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異世界転生七人組!  作者: 狂人Q
幼少期編
10/15

Turn-9 転生生活 -ヨナの場合-

一応ヨシュアと並んで主役級の登場人物なのにインパクトに欠けるキャラのせいで話が長く続かないです………

side:Yonna=Falte




「お嬢様、御早う御座います」

「………御早う、ミラ」



この世界で生を受けて4年。


私、古岳 与那改めディーラ帝国南部ファルテ領領主の一人娘ヨナ=ファルテの朝は早い。


まずは領都にある自宅(かなり大きい邸宅よ、この国で十本の指に入る名家って言われてるからそれなりに資金はあるんでしょう)で専属メイドであるミラに起こされるところから始まる。




朝日が昇り始めた頃から化粧にドレスと身嗜みを整える。


この世界の服装って、見た目が重視されてて機能性が皆無というか………むしろこれ着ない方がいいんじゃないの?と思わされる物ばかりだ。

言うなれば、『壊れやすい芸術品を肌身離さず持ち歩いている』様な感覚。


着替えが終われば、次は朝食を摂りに食堂へ向かう。

朝は決まって黒パンと肉&野菜入りスープにサラダ。


「ヨナ、昨晩はよく眠れたかい?」

「ええ、大丈夫ですわ」

他愛もない会話を続けながら朝食終わり。



朝食の後はこれまた専属の家庭教師、ウェズレイ先生による個人授業。


内容は大体礼儀作法や基礎的な国語、算数、歴史、生物。


「今日は少々時間が余ってしまいましたね………そうだ。ヨナ様が前々から習いたいと申されておりました魔法を、基礎部分だけでもお教え致しましょうか?」


いつもの様に社交儀礼を習い終わった後、ウェズレイ先生から願ってもない事を提案された。丁度この身体でもどれだけ魔法が使えるか試してみたかったし、この話に乗らない手は無いわね。



「ええ、お願いしますわ。ウェズレイ先生」




--------------------




「オホン。ではまず魔法とは何か。古来は儀式形式の物が一般的で、現在一般的な詠唱・紋章形式が使われ始めたのはおよそ150年ほど前からですね。まあどれにも共通している事は、魔力を用意してそれを精霊に捧げ、その代わりに発火や突風といった現象を提供してもらう、という事ですね。属性は大きく分けて火・水・風・土・雷・光・魔の七種類です。」


「魔法は用途によって方式を変えます。日常的に使う低効力のものであれば手頃な道具に魔法陣を刻み込んで使う紋章魔法、急を要したり時と場合によって切り替えなければならない時は言葉に魔力を乗せて使う詠唱魔法とに分かれます」


「最初に言いました儀式魔法も高い効力が望めるため国を挙げての行事や戦争などに用いる事もありますが、基本的に一般人だろうと貴族だろうと使用は皇帝の許可を得なければならず、それに背くのは重罪です」




「さて、ここまででヨナ様から何か質問はおありでしょうか?」




ふむふむ………


「人によって、得意な属性や苦手な属性というのはあるのかしら?」


ひとまず気になるのはこれね。


「ええ。各属性を司る神様に相性というものがあり、火属性の魔法が得意な人は水属性の魔法と相性が悪いですし、水属性の魔法が得意な人は雷属性の魔法と相性が悪いです」


その後の説明で相関図を作ると………


火は水に弱く、水は雷に弱い、雷は土に弱く土は風に弱い、最後に風は火に弱い、ね。

で、光と魔は互いに相性が悪く、どちらかに秀でていても両方を使いこなせる人はほとんど存在しない、と。


「ではその得意不得意を調べる方法はあるのかしら?」

私自身はステータス画面から自分の能力を把握したりスキルを上げたりできるけど、他の人が全員そうとは限らないし。



「ええ、ありますとも。では………<実行(オーダー):ステータス画面>」


そう唱えると、ウェズレイ先生の前に縦長のホログラム映像みたいな物がゆっくりと浮かんでいく。



--------------------



名前:ウェズレイ

性別/年齢:女/38

守護星座:本棚座(優:知,精/劣:筋)

職業:聖職者(シスター)

Lv:17

HP:38/38

MP:65/65

筋力:06/体力:08/敏捷:10

感覚:10+4/知識:14+3/精神:14


スキル:22/24

<発声Lv2>

<忍耐Lv2>

<生活Lv2>

<察知Lv2>

<判断Lv3>

<集中Lv4>

<観察Lv3>

<作業Lv2>

<学術Lv3>

<算術Lv4>

<言語Lv4>

<文化Lv4>

<調合Lv1>

<洞察Lv3>

<説得Lv3>

<交渉Lv2>

<育成Lv2>

<疾風Lv3>

<魔力Lv3>

<信仰Lv1>

<調理Lv2>

<教育Lv4>


アーツ:1/16

<知識書庫(エンサイクロペディア)>


魔法:4/16

<疾風斬(ウインドカッター)>

<疾風打(ウインドタップ)>

<竜巻裂(サイクロンリッパー)>

<浄化(ピュリファイ)>


--------------------



「これは………」

「私のステータスにございます。本来であれば他人に見せる物ではありませんが………ここを見てください」



指差す先には<疾風Lv3>の表記。



「これが私の使える属性です。これら以外にも<火炎>、<水冷>、<地変>、<電撃>、<生命>、<精神>等の属性があり、それぞれで使える魔法は様々です。失礼ですが、ヨナ様のステータスもお見せになって頂けますか?」



………どうしよう。


さっき見たウェズレイ先生のステータスを思い出し、私のステータスは屋敷の敷地から一度も出ずに得られる様なステータスではないと確信した。



まさか魔法について教授してもらってたらこんな危機に陥るとは思わなかった。早く何かいい案を考えないと………



そこで問題よ!この状況下でどうやって“ステータスを確認させて”という要求をかわすか?


