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『死んだはずの名探偵、異世界でまた人を死なせる』

作者: 月白 ふゆ


──死んだ名探偵、目を覚ます──


 

「……なんだこの、天井は」


声が出た時点で違和感を覚えた。

いや、そもそも声が出ること自体が、どう考えてもおかしい。


つい数分──いや、感覚的には一瞬前、俺は確かに死んだ。

刃物で、背中から。犯人の顔も知っていた。だが証拠が足りなかった。

油断して、背を向けた。次の瞬間、鈍く冷たい痛みとともに、意識がスッと……。


 


──それが、なんで。


 


「なんで俺、土に埋もれてんだ?」


体を動かせば、ガサガサと乾いた音。両腕を動かせば、手に触れるのは……土と、棺桶の板。


それだけじゃない。鼻をつくのは、まるで香草を焦がしたような煙のにおい。

むしろこれは、死体を焼いた後の香炉の香りに近い。


 


「……冗談だろ、誰かのドッキリじゃねえの?」


ガタン、と力任せに棺の蓋を押し上げれば、重苦しい音とともに板がずれ、

そこから差し込むのは――真昼の陽光と、見たことのない空の色。


 


「お、おおおおおおおおお!? ちょっと!? 誰か!?」


外は、墓地だった。そう、それも中世ヨーロッパの映画で見るような石造りの墓地。

だがさらに異様なのは、その真ん中で「よみがえった俺」に向けて、

ローブ姿の女がカリカリと羽根ペンで何かを記録していたということだ。


 


「ほう。蘇生成功、記録時間、午前十時十二分。死後経過時間、約十六時間三十二分……死因、刺創。生前の名前は……え、なんて読むの? 片仮名? ああ、日本語か、めんどくさ……」


「え、ちょっと待てお嬢さん、今、蘇生って言った!? 記録? ていうか、日本語?!」


女はようやく顔を上げた。

淡い銀髪に、魔導書らしき分厚い本を小脇に抱え、あきらかにこちらを見下している。


 


「あなた、名探偵だったんでしょ? 前の世界で。じゃあ、よろしくね」

「……よろしくって何が」

「この世界、今めちゃくちゃ“死人が死なない事件”であふれてるの。探偵が足りないのよ」

「…………」


頭を抱えた。まるで意味が分からない。


だが、死人が死なない事件というパワーワードに、

思わず口の端が――にやりと上がったのを、自覚した。


 


「なるほど……じゃあ、仕事だな」

「うん?」

「探偵は、依頼がある限り、生きるのさ」


俺は、転生していた。

墓からよみがえった名探偵として――

この、“死人が死なない”異世界の謎を暴くために。



 

●生ける死体と貴族の晩餐


 

「この世界ってさ、死体がよくしゃべるよな」


「うん。こっちだとそれ、わりと日常だから」


 


 石畳の道を馬車が跳ねる。

 軋む木の音。窓の外に広がるのは、青く尖った屋根と、空を泳ぐように飛ぶ飛竜の群れ。


 俺――名探偵・羽鳥翔一はとり しょういちは、異世界で転生早々、

 **“しゃべる死体の事件”**に巻き込まれていた。


 


 隣に座る少女は、俺を「資料」として連れ歩いている記録魔導士。名前はラセルナ。


 銀髪ポニーテールにタートルネックの黒衣装。いちいち仕草がデカい。あとやたら目つきが鋭い。


 


「で、事件ってのは?」


「貴族のお屋敷で、晩餐中に執事が倒れて死んだの。でも今朝、そいつが立ってた」


「……立ってた?」


「お皿にバターを載せて、『いかがですか』って。死後三日経ってるのに」


「……怖ぇよ」


 


 屋敷の門は黒く塗られ、二体の石像が入口を守っている。

 屋敷の主、アースト侯爵は王都でも有名な老貴族で、

 “潔癖と常識をこじらせた結果、人を信用しなくなったタイプ”だという。


 


「名探偵とやら、早く片づけてくれたまえ。死人が台所をウロつくなど、忌まわしいことこの上ない!」


「ところで、その“死人”はどこに?」


「第七食堂に封印してある。鍵は五重だ」


 


 第七。食堂多すぎだろ。


 



 


