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異世界転生七人組!  作者: 狂人Q
幼少期編
12/15

Turn-11 転生生活 -ジニーの場合-

すいません、報告もせずに長らく?お待たせいたしました。


少々現実での出来事が忙しかったもので………(主に課題という名の質量兵器や模試、学年末試験など)


とりあえずは以前と同じペースに戻せる様に頑張りたいと思います。

side:Jinnie






さて、俺はエロエロなエルフに囲まれていたと言ったな。



某筋肉大佐よろしく『あれは嘘だ』なんて言うつもりは無いが、それでもまさか自分が捨て子になると思うか普通?


というのも、ある日気が付いたら孤児院の中で育てられてたんだよな。それまでは森の中の里で同じエルフ達に世話されてたんだけどな………


まあ置き去りにされた孤児院で同じく置き去りにされていた真哉と会えたんだけどな。




そして四年の月日が経ち俺達は………






「ジニー!サイノア!もう朝ですよ、早く起きなさい!」

「「後五分だけ………」」

「コラーーーッ!!」


高校生の頃より何ら変わりのない性格と息の合い方で普段を過ごしていた。






--------------------






「何も殴る事無いじゃないですか先生~」

「そうです………別にいいじゃないですか、ちょっとした寝坊くらい」

開幕早々孤児院の院長、ネフト先生に怒られてしまった。

仕方ないだろ!だって元高校生だぞ!?夜更かしの習慣は異世界に来ても四年や五年じゃ直らないんだ!


「やかましい!何で起きろと言ったそばから寝とるんだ!もう全員起きているんだぞ、後はお前らだけだ!」

「「スイマセーン」」

「………まあいい、食事の時間はとうに過ぎたからな。今日は朝飯抜きで授業を受けてもらうぞ」



OH MY GOD!!


流石にそれは冗談ですよね?お願いだからそうだと言ってくれ先生ェ!!






--------------------






「大丈夫か?随分フラフラしてるみたいだが」

「ハハ………朝寝坊しちゃったんで朝食抜きなんです………」


ヤバい。

腹が減りすぎて頭も身体も動かねェ。




ただいま授業の真っ最中です。

孤児院といえど流石に地球の中世みたく無学な貧民が溢れているわけではなく、日曜学校みたいな感じで神父が教えに来てくれてるんだとさ。




「………では続きといこう、これが大陸共通語の文字だ。母音7個と子音10個、後補音3個で全20文字だ。これが………」




………なにコレ普通に判るんだけど。

たしかに少し前に<言語>スキルを獲得したが、アレって会話だけじゃなく文章にも有効なのか。


『Yes, master. <Language(文章)>skillハsentence(文章)ニモ有効。シカシsentence(文章)ハ見ルマデ覚エラレナイ。見テ聞イテ、初メテwriting(書く事)出来ル様ニナルヨ』



………そして、何で俺の補佐役が似非外人風なルー語使いなんだよ。


俺の疑似人格だったか?M(メイル)-06はイメージ上で某黒人芸能人(ボ○=サップかボビー=オ○ゴンかはこの際言わないでおく)の姿で描かれている。なんというか、ボ○ーみたいな感じの声なんだよな。




兎に角、<言語>スキルは文章にも有効ね。


それから二時間ほど様々な事について学んだ。文学、数学、宗教、神話………どれもだいたいは理解できた。




特に興味を惹かれたのは神話に出てくる神だ。

この世には魔法に使われる七つの属性それぞれ対応する神がいる。



火と活力を司る武芸の神イコルニス。


水と知恵を司る学芸の神ウェルディナ。


風と自由を司る流浪の神セフィラ。


地と繁栄を司る豊穣の神ノルン。


雷と進歩を司る託宣の神メルクリオ。


光と調和を司る統率の神リベロ。


魔と変質を司る混沌の神フェノアージェ。



話を聞くと、種族によって魔法の適性に偏りがあるのはそれぞれ神との相性によるものだと言われた。

ちなみに俺の種族ウッドエルフは水と風と地と稀に光、真哉――じゃなかった、サイノアなど南部人(褐色肌に西洋風の顔立ちと赤・青など色素の薄い瞳を持つヒューマン)は水と地に光、といった感じだ。魔法を習う機会があったら習ってみようか?




