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二度目の異世界は勇者召喚でファンタジーでした  作者: 忘八


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6/12

物資と支払い証明受領

概ねサブタイ通りの内容なので短い


次回はちゃんとダンジョンアタックする筈…メイビー…


 少休憩(しょうきゅうけい)した後。

 龍兵は接敵したゴブリンやオーク等をBREN-2の露としながら迷宮(ダンジョン)を更に進み、依頼人の彼が用意してくれたバックパックと、依頼人の支払い証明とやらが入ってるだろう大きなマニラ封筒が用意された下の階層へ通ずる階段の前まで来ていた。

 バックパックの前に赴いてしゃがむと、龍兵はバックパックの上に置かれた大きなマニラ封筒へと手を伸ばし、マニラ封筒の封を破って中に手を入れて中身を取り出していく。

 封筒の中には数枚の写真があった。

 其処に写っていたのは当たり前の様に見慣れた教室内に居るクラスメイト達だった。

 ファンタジーな装いをしたクラスの面々が教室内に居ると言うシュールな物であった。

 一枚一枚にクラスの皆が写っており、日本に帰れて喜ぶ者達が大半だった。

 だが、中には異世界から帰還した事に項垂れてる者も居た。

 そんな何枚もの写真の中の1枚を見ると、龍兵は少しだけ申し訳無い気持ちになった。


 「ゆーちゃん、りゅーちゃん。ゴメンな……でもよ、お前等はコレを知ったら絶対に邪魔するだろ?だから、伏せるしかなかった」


 その1枚の中で親友である優と勇輝の2人が怒りと後悔。それに罪悪感が入り混じった複雑な表情を浮かべて謝罪の言葉を漏らしてしまう。

 そんな謝罪の言葉を済ませた龍兵は支払い証明とも言える写真を封筒に戻すと、バックパックを見る。

 バックパック本体の左右には大容量の水筒が1つずつあった。大きさから見て、2リットルは入っているだろう。

 そんな2つの水筒付きのバックパックに手を伸ばし、封を開けた龍兵は中身を取り出していくと共に確認する。

 暫くしてバックパックの中身を全て取り出して地面に整頓して並べ終えれば、龍兵は其れ等を改めて見廻していく。


 雨衣(レインコート)と寝る時の毛布を兼ねたポンチョに米軍のMREレーションが15パックと自衛隊のパック飯が1つ。それと各種ビタミン剤。

 後は袋にパック詰めされたパンツとシャツ。それに靴下が5セット……


 「靴下の替え込みで下着の替えがあるのは大助かりだわ」


 替えの靴下がある事に龍兵は心から安堵し、喜んだ龍兵は16パックと1パックと言った大量の食糧がある事に首を傾げてしまう。


 「何で16パックもあるんだ?普通に3食喰うなら5日。食い延ばせば10日は保つぞ?」


 異様に多いレーションに龍兵は首を傾げてしまったが、直ぐに己の直感が告げて来た。

 そんな直感が告げた内容に龍兵は声を震わせてしまう。


 「まさか、15階層に行くまでに必要って事か?流石に無いだろ?予備の弾とかを詰め込む必要が無いから多目に詰め込んでるだけだよな?」


 誰かに問うように龍兵は声を震わせながら漏らしてしまう。

 しかし、ソレに答えてくれる者は何処にも居ない。

 それ以上の事は深く考えるのを辞めると、龍兵は思考を切り替えるのも兼ねて他にあった物を見ていく。


 「後は予備のバッテリー類とカラビナ付きの束ねられたパラコード……長さは5メートルくらいか?ん?今気付いたけど、地図や端末機材が見当たらないな……」


 何かしらの作戦行動をするなら地図は欠かせない。

 通信機を初めとした端末機材も有る方が作戦行動を有利に進められる。

 そんな物資が支給された物資に無い事に首を傾げていると、タイミングを見計らったかの様にまたスマートフォンが鳴り響いた。


 「どっから監視してんだか……まぁ、状況説明する手間が省けて助かるけど」


 呆れ混じりにボヤいた龍兵はスマートフォンを取り、電話に出るなり言う。


 「状況説明しなくても良さそうだな」


 龍兵がそう言えば、依頼人の彼はさも当然の様に告げる。


 「食糧と着替えは予備の弾を入れる必要が無くなったから入れただけだから気にするな。地図に関しては後ほど支給する」


 そう告げた依頼人の彼は本題を切り出して来る。


 「君は手付金も兼ねた前金の支払いを確認してくれた事だから、本題に入るとしよう……先ずは改めて言うが、君の仕事は私の友人の救出と私の指定する標的の殺害。この2つだ」