 第七食堂は西棟の地下。蝋燭が灯るその空間の中央に、執事が立っていた。


 スッとした姿勢で、トレイを両手に乗せ、目を伏せ、微動だにしない。


 


「……これ、マネキンじゃね?」


「違う。本物よ。指先がかすかに動いてる」


 


 そっと近づき、鼻の下に手をかざした。

 ……呼吸、してる。ほんのわずかに。


 


「てめぇ、死んでねぇじゃん……」


「でしょ? でもその日、医師も魔導士も“死亡判定”出してるの」


「じゃあ、これは“死んだふり”……じゃないな」


 


 問題は、なぜ死んだことにされて、三日間放置されていたのか。

 もっと言えば、誰が、何のために、彼を“死者”にしたのか。


 


「聞き込みさせてくれ。まずはその……晩餐に同席してた人間から」


「いいけど、今夜も晩餐会よ?」


「……まさか、死人付きで?」


「うん。しかも主催者は“遺体が戻ってきた奇跡を祝う会”って言ってる」


「……マジかよ」


 



 


 晩餐会は想像を絶するシュールさだった。


 食卓には煌びやかな皿。微笑む貴族たち。オーケストラの生演奏。

 その中央に、“死んだ執事”が、トレイを持って立っていた。


 


 そのとき、俺の目に留まったのは料理皿の上に刺さった金属片だった。


 ……違和感。これは、ナイフの破片か?

 だとしたら、この皿に異常があった可能性が――


 


 その瞬間、隣の男が倒れた。


 


「う……うぅ……苦しい……」


「えっ、また!?」


 


 会場は騒然となる。ラセルナが飛び出し、倒れた男の体に魔法の光を当てる。


「生きてる! 脈はある、けど……また“死んだふり”だわ!」


 


 俺は確信した。

 この屋敷では、死者が出ていない。死者“しか”出ていない。


 


 それも――意図的に、“死”を演出している。


 誰かが、人を殺さずに“死んだことにしている”。なぜ?


 


 動機は?

 目的は?

 誰が、何のために?


 


 だがこの謎は、もうひとつの疑問とつながっていく。


 なぜ、この世界では“死者を演出する”ことが、これほど簡単に行われるのか?


 そしてその背景には、この世界の“死”にまつわる、驚くべきルールが存在していた。


 


 その夜、俺はひとつの手がかりを得た。


 


「……ラセルナ、お前、この世界では“死んだことにすれば、全てリセットされる”って言ってたな?」


「ええ。“死人”には、借金も罪も契約も、すべて帳消しになるの。だからみんな、死んだふりしたがるのよ」


「……動機、出たな」


 


●墓守と“本当に死んだ者”の話

 


 翌朝、俺とラセルナは“死んだ執事”の遺体──いや、生体を侯爵家の墓所に運んでいた。


「……で、この人はどこに運ばれるんだ?」


「一応“死者”だからね。三日経ったら“正式に還す”ことになってるの。墓守の判定で、最終的な死が認定されるわ」


「……墓守って、司法解剖医と神主を足して二で割ったみたいな奴だな?」


「だいたい合ってる」


 


 侯爵家の墓地は、石碑と花と、漂う線香ならぬ魔香草の香りに包まれていた。

 まるで公園のような広さだが、端にはぽつんと一軒の小屋がある。そこが墓守の詰所らしい。


 


「来たな。お前が……“死者”か」


 小屋の扉がきしみ、ひとりの老婆が現れた。

 杖をついた、猫背の女。顔に刻まれた皺は深く、目だけが妙に鋭い。名前はヴェルガ。


 


「お前たち、こいつが“まだ死んでない”ことに気づいてるな?」


「ああ。目の焦点、指の色。息もしとる。死んでる振りにしちゃ芸が細かい」


「ふむ……貴族の屋敷で死んだ者は、こうして“還し”に出される。が、まれに……こういう奴もいる。死ぬ理由がないまま、死んだことにされた者だ」


 


 ヴェルガはぽつぽつと語る。

 この世界では、「死者」には法律も契約も及ばない。だからこそ、人々は“死”を利用する。


 


「昔な、この執事のように“死んだふり”して逃げた男がいたんじゃ。

 貴族の資産を盗んで、死んだことにして身を隠した。だが、真に死を知る者にだけ、彼の罪が見えた」


「つまり、“死んだことにしても、真に死んでないなら罰は消えない”って?」


「そうじゃ。じゃから、ワシは見る。誰が“死を演じている”のか。誰が“本当に死んだ”のか」


 


