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異世界転生七人組!  作者: 狂人Q
幼少期編
15/15

Turn- 迷宮デビュー!

side:Jinnie




さて、俺はエロエロなエルフに囲まれていたと言ったな。




あれは嘘だ、なんて言うつもりは無いがそれでもまさか自分が貴族の庶子で、母親がその貴族のお抱え娼婦をやってると思うか普通?



まあ母親が優しかったお蔭で庶子だとバレたら厄介だと殺される所を孤児院送りにしてくれ、そこで同じく貧困層の口減らしで置き去りにされた真哉と会えたんだけどな。




そして7年後、気が付くと俺の交遊関係は真哉を除き全員もれなくホモとなっていた。


「ホモとはなんだホモとは、俺は純粋にお前が好きなだけだ!」

「何度も言う様に俺は男だ、つまりお前はホモ。OK?」

「そんなぁ!」


さっきから纏わりついてくるコイツはギリス、俺を女と勘違いして付きまとうホモでこの孤児院の子供達のリーダー格だ。


4つ年上でがっしりした体格、そのくせ硝子よりも繊細なDTハートの持ち主という、何というか色々濃いキャラクター性を持っている面白い男だ。



「サイノア!助けてくれ!」

「任せろー」


真哉改めサイノアは7歳で140cmと年齢の割にかなりの高身長になっていた。俺なんかまだ120いってねぇのに。


何かトロい雰囲気になったが、やっぱり下ネタは大好き。


「ここは通さない、ふんぬー」「ぐぎぎ………通せ………ッ!」


トロくても4歳上で体格のいいギリスと力で渡り合える時点で普通の7歳児とは思えないんだよな………




--------------------




さて、場面変わってここはウチの孤児院がある町、ブラストン。

よくは知らないが古代語の言葉らしく詳しい意味は知らない。


7歳児の俺としてはそこそこ広い町で、北に職人街、東に商人街、南と西に住宅街と――



「おい嬢ちゃん、迷宮(ダンジョン)に何か用か?」

「誰が嬢ちゃんか」



そう、RPGでお馴染みの迷宮(ダンジョン)がここにはある。

この世界では空気中の魔力が多くなると稀にその場の建造物や地形と融合して迷宮が生成される事があるらしい。


そしてこの迷宮、“洪水の迷宮”は十何年も昔にこの町を襲った大洪水に伴って地下水路と融合、生成されたFランク迷宮と言われている。




Fランクと言われてもピンと来ない奴もいるだろうし、ここで迷宮のランク付けについて説明するぞ。


まず、迷宮のランクは発生する魔物(迷宮に生息する生物。死ぬと武具や金品を残して消える)の強さと内部構造の複雑さでS~Gまでの8段階に分けられる。



--------------------



F,G…魔物がほとんど発生しないとても簡素な迷宮。観光地みたいな扱いで、進入に制限はない。


D,E…初心者向けの迷宮。内部に宝物が生成され始めるが、一般人は厳しい進入制限を受ける。


B,C…ベテランレベルの迷宮。内部構造の複雑化・トラップの生成など難易度がかなり上がり、一般人は進入不可。


A,S…国に認められたA,Sランク冒険者のみが進入を許される最高難度の迷宮。内部では超強力な魔物が跋扈しているが、その分宝物は稀少性の高い物が多い。



--------------------



こんな感じで、冒険者は中の宝物を求めて迷宮に潜るという訳だ。

宝物が中で勝手に生成されたり魔物は死ぬと消えるとかマジファンタジーだよな。いやファンタジー世界だけども。


かくいう俺とサイノアも冒険者目指して迷宮(ここ)で修行している。



「はいはい。じゃ、ここに名前記入しといて」

「わかりました」



最初に<言語>スキルを手に入れた時に変な記号の羅列や謎の外国語が平然と読み聞き出来る様になった自分には心底驚いたが、一週間もすれば慣れてきて、Lv3の今じゃ平然と小難しい文章も書ける様になっていた。