そんな感じで授業が終わり昼休み。


この孤児院は国柄とか国教的に(ちなみにこの国はパルマ聖王国といって法王が国を治めてるんだと、それと今いる町の名はブラストンだ)ヒューマン以外の奴等が多いが、エルフ種となるとヒューマンより少ない。

元々長命なエルフ種はヒューマンと比べても子供が出来にくい上に肉体的には貧弱なので、エルフの子供はエルフの大人全員で育てるものらしい。つーか俺の所も(周り全員女だったが)そんな風に育ったしな。


そういう育て方のエルフだから、捨て子になるのはよっぽどの理由でもない限りあり得ないって訳。俺としちゃ寝てて気付いたら寒空の下にいたからな、何があったのかくらいはいつか本人達に聞いておきたい所だ。




「ジニーちゃーん、ママゴトであそぼー」


「ジニーちゃーん、騎士ごっこしよーぜー」




すっげえ顔の力は偉大、はっきりわかんだね。

だいたいごっこ遊びする時はイケメン美少女がよく呼ばれているって事はコイツら顔で選んでんだよな。まだ4~7歳だってのに、異世界ではこれが普通なのか。そうなるとやはり俺もイケメンの仲間なんだよな。


「何役がある?」

「となりのおくさんー」「お姫さまー」

「女役じゃねーか」


………問題は俺に毎回女役を割り振ってくるって点だ。

クッ。やはり身体が幼いと性別も曖昧になるからどうしてもそう見られがちなのは分かっていたが、ここまでとは。


「あのな、俺は男だ。何故女役ばかりなんだ?」

「「かわいいからー」」

「俺は男だから可愛くなんか言われたくねーよ、せめて格好いいと言われたいんだよ………」

「でもーやっぱりかわいいよー」「はやくいこー」

そう言うと二人が急に俺の腕を引っ張り始める。ちょっと待て、俺に選択肢はないのか?


俺の反論はやはりガキには伝わらないのか、そう思いつつ抵抗するのが難しくなってくると、



「ジニー、ちょっと手伝ってほしい事がある」


キターーー(○∀○)ーーーーーー!!


さっすがサイノア先輩、ピンチの時には頼りになるー!

流石に身長差20cmの相手に凄まれたら恐怖を感じるのか、二人は俺を置いて自分達の遊びへと戻っていった。


「助かったぜ、ありがとな」「お遣いを頼まれた、お前も連れてけと言われてな。だから呼んだんだが………」


あれ?そーなの?

てっきり困ってる俺に救いの手を差し伸べてくれたのかと………






--------------------






「ンで、お遣いに行くのは何処だって?」

「隣街」

「ン………オイちょっと待て」


サイノアの話に納得しかけて、耳を疑う。

そもそも話をしてなかったがこの世界は、魔物がいて一般人では隣街どころか街の外へ出るのも命懸けだ。


それを4歳の俺らに任せる、と?


「オイ、ふざけんなよ、オイ」

「安心しろ、半分冗談だ」

「………」


コイツの顔が無表情のままこんな事を言われても説得力が皆無なのは必然だろう。つーか半分ってどこまで冗談なんだよ。


「隣の地区ってだけだ。あの先生が頼まれたって4歳児二人を街の外に出す訳ないだろ」


それもそうだが、それならもう少し冗談と分かりやすい形で言ってくれよ、その内冗談で心臓が止まっちまうぞ。


さて。話してる間にも時間は過ぎていくんだし、とっとと行こう………




「ようジニーちゃん、今日はサイノア君とデートかい?」「うっさい、俺は男だ」

まずは大通りに出て、西の方へ2~3kmほど歩く。


「サイノア、今日は可愛い子ちゃん連れてンな。ひょっとして………」「コイツは男だぞ」

それから別の通りに入り、目的の店である“マルチェ食料品店”へと入る。




店内はだいたいコンビニくらいの大きさで、昼過ぎという事もあり棚の商品は幾分か減っている。


「ヤッホー!サイノア君!今日は何のご用?」


店番の男――店主であるマルチェじいさんの息子エルネさん(南部人・29歳独身・彼女募集中)が目を輝かせつつ二人に呼び掛ける。



「とりあえずこのメモにある物を全部」



ネフト先生から貰っておいた紙のメモ(中世では紙は貴重品だがこの世界では魔法で量産しているらしい。魔法ってマジ便利)を渡すとさらーっと目を通し、「うん、いつも通りだね。今日はそれなりに在庫もあるし機嫌も良いから34,650ラルの所を30,000ラルにまけちゃおう!」なんて言い始めた。


おいおい。

4,650ラルもまけるって、1ラル≒約10円くらいのレートだぞ!?