 ラセルナが小声で尋ねてきた。


「この人、かつて“王家の火葬官”だったらしいよ。戦争で死者が溢れてた時代に、千人以上を送ったんだって」


「……そりゃ目が利くわけだ」


 


 執事の“死体”を調べたヴェルガは、驚きの言葉を口にする。


 


「この者、“自己催眠”を使っておるな。呼吸と鼓動を限界まで落として、魔力で細胞を仮死状態にしておる」


「なんだそりゃ、ほぼ自分で棺桶入ってるレベルじゃん」


「……しかし、魔力操作の技術が高すぎる。この者、執事ではない」


「……どういう意味?」


「貴族の屋敷に潜り込んだ、他国の間者スパイじゃろう。死んだふりで情報を持ち帰ろうとしたのかもしれん」


 


 緊張が走る。


「つまり、“死んだことにする”ことで、国外に持ち出される機密がある……?」


「ふむ。この屋敷で“死者”を頻繁に出しとるのは、偶然ではないかもしれんの」


 


 そこでラセルナが、ぽつりとつぶやいた。


 


「……だったら、“死者専用の情報網”があるのかもね」


「どういうことだ?」


「死んだ者は自由だもの。死んだ者同士だけで動ける地下組織があっても、おかしくない。

 死人は、誰にも監視されない」


 


 寒気がした。

 つまり、こうだ。この世界では、“死者”は自由だ。そして、“死者”というステータスは演出可能だ。


 それは、完全犯罪どころか、完全な自由だ。


 


 侯爵家で死人が続出するのも、偶然じゃない。

 この屋敷を拠点にした、“死人ネットワーク”が存在している可能性がある。


 


 俺は思わず呟いた。


 


「……死体が喋って、死人が逃げる。この世界の“死”は、犯罪の温床じゃねえか」


 


 その時だった。


 


 ――バンッ!!


 


 詰所の扉が弾けるように開いた。駆け込んできたのは侯爵家の従者。


「たいへんです! 第七食堂が燃えております!」


 


 ……第七?


 さっき“執事”がいた部屋だ。


 


 その火事は、ただの火事ではなかった。

 炎の中で、もう一体の“死体”が発見されることになる――

 だがそれもまた、「死んでなどいなかった」。




●魔術ギルドと失踪した死者


 

 火災は数時間で鎮火したが、焼け跡からは不可解な痕跡がいくつも見つかった。


 その中でもっとも異様だったのは、発見された“死体”が朝方まで侯爵家に存在しなかったことだ。


「つまり、どこからか運び込まれて、燃やされた?」


「うん。しかも“死体のように見えるが、生きてる”のよ。今も微弱な脈がある」


 


 死体の身元は不明。ただ、焼けた衣服の一部に見覚えがあった。

 ラセルナが目を細め、ぽつりと口にした。


「……魔術ギルドの制服ね。あれ、初等階級の見習い魔導士が着るやつ」


「ということは、屋敷にいた“執事”も、魔術ギルド関係のスパイかもしれねぇな」


 



 


 魔術ギルドの本拠地は、王都の北区、白塔の中にあった。


 灰色の石造りの建物に、異様なまでに無口な門番たち。

 入るだけで精神が削られそうだ。


 


「魔術ギルドはね、“死人”に関して一番技術を持ってるの」


「なんで?」


「死後の魂を“封じる”技術とか、“蘇生”とか、“転生阻害”とか……あっ」


「いまサラッとおかしい単語出たぞ。転生阻害ってなんだ?」


「言葉の通り。転生しようとする魂を、拒絶する術。魂の通り道をね、閉じるの」


「……こわ。ブラック企業かよ」


 


 応対に出てきたのは、ギルド研究官・メルシアという若い女魔導士。

 とびきり人当たりは良いが、瞳の奥が凍っている。


 


「“死人が生きてる”件について、私たちも把握しています。最近、未登録の蘇生魔術がいくつも検出されていまして」


「登録ってのは、法的なやつ?」


「ええ。蘇生魔術は原則、王家とギルドの許可制。個人使用は“死者侮辱罪”にあたります」


「死人に名誉があるのか、この世界……」


「ありますとも。こちらでは“死”は社会的ステータスの一種ですから」


 