名前を記入し、迷宮へと進む。




前述の通り、Fランク迷宮には魔物が殆ど出現しない。故に修行と言ってもあまり戦う場面は案外少ないのだ。


しかしどういう理屈かは知らないが、迷宮で訓練をすると普通に訓練するよりも進歩が速いというか………具体的に言うとごく微量ながらEXP(経験値)が手に入る。


2年前からほぼ毎日通い詰めているからか、他の孤児達と比べてレベルアップも多く経験している。




--------------------



名前:ジニー

性別/年齢:男/7

守護星座:軍馬座(優:筋,敏/劣:知)


Lv:6

HP:32/32

MP:23/23

筋力:09/体力:08/敏捷:08+3

感覚:10/知識:05/精神:08


スキル:18/21

スキルP:5p

<切断Lv2>

<運動Lv3>

<気功Lv3>

<水泳Lv3>

<体幹Lv3>

<察知Lv2>

<瞬発Lv4>

<判断Lv2>

<軽業Lv3>

<疾走Lv4>

<回避Lv2>

<盗聴Lv3>

<算術Lv2>

<言語Lv3>Get!

<文化Lv3>

<詐術Lv3>

<舞踊Lv3>

<剣術Lv2>


加護:1

<限界突破(オーバードライブ)>


アーツ:4/8

<薙ぎ払い(ワイドスラッシュ)>

<二段斬り(ツインスラッシュ)>

<奮闘演舞(ストラグルダンス)>

<治癒演舞(ヒーリングダンス)>


魔法:0/7



--------------------



意外だったのは<舞踊>は戦闘支援用のスキルだったって所だな、消さなくてよかったぜ。


因みに内容に関しては以下の通り。




--------------------


<奮闘演舞(ストラグルダンス)>

種別/消耗:アーツ(支援)/MP,2p/5s


半径10m以内のパーティメンバーに対して筋力上昇効果のある舞踊。

上昇効果の高さは使用者の[感覚]の高さに比例する。


--------------------


<治癒演舞(ヒーリングダンス)>

種別/消耗:アーツ(支援)/MP,5p/5s


半径10m以内のパーティメンバーに対して治癒効果のある舞踊。

治癒効果の高さは使用者の[感覚]の高さに比例する。


--------------------



力強さや頑丈さならサイノアみたいな脳筋に任せりゃいいし、魔法なら普通に魔法使いに任せりゃいい。


まあアレだ、魔法剣士みたいな立ち回りをする事が多いんだよね俺って。



「人はそれを器用貧乏と言う」

「だから地の文を読むなと言うておろうが!」


いつの間にか来ていたサイノアが放つ茶々にもツッコミを入れておく。

最近、コイツはマジで心を読めるアーツでも持ってるんじゃないかと疑っている。



とりあえず、今日の分の特訓は終わったし帰るとしよう………




「で………」「どうしてこうなった」




帰り道で魔物の巣にハマるとは思わなかった。


某不思議なダンジョンでは俺を苦しませたモンスターハウスが、魔物の巣と名前を変えてこの世界にも存在していた。



つーか、リアルにヤバい。



魔物一体一体は今の俺達にとってただの雑魚だが、こっちはたった二人で武器も木を削っただけの剣と斧もとい鈍器で、軽く見渡しただけで30体は軽く居る魔物を倒し切れ?


ざんねん!! おれの ぼうけんは これで おわってしまった!!




「俺らはまだ死ぬ訳にはいかねェんだよ!!」

「童貞のまま死ぬとかイヤだ。殺してでも いきのびる!」




なんて諦められるかバーカ!!


好き放題生きてやるって自分で決めたんだから、こんぐらいで諦めてどうする!!




