスター〕〔百合姫〕と呼ばれてるみたい。あるてしあ。少将(・・)でT。宜しくね~」




 〔トリックスター〕あるてしあが仲間になった。



※※※

【現在のチームメンバー】

・Yuto/少尉

・KAHO/大尉

・ざるそば/中尉

・Leviathan/中佐

・あるてしあ/少将


  

  


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