 俺の脳裏で、いくつかの情報がつながっていく。


死人は法からも契約からも逃れられる


しかも、その“死”は演出できる


蘇生魔術を使えば、“いつでも戻ってこれる”


 


 つまり、“一度死ぬ”ことで、人生をリセットできるんだ。


 ならば、それを悪用しないはずがない。


 


「……心当たりがあるの」


 と、ラセルナが呟く。


 


「実は数か月前、ギルドで死者を蘇らせる非合法プロジェクトが立ち上がったって噂があったのよ。

 “蘇生して別人になる”っていう、転生の簡易版みたいな技術」


「死んで、別の身分で生き返るってことか?」


「うん。もしそれが本当なら、貴族社会の身分制度を崩す最悪の兵器になる」


 


 そこでメルシアが口を挟んだ。


「その件なら、ギルドでも調査中です。“PZ計画”という内部コードで運用されていた形跡があるのですが、数週間前に中枢データごと“消去”されました」


「データって……この世界でも消去するんだな」


「石板のルーンを砕くの。バックアップがないと完全に消える」


「アナログなのかデジタルなのかはっきりしろよ、この世界……」


 


 ギルドを出たあと、ラセルナがぼそっと言った。


 


「“PZ計画”……名前、変じゃない?」


「ん?」


「ふつうさ、計画には由来があるじゃない。“魂還元計画”とか、“死者復帰実験”とか。でもPZって……意味が見えない」


「……確かに」


 


 そのとき、俺のポケットで何かが微かに震えた。

 取り出すと、それは――侯爵家で執事から抜き取ったペンダントだった。


 


 細く、黒ずんだ金属に刻まれていたのは、見覚えのない紋章。

 その中央に、小さく──


 


“PZ-013”


 


「……ラセルナ。この“死人たち”、全部、計画の“被験者”かもしれねぇ」


「じゃあ、これはもう……個人の犯罪じゃなくて、“実験”だ」


 


 その夜。

 王都の裏通りで、また一人、“死体のような生きた人間”が発見される。


 その者の腕にも――“PZ”の刻印があった。


 


●王都の葬送と“生きている”民衆



 王都中央広場、朝。

 広場の中央に据えられた黒塗りの霊柩馬車が、沈黙のまま立ち尽くしていた。


 その周囲には、ぞろぞろと黒服の群れ。

 大仰な羽根帽子、涙を拭うふりをするハンカチ、どこか演劇じみた身振り。


 


「……これ、ほんとに“葬式”か?」


「うん、葬式。名目上はね」


 


 ラセルナが答える。その目は冷めきっていた。


「この王都では、年に一度、“生者の葬送式”ってのがあるのよ」


「……生者? いや、死者じゃなくて?」


「逆。“社会的に死んだ者”を、形式的に葬る儀式。

 たとえば、借金で首が回らなくなった人間とか。罪を犯したけど逃げおおせた人間とか。

 要は、法も社会も“関与しなくなった人たち”のための……名誉あるリセットってわけ」


 


 馬車が動き出す。

 運ばれるのは、棺。だが、その棺の中には“遺体”ではなく――


 


「……生きてるじゃねぇか」


「うん、寝てるだけ。これから“死者登録”されて、新しい名で別の街に送られるの」


「生きてんじゃん。何が死だ、ふざけてんな」


 


 だが、それは皮肉にもこの世界にとって“福音”でもある。


 死者には何も課せられない。死者は、誰からも責任を問われない。


 それを望む人間が多すぎるのだ。


 


「で、これが“合法”な方ね」


「じゃあ非合法ってのは?」


「“PZ計画”みたいに、完全に身分を抹消した上で、“蘇生”して別人になるパターン。

 あれは蘇生魔術の記録も魂の系譜も消されるから、追跡不能。

 国家にとって最大の脅威よ」


 


 ふと、広場の端に佇む影が目に入った。


 ローブを被った老人。片目に眼帯。杖に歪な水晶を仕込んでいる。

 ただの通行人にしては目立ちすぎる。


 


「あれ、見たことある」


「誰?」


「昨日、火事があった侯爵家を監視してた男だ。……見間違いじゃなければな」


 