3択―ひとつだけ選びなさい


答え①プリティなヨナは突如いいアイデアがひらめく。

答え②仲間が来て助けてくれる。

答え③ステータスを看破される。現実は非情である。



まず②は論外でしょうね。事情を知っていて協力してくれる仲間なんてここにはいないもの。


私としては①が望ましいのだけれど、生憎そんな都合良くアイデアが思い付くはずがないのよね。






答え―③






答え③




答え③




「………ええ、わかったわ」




そして私は、自身のステータスをウェズレイ先生の前に表示した。



--------------------



名前:ヨナ=ファルテ

性別/年齢:女/4

守護星座:聖盾座(優:体,敏,感/劣:筋)


Lv:4

HP:34/34

MP:58/58

筋力:04+1/体力:08/敏捷:08

感覚:09+5/知識:12+4/精神:07+3


スキル:17/21

スキルP:0p

<練体Lv1>

<刺突Lv2>

<長柄Lv3>

<発声Lv3>

<運動Lv3>

<生活Lv3>

<軽業Lv2>

<集中Lv5>Max

<作業Lv2>

<学術Lv4>

<算術Lv4>

<識字Lv1>3:Lv.UP!

<育成Lv3>

<根性Lv3>

<水冷Lv3>

<調理Lv2>

<槍術Lv2>


加護:1

<時間停止(フリーズタイム)>


アーツ:2/14

<二段突き(ダブルタップ)>

<薙ぎ払い(ワイドスラッシュ)>


魔法:1/13

<水圧鎚(アクアハンマー)>



--------------------



これで吉と出るか、凶と出るか………!




「………か、加護持ち………それに中級水冷魔法の適性まで!?」


へ?


「す、すみません!そうだとは知らずに、この様な無礼を………!」


突然ウェズレイ先生は私から距離をとって腰が折れそうなくらいペコペコと頭を下げ始める。



えっと、この場合どうすれば………



そこんトコ、教えてM-02(ゼロツー)



――了解致しました、ヨナ様。



『まずこの世界で加護を受けるという事は“神に容姿や努力などを見初められ、祝福を受けている”事と同義なのです。特に聖職者など神を信奉する者はその考えに傾倒している傾向にあります。しかしこの女性はあくまで一般的な常識としてこの事を認識しているだけに過ぎないと私は推測します』



そ、そっか。


別に何か粗相をしてしまったとか、そういうんじゃなかったのね。



『ただ、加護を持つ者はあまりステータスを見せない様にする傾向があります。その加護の効果に目を付けられて厄介事に巻き込まれたり、他者に畏怖されてしまう恐れもあるからです』



*おおっと*


前言撤回。

完全に粗相してるんじゃないの。



「え、えーと、ウェズレイ先生?」


「ひっ!?は、はい!」



あちゃー、完全に怯えられてるわコレ。


『この世界に住む常識的な観念を持つ弱者であれば当然の事かと』


そ、そうよね。

一応Lvは向こうの方が上なのに弱者って言うとは………ゼロツー、アンタ随分辛口ね。



『今の貴女であっても襲い掛かられてから<時間停止(フリーズタイム)>を使用すれば回避は簡単に可能です。無論、もっと能力値が高ければ反撃も可能な筈です』



怖い事言うわね。



まあ、時間を止められて知らず知らずの内にその………傷付ける事は出来るでしょうけど………




とにかく、ウェズレイ先生を落ち着かせないと。


どうやら今日の授業はこれまでらしい。

それに、この事をちゃんと口外しない様に釘刺しておかなくちゃね。



「落ち着いて先生。私は先生が無礼な態度を取っていたとは思っていませんし、そうだとしても許します。だから、私の加護については他言無用でお願いできますでしょうか?」


「………は、はい。わかりました………」


「それと、魔法の訓練。これからも、ご教授願えますか?」

これからの関係を悪化させない為に、最大限の笑顔で私はそう言った。




【地名】

[ファルテ領]

ディーラ帝国王都の西に位置する地域。

商工業が盛んで、特に武器防具に関してはドワーフを除けば大陸随一の物を生産する事で有名。


【用語】

[ファルテ家]

帝国内でも皇帝にその力を認められている十大貴族の一つ。

代々武勇に優れた人物を輩出する。が、ヨナは別段戦闘能力が高い訳でもない。


[詠唱魔法]

言葉に魔力を乗せて使用する魔法。

汎用性が高く様々な人に広く使われている。


[紋章魔法]

物体に“陣”を刻み込んで使用する魔法。

魔力さえ流し込めば誰にでも使用できるが、陣に対応した魔法しか発動は出来ず詠唱魔法に比べて効力が低下するという欠点もある。


[儀式魔法]

様々な代償を支払い、長い時間を掛けて発動する魔法。

代償に応じて多大な効力を発揮するが、代償が重すぎたり発動に半日~一ヶ月程度の時間が掛かるなどの欠点がある。

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