第三.五話 幻楼異変
ここは白玉楼。その一室で死を操る程度の能力、西行寺幽々子と、剣術を操る程度の能力、魂魄妖夢が会している。
「あの子……木下悠の誘拐は無事に終わったようね」
「はい。幽々子様」
「それで、様子はどうなの?」
「それがちょっと……。食事をほとんどされないし、何も話されないんです。部屋の端に座って何もされません」
「それは困ったわね……。私の目的は誘拐であって殺人ではないもの。自殺などされたら博麗の巫女が何するか分からないわ。なんとかしないと……」
~その頃~
「………………」
どうしようどうしようドウシヨウ。
霊夢さんの所にモドラナイト。でも、ドウヤルノ?ワカラナイ、ドウスレバイイノカワカラナイ。
そして何よりも困るのは……シャベレナクナッテシマッタ。
人見知りも、やっと治ったと思ったのに……。何一つ出来ないで、このまま殺されるだけなのかな……。
この幻想郷で新しい人生を始めるって……やっとまとも人生を出来るって……信じてたのに……。
……そうだ。周りに干渉しているから色々なことに巻き込まれるんだ。強くなれ。一人で生きて行くために。周りに頼ることが無いように。感情を持つな。情に流されることが無いように。
そしてわたしは、感情を捨てた。