 ラセルナが短く指を鳴らした。

 すると、魔法陣が足元に浮かび、光が周囲を包む。視界が一瞬ゆがむ感覚――


 


「追跡魔術《追刻のタイムリング》。対象に魔素の痕跡をつけた。行き先が分かるわ」


「さすが魔導士。おまけに便利すぎる」


「まあ、記録魔導士だからね。何にでも記録を残すのが仕事。……だから私、あんたの全裸記録も一応保存してる」


「やめろ」


 



 


 老人の行き先は、王都郊外の旧水路地下にあった。


 かつて水路として使われていた石造の空間。今は誰も使っていないはず――

 の、はずだった。


 


「これは……多すぎる」


「うん、“死者登録された”はずの人間ばかり」


 


 地下の石床には、簡易ベッド。

 その上に、棺に入れられたままの生きた人々が並んでいた。


 呼吸は浅く、反応はない。だが、全員が“死んだことになっている”者たちだ。


 その数――およそ四十体。


 


「これ、もう隠れ家ってレベルじゃない。別の社会だ」


「……死人たちの、国家の外の国家」


「自由の代償が、ここってことか」


 


 だがその奥で、さらに衝撃的な光景が待っていた。


 


 中央の祭壇――その上に、黒衣の女が倒れていた。


 ラセルナが駆け寄り、顔を確認する。


 


「……この人、ギルドのメルシア!」


「は?」


 


 ギルドで俺たちを迎えた研究官が、ここにいる?


 つまり、あのときギルドで話していたメルシアは――


 


「偽者だったってことか」


 


 そのとき、メルシアがゆっくりと目を開けた。

 微かに呟く。


 


「P……Z……ゼロ……ゼロ・イチ……私……被験者……」


「おい、しっかりしろ!」


「……“私の名前は、もうない”……記録から、消された……」


 


 その瞬間、頭の中でひとつの言葉が響く。


 


――この世界の“死”は、リセットボタンだ。


 


 そしてその“リセット”を悪用する者たちは、もう既に――

 “完全犯罪”の、その先にいる。




●名探偵、処刑される


 

 夜、王都の中央議院。

 そこは権威と形式主義の象徴、そして一切の情状酌量が通じない裁定の場だった。


 


「被告、羽鳥翔一。汝は“名探偵”を名乗り、王都の貴族社会へ不当な干渉を行った。さらに、“死者の地下集団”への不法潜入を認めたな?」


 


 前に立つ判定官の声は淡々としていた。

 完全に「死刑前提」の口調だ。


 


 ラセルナは、傍聴席で睨みつけていた。

 だが何もできない。俺の“転生者”という立場は、そもそもこの国では法的に存在していない。


 つまり俺は――“存在していない者”による、“存在しない犯罪”で裁かれようとしていた。


 


「――判決。“死者登録”および、“記録消去”をもって、刑を執行する」


 


 記録消去。

 それは、法的な“処刑”ではない。存在の消去だ。


 この世界においては、魔術的な手段によって“生前の記録”を完全に削除し、

 “死者”として名簿に記載されることで、実質的に社会から抹消される。


 言い換えれば、俺はこれから「幽霊」になるのだ。


 



 


 地下の処理室。

 そこで俺は、石の寝台に縛られ、“記録魔術”を施されていた。


 記録帳が開かれ、羽根ペンが勝手に踊る。


 


《記録対象:羽鳥翔一/状態:存在抹消/魂封印コード:PZ-023/記録消去確認:進行中……》


 


 だが――その瞬間。


 


 部屋の壁が、爆ぜた。


 


「――羽鳥! 来い!」


 ラセルナだった。黒装束に身を包み、手には魔導剣。

 顔は真剣そのものだった。


 


「遅かったじゃねえか!」


「まさか本当に死刑にするとは思ってなかったわよ!」


 


 爆炎と混乱のなか、俺たちは処理室を飛び出した。


 だが、すでに俺の“社会的記録”は抹消されている。

 俺はこの国ではもう“死人”扱い。戸籍も、存在証明も、すべてが消えていた。


 


 だが――


 


 それは逆に言えば、誰の命令にも従わなくていいということでもある。


 


