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二度目の異世界は勇者召喚でファンタジーでした  作者: 忘八


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9/12

閑話:依頼人の彼

サブタイ通りの内容


後、とっても短いけどキリが良いので投げる


 その男は親愛なる"ロクデナシの友"が1年ぶりに魅せる戦いに対し、拍手と共にこの場には居らぬ"ロクデナシの友"へ向けて賛辞を送っていた。


 「相変わらず見事な戦いぶりだな。この私でさえも、君の戦いは芸術的と言いたくなる」


 男の視線の先にある大型モニターに映し出されるているのは、ブルパップ式の対物ライフルを巧みに用いて異業のモンスターを次々に殺していく兵士の出で立ちをした青年の姿であった。

 モニター内の青年はモンスター達の頭部や胴と言ったバイタルパートへ的確に強力な50口径弾を撃ち込み、時には野球ボールの様な破片手榴弾を投げ込んで。

 そうして場を支配すると共に一方的な殺戮を創り上げながら、隠された階層の1つを半分ほど攻略した所であった。

 そんなモニター内の青年に向けてなのか?男は独り言ちる。


 「君が召喚された憐れな被害者達の中に居たのを見た時、こんな私でも運命の悪戯と言うモノが存在すると信じたくなった」


 その男は憐れな被害者達。もとい、33名の勇者達が召喚された時も見ていた。

 そんな勇者達の中に親愛なる"ロクデナシの友"である青年が居るのを見た時には思わず、腹を抱える程に笑ってしまった。


 「絶対に信じないだろうな……私が()()()()()()()()()。と、正直に言っても……」


 親愛なる"ロクデナシの友"である青年をよく知るからこそ、男は彼に自分は勇者召喚に一切関わってないと、正直に告げても信じない。

 そんな確信を持っていた。


 「まぁ、運命の悪戯の御蔭で最高の腕を持った戦闘の専門家をこうして雇えた事を踏まえれば、大した問題ではないか……後で仕返しされそうで恐いが」


 親愛なる"ロクデナシの友"がヤラれたら殺り返す事を信条としている事をよく知るからこそ、男は頭を悩ませてしまう。

 だが、男は直ぐに悩むのを辞めた。


 「まぁ、怒り狂った彼の相手は全てが終わってからすれば良い」


 問題を先送りにすると、男はモニターの中で急に通路で立ち止まって左膝を立ててしゃがんだ"ロクデナシの友"に気付いた。


 「何をしてる?」


 その場にしゃがんだ"ロクデナシの友"は腰の雑嚢から大きなスコープを取り出して覗き始めると、スコープ越しに見えた何かに対してゲンナリとした様子を浮かべる。

 一頻りスコープ越しに"何か"を見詰めた"ロクデナシの友"はスコープから目を離して腰の雑嚢に戻すと、立ち上がって再び歩みを進める。

 歩みを進める"ロクデナシの友"はまたも立ち止まり、その場にしゃがんだ。

 

 「君は何をするつもりだ?」


 首を傾げる男を他所に"ロクデナシの友"は何かを召喚した。


 「三脚と大きな板。それにコードリールか?」


 男の言った3つの品を召喚した"ロクデナシの友"は大きく分厚い板に三脚を取り付けると、目の前に立てて置いた。

 彼が目の前に置いた物が何か?男は気付いた。


 「アレは指向性の対人地雷か?あの大きさだと……陸自(陸上自衛隊)が指向性散弾って名前で使ってるスウェーデンのFFV013か?」


 ロクデナシの友が召喚した品が陸上自衛隊で指向性散弾の名前で運用されているスウェーデンのFFV013である事に気付くと、男は"ロクデナシの友"が何をしようとしているのか?何となくであるが理解する。


 「大型の指向性地雷を仕掛けると言う事は、多数の敵を迎え撃とうとしている。そう見るだろうな……」


 そんな男の言葉を他所に"ロクデナシの友"はコードリールからコードを伸ばして大きな板。もとい、FFV013に取り付けると、点検してから静かに立ち上がって後退りする様にして戻って行く。

 前を向いたままコードリールからコードを出しながら後ろに20メートルほど下がり、部屋の1つ手前に着いた彼はその場にしゃがんだ。

 しゃがんだ彼はコードリールをその場に置くと、何故か後ろを振り返る。

 後ろを振り返った彼は一頻り見つめると、再び前を向いて再び武器の召喚を始めた。


 「アレは……パンツァーファウスト3の最新モデルか?確か、IT600と言ったか?」


 "ロクデナシの友"は男が言った通り、陸上自衛隊が対戦車火器として運用しているパンツァーファウスト3。それの最新モデルであるIT600を召喚した。

 だが、彼が召喚したのは1本だけではなかった。


 「何故、5本も召喚してるのだ?」


 5本のパンツァーファウスト3 IT600を召喚した"ロクデナシの友"はその場に3本置くと、残った2本を軽々と担ぎ上げてから立ち上がり、部屋の中へ入って行く。

 首を傾げる男を他所に部屋に入った"ロクデナシの友"は部屋の中央まで歩みを進めると、其処で立ち止まってまたもしゃがんだ。

 しゃがんだ彼はその場に担いでいた2本のパンツァーファウスト3 IT600を置くと、また武器を召喚した。


 「今度はM2ブローニングか?」


 男の言う通り、M2ブローニングと呼ばれる人類が絶滅するまで現役を貫いても驚かない重機関銃を召喚した"ロクデナシの友"は三脚も召喚し、三脚にM2ブローニングを取り付け始める。

 程なくして三脚にM2ブローニングを取り付け終えた"ロクデナシの友"は、また召喚する。

 今度召喚したのはベルトリンクで列なる100発の12.7ミリ重機関銃弾が詰まったアモ缶を7つと、予備の銃身を2本であった。

 其れ等を脇に置いて並べていく"ロクデナシの友"がしようとしてる事を男は漸く理解し、納得の言葉を漏らす。


 「成る程。この先に大量の敵が居て、ソレを迎え撃つ為に備えている訳か……それにしてもどうやって気付いたんだ君は?」


 だが、同時に呆れの言葉も漏らしてしまった。

 しかし、男は同時に"ロクデナシの友"を雇って正解だったと、改めて感じた。


 「やはり、君を雇って正解だ」


 モニターの中で通路に残していたパンツァーファウスト3 ITを運ぶ"ロクデナシの友"に向けて、そう告げた男は懐からシガリロを取り出して咥える。

 そして、火を点して紫煙を吐き出せば、コレから起こる戦闘を胸を躍らせながら待つと共にモニター内でせっせと攻撃準備を進める"ロクデナシの友"を見詰めるのであった。


 「おっと、ポップコーンとドリンクを用意するのを忘れる所だった」



次は戦闘開始


1時間後に更新するよ

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