--------------------




「ハァァァァ………<二段斬り(ツインスラッシュ)>ッ!!」

「食らえ、<震波撃(ウェイブアタック)>」



俺は撹乱する様に駆け回りながら剣で2体の顔面に斬り付け離脱する。

それに対してサイノアは床に斧を叩き付けて周囲の敵に衝撃波を伝える。


ここまで本格的な戦闘が初めてという事もあり、身体がアーツの動きになかなかついてこれていない。


戦闘は30分以上に及び、俺らの心身は最早限界の域に達し始めていた。


レベルアップの通知を何回聞いただろうか、四回?五回?どうでもいいが。




一旦逃げながらステータスを確認すると、HP、MP共に一桁になっていた。

さっきから頭が痛かったり身体が重く感じるのはその所為か、クソッ。



もうアーツを使う余裕さえない。

最後に残された切り札は俺の加護、<限界突破(オーバードライブ)>のみ。


一度使えば10分間の間はほぼ無敵の状態になれるが効果が切れれば最後、逃げる事も出来ず一瞬にして死ぬだろう。


サイノアの方はデメリットが無いからかちょくちょく<鋼壁守護(メタルクラッド)>を発動して魔物の攻撃をやり過ごしている、ズルいぞ貴様。



残っているのは後15体と少しだ。


一か八か、賭けてみるか!



「加護、<限界突破(オーバードライブ)>!!」

俺が高らかに宣言すると同時に、身体を途徹もない高揚感が包み込む。




全ステータス10倍から見た世界は、何もかもが違った。



さっきまで俺を追い詰めていた魔物は、追って来る速度も攻撃もまるでスローモーションの様にノロッちく見える、避けるのだって簡単だった。それに剣やアーツを使わずとも拳で簡単に風穴を開ける事さえ出来る。


うおお。風穴を開ける感覚は大変気持ち悪ィが、無敵モードヤベエ!


俺を追って来ていた魔物達の頭部を立て続けに拳で撃ち抜き、サイノアの援護へと回る。


一応サイノアに当たらないよう<薙ぎ払い(ワイドスラッシュ)>を放つと魔物の群れが面白い様に吹き飛んでみせる。



二度、三度、全部で四度<薙ぎ払い(ワイドスラッシュ)>を放ち、サイノアへと向かって突撃して行く魔物達を全て斬り払う。


巣に残ったのは俺とサイノア、そして攻略報酬とでも言わんばかりに出現した宝箱のみとなった。




10分経過。


急速に意識が覚醒する感覚。全身から嫌な汗がドッと吹き出て、立つ事すらままならなくなりその場に倒れ伏す。

俺のこの加護、デメリットはステータス半減だが身体が支えられなくなるとかヤバすぎだろ………!


初めて使った<限界突破(オーバードライブ)>の隠された副作用のヤバさを知った俺は、サイノアに宝箱の中身(小粒な宝石数個と稀少(レア)級の騎兵剣(サーベル)&戦斧(バトルアックス))と纏めて抱えられがら“もう二度と使うものか”などと思いつつ帰路へ着くのであった。




【地名】

[ブラストン]

パルマ聖王国の南西部、森林地帯にある中規模の町。

三方を山林で囲まれ沢山の水資源と豊かな土地がある。


[パルマ聖王国]

大陸南部で帝国の支配から免れている国家。

上質な魔晶石の産地として知られ、様々な教会の総本山もここに多く見られる。

政治は法王による社会主義とされているが、一部の強欲な役人や聖職者による汚職が後を絶たない。


【用語】

[古代語]

約1,500年以上昔に使用されていたとされる言語。別名“神の言葉”とも。主に古代文明の遺跡や地名で見掛ける事がある。

スキル<言語>による解読が不可能なため、今では古くからある土地の地名やお伽噺の口伝でのみ読み方と意味が伝わっている。


【武具】

[木のショートソード]

種別/階級:片手直剣/粗悪(プアー)

属性:実体

攻撃力:6+4~7~10

概要:ジニーが持っていた木製の小剣。刃が無いので練習用にもってこい。


[木のバトルアックス]

種別/階級:両手斧/粗悪(プアー)

属性:実体

攻撃力:10+8~11~14

概要:サイノアが持っていた木製の戦斧。刃が無いので練習用にもってこい。


[白銀のサーベル]

種別/階級:片手曲刀/稀少(レア)

属性:実体,神聖

攻撃力:16+10~18~26

概要:宝箱から入手した素朴な装飾を施された騎兵剣。白銀の刀身を持ち霊的な存在を傷付ける事も出来る。


[鋼鉄のバトルアックス]

種別/階級:両手斧/稀少(レア)

属性:実体

攻撃力:44+13~20~27

概要:宝箱から入手した戦士の彫刻が彫られた片刃の戦斧。鋼鉄製の刃は強度が高く容易に相手を切り裂く事が出来る。



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