「名探偵、死人になりましたってか……皮肉だな」


「死人の探偵って、肩書として最高に皮肉きいてるわね」


「悪くねえ。死人のふりは慣れてる」


「ていうか、実際に一回死んでるし」


「うるせぇよ」


 



 


 逃走後、俺たちは王都を脱出し、郊外の古い修道院に身を潜めた。


 そこには、記録から消された“死人たち”が隠れ住んでいた。


 


「いらっしゃい、名探偵」


 迎えたのは、まさかの人物――“ギルドのメルシア”、本物だった。


 地下施設で倒れていた彼女はすでに回復しており、偽者の“自分”がどこから来たのか、すべてを把握していた。


 


「“あれ”は、PZ計画の最新型。私の記憶と魔力特性を模写して作られた“魔術的複製体”よ」


「クローン……じゃなく、ゴーレムに近いか?」


「近いわ。でも、自己認識能力を持ってる。もはや“別人”と言ってもいい」


 


 彼女は言う。


 PZ計画の本質は、“人格の切り替え”と“転生擬似体験”の量産。

 要するに、死なずして人生をやり直す実験だった。


 


「そのために、“死者”を大量に生み出したの。自分の名前を捨て、別の人格でやり直す。

 最初はギルドの管理下にあった。けど、いつからか“制御不能”になっていたのよ」


「つまり今は、“自分が誰か分からない連中”が、王都中にばらまかれてるってわけか」


「その一人が、あなたでもあるわ。羽鳥翔一。あなたも、コードネーム“PZ-023”。

 もともと、“一度死んで社会を観察する探偵”として作られた“意図された転生者”だったのよ」


 


 ――頭が、真っ白になる。


 


「……俺は、自分の意思で死んで、転生したんじゃなかったのか?」


「ええ。でも記録されていた。最初からあなたは、“死んだふりで送り込まれた探偵”だったの」


 


 混乱する思考のなか、ラセルナがぼそっと言う。


「――じゃあこの物語は、最初から“死人が真実を暴く物語”だったってわけね」


「……ああ。死人の名探偵が、死人だらけの世界で、生きたまま“死”を暴く話だったってことだ」


 


 そして、俺の心にはもう迷いはなかった。


 社会の外側から、死人の立場から、この世界の歪みを暴き、破壊してやる。


 


 名探偵、死してなお事件を解く。

 それが――死人探偵・羽鳥翔一の、もうひとつの始まりだった。




●死人たちの夜会と、“終わらない事件”


 

 古びた修道院の地下。

 蝋燭の灯りが揺れる中、死人たちがひそやかに集っていた。


 


「よく来たな、羽鳥翔一」


 長い黒コートに身を包んだ男が迎える。

 その名はカルヴィン・レイド。死者の中でも特に古参の“死人結社”のリーダーだ。


 


「ここは、法も記録も及ばぬ“死者の楽園”――だが、実際は、奴らの監視下にある牢獄だ」


 


 死人たちは、自由を得たように見えて、実は“死”の鎖に縛られていた。


 そしてその中で、ずっと解決できずにいる事件があった。


 


「この国で“永遠に終わらない殺人事件”が起きている」


 


 カルヴィンは話す。

 事件の被害者は毎回“死者”。

 だが、その死体は決して最終的に“死”にならない。蘇生し、また殺される。


 


「犯人はどこにいるのか? なぜ繰り返すのか? それは我々にもわからない」


 


 俺は眉をひそめた。


「なんでそんな事件が放置されてるんだ?」


 


「なぜなら、犯人もまた“死者”であり、法が及ばないからだ」


 


 死人同士の戦い。生きている者には絶対に理解できない、終わりなき悪夢。


 


 ラセルナが小声で言う。


「……この事件は、PZ計画の実験のひとつじゃないかしら」


「どういう意味だ?」


 


「死と蘇生を繰り返す“被験者”たち。永遠に消えない“死者”たち。

 まるで実験動物のように、繰り返される死」


 


 俺はその言葉の重さに背筋が凍った。


 


「……俺たちは、何のためにここにいるんだ?」


 


 その時、地下の奥から、かすかな笑い声が響いた。


 


「――ようこそ、死人の宴へ」


 


 薄暗い通路の先、黒いローブの影が浮かび上がる。


 


「私は、“終わらせる者”。お前たちの死を司り、真実を知る者だ」


 