単純計算で約47,000円の違いだ、頭おかしいんじゃないかコイツ。


「まあ、ネフトさんにはいつも贔屓にしてもらってるし量も量だからね。それに今日は君みたいな可愛い子を寄越してくれたし………」


俺へと向けられる視線に熱が籠るのを感じる。


「今度から女子にはお遣いを頼まない様言っておきますね」

「あと俺は男ですよ」


その一言で一瞬にして視線の熱も冷める。


「じゃあ運送はよろしくお願いしますね」


去り際にエルネさんの「あんな可愛い子が男の子の訳がない………」という言葉が聞こえてきた気もしなくはないがきっと気のせいだろう。






--------------------






「うわーまた今日も女だと思われてたー!!」

「俺に言われても困るぞ、愚痴なら他所でバラ撒いてくれ」



夜。

自分達の部屋(ウチは4人に1部屋が与えられる)でサイノアに愚痴を溢すも見事に突っ跳ねられる。コイツ、下ネタ以外は基本コレだよな。




「下ネタなら大歓迎だがな」


キリッという擬音語が見えるくらい清々しくサイノアはそう言い放つ。

下ネタ以外に興味はねーのかテメーはよ。それに、心を読むな心を。



そんなこんなしている内に部屋に入る新たな人物。


「やあ、君らも帰ってたんだね」

「よう、悪させずにいたか?」


「ドーモです、ノーラさんにギリスさん」

「仕事、お疲れ様です」


目の前に現れたのは年長組のリリパット族、ノーラさんとオーグル族のギリスさんだ。


リリパット族は別名小人族とも言われてるが踏み潰せるほど小さいわけじゃない、精々他の種族より小さいってぐらいだ。


それに対してオーグル族は鬼人、もしくは巨人族と呼ばれる。こっちだって精々2m越える事があるくらいだ。


ギリスさんはたしか9歳で170cmほど、ノーラさんはたしか今12歳で身長はだいたいサイノアと同じくらい………ってかそれは4歳で120cmもあるサイノアの方がおかしいのか。

120cmとか小学生2~3年くらいの身長だろ。同年代よりも頭一つ分くらいデカイぞ。


ちなみに俺は100cmちょい、並だよ並。




「いやあ、それにしてもさ。君達と話してるとまるで同年代か年上と話してるみたいだなあ。こう、何て言うか大人びてるよね」



「気のせいじゃないかノーラ?」「そーそー、気のせい気のせい」「気のせいでーす」


ノーラさん、他の孤児や先生とは違って何気に俺らの正体に勘づきそうで怖いんだよな。つーか異世界人で転生者ってのは普通ありえねーだろうし。




「………まあいいや。じゃあ夜も遅いし早く寝ようねー」「くぁーっ、やっと寝られるぜー!」


「「………………………」」

体内時計にして現在午後9時半頃。




誰にも知られる事なく、また退屈な夜が始まろうとしていた………




【地名】

[パルマ聖王国]

大陸南部で帝国の支配から免れている国家。

上質な魔晶石の産地として知られ、様々な教会の総本山もここに多く見られる。

法王による社会主義的な統治とされているが、一部の強欲な聖職者による汚職などの黒い噂もある。


[ブラストン]

パルマ聖王国の南西部、森林地帯にある中規模の町。

三方を山林で囲まれ沢山の水資源と豊かな土地がある。


【用語】

[武芸神イコルニス]

火と活力を司る神。教義は努力と正義。

戦士や職人に信奉者が多く、若く筋肉質な青年の姿で描かれる。


[学芸神ウェルディナ]

水と知識を司る神。教義は思考と忍耐。

魔術師や学者に信奉者が多く、和服に身を包む色白な女性として描かれる。


[流浪神セフィラ]

風と自由を司る神。教義は寛容と勇気。

旅人や冒険者に信奉者が多く、中性的な顔つきの少年の姿で描かれる。


[豊穣神ノルン]

地と繁栄を司る神。教義は勤勉と信頼。

農民や商人に信奉者が多く、肉感的な女性の姿で描かれる。


[託宣神メルクリオ]

雷と進歩を司る神。教義は誠実と懐疑。

学者や研究者に信奉者が多く、黒眼鏡を掛けた壮年の男性の姿で描かれる。


[統率神リベラ]

光と調和を司る神。教義は禁欲と慈愛。

貴族や権力者に信奉者が多く、布に包まれた赤ん坊の姿で描かれる。


[混沌神フェノアージェ]

魔と変質を司る神。教義は享楽と堕落。

犯罪者など日陰者に信奉者が多く、姿を描かれる事はほとんどない。

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