 手付金を兼ねた前金の支払いをフィルム式の写真と言う形で証明し、ソレを確認した龍兵に仕事内容を改めて告げた依頼人の彼は突拍子も無い事を言ってきた。


 「さて、先ずは私の友人の救出からだ。私の友人は()()()()()()()()()()()()()()()()()


 今居る迷宮(ダンジョン)の最深部に救出対象が居る。と、依頼人から告げられた龍兵は困惑してしまう。


 「マジかよ……」


 「ガチだよ。話を続けよう……その迷宮(ダンジョン)は一般的には15階層目が最深部。そう言われているが、実際は()()


 依頼人の彼が自ら指定した最深部が実は最深部ではない。

 そう告げられると、龍兵はまたも首を傾げてしまう。


 「どう言う事だ?」


 「今言った通りだよ」


 依頼人の彼が説明無しに肯定すると、龍兵は自分の認識が正しいのか?確認する為に問うた。


 「つまり、15層に隠された階層へ通ずる階段なりがある。で、その隠された階層の最深部に救出対象が囚われている……その認識で問題無いか?」


 龍兵の確認に依頼人の彼は肯定すると、補足する様に説明していく。


 「その認識で構わない。そして、隠された階層は全部で6つあり、1つの階層に多数のモンスターとボスとも言えるモンスターが配備されている」


 「多数の敵が居て、ソイツ等が全員救出対象であるアンタの友人を逃さない為に防備を固めている訳か……」


 救出対象である依頼人の友人を逃さない為に多数のモンスターが防備を固めている。

 その認識で問題無いか?龍兵が確認すれば、依頼人の彼はまたも肯定する。


 「そう言う事だ。それと、場所が場所だけに砲撃や空爆と言った支援は一切出来ないからそのつもりで挑んでくれたまえ」


 「だが、物資は送れるんだろ?」


 「ソレが可能なのは君が今見た通りだ」


 空爆や砲撃と言った火力支援は出来ない。

 だが、物資を送る事は出来る。

 そう聞かされた龍兵は納得すると、気になって居た事を尋ねた。


 「だよな……聞いたついでに1つ聞いても良いか?」


 「構わんよ」


 質問が許されると、龍兵は早速尋ねる。


 「じゃあ、御言葉に甘えて……俺が銃器やら爆薬やら装具やらを召喚出来るのはアンタの物資支援って事か?」


 「その認識で構わない」


 依頼人の彼がアッサリ肯定すれば、龍兵は更に続けて尋ねる。


 「なら、地球産の銃器やら爆薬やら装具なのはどうしてだ?」


 何故、自分が使い慣れた一度目の異世界産の物資じゃないのか?龍兵が問えば、依頼人の彼は答える。


 「その方が安上がりで、経費の削減になるからだ。私だって無尽蔵にカネを使える訳じゃないし、大事な友人の救出とは言ってもケチれる所はケチりたいんでね」


 返って来た答えはある意味で世知辛いモノであった。

 そんな答えを聞いても、龍兵が驚く事は無かった。

 しかし、気になる事はあった。


 「そんな事だと思ったよ。だが、その割には最新モデルやらお高いブツを惜しみなく提供してくれんだな……」


 龍兵が敵の殺害に用いたBREN-2とBREN-2に取り付けられたPEQレーザーユニット。それと、ショートスコープのElcan Specter DR。

 更には未だに米軍しか使っておらず、民間には一切流れていないであろう筈の暗視ゴーグル……ENVG-Bと3人のクラスメイトの右膝をブチ抜いた時に使用したファイブセブンの最新モデルであるMk3。