 その声は、まるで死神の囁きのように冷たかった。


 



●終わらせる者の告白



 地下通路の奥、闇の中に佇む黒いローブの人物。

 ゆっくりと姿を現したその人物は、冷たく微笑みながら語り始めた。


 


「私は“終わらせる者”、この世界の死の管理者の一人だ」


 


 その声は低く、しかしどこか重みがあった。

 俺とラセルナは緊張しながらも、身を乗り出した。


 


「この国の“死”はリセットボタン。死者を生者に戻す技術、それを悪用したPZ計画。だが、その果てに何が待つか、誰も知らない」


 


 彼女(男か女かは判然としない)は、ゆっくりと手を差し出した。

 そこには一枚の古びた羊皮紙があった。


 


「これが、PZ計画の元となった契約書だ」


 


 紙を受け取ると、そこには古代文字でこう記されていた。


 


『魂は流転し、死は終焉にあらず。死を超えし者、真の自由を得るべし』


 


「この言葉の意味は……?」


「死を拒み、転生を封じ、魂を制御しようとした古の術式。だが、それが現代に蘇った。死者たちは“リセット”を繰り返し、真実の自由からは程遠い牢獄に囚われている」


 


 俺は思わずつぶやいた。


 


「つまり、自由を求めるはずの“死者”が、逆に牢獄に閉じ込められてるってことか」


 


「そうだ。真の死は、解放。だがこの世界は“死”を操作し、支配している」


 


 ラセルナが問いかける。


 


「では、終わらせる者は何を望んでいるの?」


 


 彼女は目を伏せた。


 


「終わらせる者として、私はこの世界の死の連鎖を終わらせたい。だが、私もまた囚われの身。自由になるためには、死の輪廻を壊す者が必要だ」


 


 その言葉に、俺の胸が高鳴った。


 


「それが俺たちの役目か?」


 


 終わらせる者は静かに頷いた。


 


「死者の探偵よ、あなたこそが希望だ。死と生の狭間で、この終わらない事件を終わらせてくれ」


 


 闇の中に、かすかな光が差し込んだ。


 


死者の街、再び



 王都郊外の古い地区に、死者たちの秘密結社の本拠地があった。

 そこは“死者の街”と呼ばれ、死んだ者たちが“生きて”生活する不思議な空間だった。


 


「ここが、俺たちの新しい拠点か」


 羽鳥翔一は、静かに周囲を見渡した。

 壁には死者を表す紋章が刻まれ、空気はどこか重いが自由が漂っている。


 


 ラセルナが隣で言った。


「ここでは、“死”を偽装する者たちが集まっている。

 生者に縛られず、死者としての権利と自由を手にした者たちの場所」


 


 しかし、その“自由”の代償は重い。

 社会からは完全に切り離され、存在は半透明のように曖昧になる。


 


 そこに、カルヴィン・レイドが現れた。


「探偵、歓迎しよう。ここではお前も“死人”だ。名探偵はもう“死人探偵”と呼ばれる」


 


 数人の死者が集まり、羽鳥に挨拶をする。

 彼らはそれぞれ、死者登録によって社会的に“抹消”された者たちだった。


 


「だが、安息はない。終わらない殺人事件は、この街でも起きている」


 


 羽鳥は眉をひそめる。


「犯人は……誰なんだ?」


 


「誰も知らない。ただ、死者が殺され、また蘇り、殺される。その繰り返しだ」


 


 その時、地下通路の壁が音を立てて崩れた。


 一人の影が現れた。白いローブの男。目が深い蒼色に輝いている。


 


「……私が“終わらせる者”の真の名を知っている。皆に伝えねばならないことがある」


 


 その言葉に、死者たちの視線が一斉に集まった。




終わらせる者の真実



 白いローブの男はゆっくりと語り始めた。

 彼の名前は――エリオット・ヴェイル。


 


「私はかつて、この世界で“死”を司る術師の一人だった。終わらせる者の真の姿である」


 


 エリオットの声は静かだが、力強い説得力があった。


 


「PZ計画の背後には、かつて私たちが封じた古代の呪詛があった。魂の転生を管理し、自由を奪う禁忌の魔術だ」


 


 彼は続ける。


 


「だが、時代が進み、技術が発展するにつれ、この術式は再び解き放たれ、現代の科学と魔術の融合によって再生された」


 