 そう言った最新モデルの品々ばかりか、今纏っているお高いプレートキャリアとプレートキャリアの前後に収まっているレベルⅣの防弾プレートを初めとした各種装具類。

 こうした高級品を惜しげも無く、ポンポン提供してくれている事に龍兵が触れれば、依頼人の彼はさも当然の様に返して来る。


 「腕の良い者。特に君みたいな凄腕に良い物を沢山与えるのは当たり前の事だろう?()()()()()()()()()()完璧に終わらせてくれてたんだから尚更だ」


 何を言ってるんだ?そう言わんばかりの依頼人の彼に龍兵は少し困った様子で返した。


 「後で請求書を叩きつけられても俺は払えねぇぞ」


 疑り深い様子で返した龍兵に依頼人の彼は呆れてしまう。


 「其処は必要経費だから請求しないし、君には色々と苦労して貰うんだ。そんなケチ臭い事は言わんよ……」


 「なら、良かった」


 龍兵がホッとした様に返せば、依頼人の彼は「話を戻そう」そう前置きしてから本題の続きを語っていく。


 「其処の最下層に救出対象である私の友人が居る。君が彼女を救出した後、君達を回収して地上へ送る」


 救出対象を確保した後に回収する事を依頼人の彼が告げれば、龍兵は尋ねる。


 「どうやって回収するのか?聞いても良いか?」


 「其処はお楽しみに取っておくと良い。その方が楽しいぞ」


 回収方法を語らぬ依頼人の彼に龍兵は「なら、楽しみに取っておく」そう返すと、もう1つ質問した。


 「回収後にアンタのツラを拝める。そう考えても良いか?」


 「あぁ、そう思ってくれて構わない。私も()()()()()()()()()()()()()()の顔が見たいんでね」


 久しぶりに顔が見たい。そう肯定した依頼人の彼が何者か?龍兵は完全に確証を持てば、更に尋ねた。


 「アンタは何者なんだ?」


 龍兵が自分が誰か?完全に察した事をその一言から理解すれば、依頼人の彼は答える。


 「何時だったかも言ったろう?私は君が見た通りの存在で、ソレ以上でもソレ以下でもないと……」


 その答えは龍兵にとって、充分過ぎる肯定であった。

 そんな肯定を受け取れば、龍兵は「マジかよ……」と、ボヤいてしまう。

 ボヤいた龍兵に依頼人の彼は「私だ」と、改めて肯定すれば、龍兵は何処か納得した様子で返した。


 「まぁ、アンタが何者なのか?俺には知ったこっちゃない。俺は俺の為にアンタの困り事を解決して、アンタから報酬を巻き上げらるってんなら文句は無い」


 一度目の異世界で最も付き合いが深く、長い、数少ない友に向けて龍兵が告げれば、友である依頼人の彼は言う。


 「其処は安心したまえ。私は君を信じるし、君は私を信じれば良い……今までと変わらないだろう?」


 「なら、言う事無しだ」


 龍兵が満足そうに返せば、依頼人の彼は「健闘を祈る」そう言い残して電話を切った。

 スマートフォンを戻した龍兵はバックパックから出した中身を戻していく。

 最初に着替えの詰まった5つのビニールパックを入れると、その後に15パックのMREレーションと1パックの自衛隊の戦闘糧食(パック飯)を入れ詰め込んで蓋をした。

 それからバックパックの中央ポケットにポンチョを戻せば、カラビナ付きの束ねられたパラコードを尻ポケットに入れると、1パックだけ残したMREレーションを下衣の左腿にある大きなポケットに入れた。

 そして、バックパックを閉じて背負った龍兵はBREN-2を手に取り、5.56ミリNATO用のサプレッサーを召喚。

 BREN-2に今取り付けられているサプレッサーを外して召喚したばかりのサプレッサーと交換すれば、立ち上がって下の階層へ向かう階段へ赴いていく。

 階段の周りを見廻して安全である事を確認した龍兵はその場に伏せると、プレートキャリアに差し込んでいたフレア(発炎筒)を1本。手に取り、シュバっと擦って火を点した。

 フレア(発炎筒)から真っ赤な炎が勢い良く迸れば、龍兵はソレを階下へポイッと放り込む。

 投げられたフレア(発炎筒)は赤く染まる眩い閃光と共に階段内を照らしながら落ち、程なくして階下……

 2階層目の地面に転がって辺りを勢い良く迸る赤い炎で照らせば、龍兵は後ろを振り返えって後方の安全を確認してから立ち上がる。

 そして、BREN-2をローレディの状態で携えながら龍兵は階段を降りて行くのであった。




予備の弾を何時でも召喚して補充出来るなら、バックパックに予備の弾を詰め込む必要は無いよね?

で、その分だけ食糧と着替えを持ってける様に顔馴染みの依頼人は配慮してくれた

じゃなかったら、自分で予備の弾をしこたま持つ事になるから←


因みにだけど、龍兵の纏ってる装具類つーか、最新モデルの暗視ゴーグルだけで一財産だったりする…

それ以外の品々を金額に換算したら…安い中古車ぐらいなら余裕で買えるんじゃないかな?ってくらいな金額になりそう(小並感


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