 俺は問いかけた。


 


「なぜそれを?」


 


「権力者たちが“永遠の生命”と“完璧な管理”を求めたからだ」


 


 エリオットは苦々しく微笑む。


 


「だが、彼らは知らなかった。魂を縛れば縛るほど、世界は歪み、破滅に向かうことを」


 


 その時、地下室の壁に映像が映し出された。


 


 燃える侯爵家の火災、死者の地下施設、そして“蘇生の儀式”。


 


「これがPZ計画の真実だ。死者を繰り返し蘇生させ、社会的身分を自在に操る実験――その果てに生まれたのが“終わらない殺人事件”」


 


 ラセルナが呟いた。


 


「つまり、私たちは人間の欲望の犠牲者だったのね」


 


 エリオットは頷いた。


 


「しかし、まだ終わらせる方法はある。だが、それは“死”の根源に触れる危険な術式を使うことだ」


 


 俺は決意を新たにした。


 


「よし、俺たちが終わらせよう。この終わりなき悪夢を」


 


 エリオットは静かに手を差し伸べた。


 


「共に、死の輪廻を断ち切ろう」


 


●死の輪廻断絶



 王都の夜空に、雷鳴が轟く。

 エリオットが古代の魔術陣を描き、俺たちは“死の根源”に挑む準備を進めていた。


 


「これが最後の試練だ。魂の鎖を断ち切る術式、【魂解放のソウルブレイクサークル】を使う」


 


 ラセルナが術式の準備を整え、俺は覚悟を決めて目を閉じた。


 


 術式が発動すると、空間が歪み、死者と生者の境界が崩れ始める。


 


「魂よ、自由となれ!」


 


 術式の力で、すべての“死者登録”が無効化され、死者たちは自由を取り戻し始めた。


 


 地下施設は光に包まれ、生者と死者が混じり合い、新たな社会の夜明けを告げた。


 


 だが、その瞬間――


 


「ぐああああああ!」


 


 死の輪廻を守ろうとする黒き存在が現れ、最後の抵抗を見せる。


 


 俺たちは力を合わせ、激しい魔法戦を繰り広げる。


 


「負けるな! 魂は束縛されてはならない!」


 


 最後の一撃で、術式は完了。黒き存在は消え去り、世界は静寂を取り戻した。


 


 羽鳥翔一は、ラセルナとエリオットとともに、新たな時代の幕開けを見つめる。


 


「これで終わりだな……死人も、生者も、共に生きる未来を」


 


「そうよ。死を恐れず、自由に生きるの」


 


 そうして、死人たちは“真の自由”を手に入れたのだった。



 

●新たな旅立ちと、謎の影

 


 死の輪廻が断ち切られ、王都は新たな秩序のもと動き始めた。

 生者と死者の境界は曖昧となり、共存への道が開けていた。


 


「これからが本当の勝負だな」


 羽鳥翔一は静かに言った。

 ラセルナは頷き、エリオットは微笑んだ。


 


 しかし、平和の影に新たな暗雲が垂れ込めていた。


 


「……奴らはまだ諦めていない」


 


 闇の中で囁く声。

 それはPZ計画の裏で糸を引く存在たちの影だった。


 


「この世界の死と生を操る真の支配者たちが、再び動き出す」


 


 羽鳥たちはそれに気づかず、新しい時代の扉を開いた。


 


 だが、遠く彼方で――


 


「……ゲームは、まだ終わっていない」


 


 不気味な笑みが闇に溶けた。


 


●終わらない物語の幕引き



 死の輪廻は断ち切られた。


 王都の空に差し込む朝日は、かつて地下に封じられていた“死者”たちの新しい一日を祝福するかのように優しく、静かに差し込んでいた。


 


 だが、羽鳥翔一はまだその光の下に立ってはいなかった。

 彼は、静かな回廊の奥にある古い書庫で、ひとり黙々と帳簿と記録を読み解いていた。


 


「死者登録の解除件数、現在までに――二千三百六十四件……。まさかこれほどとはな」


 


 横からラセルナがカップを差し出す。香ばしいハーブ茶の香りがする。


 


「まだやるの? もう世界は変わったって、みんな言ってる」


「でもな――」


 翔一は帳簿から目を離さずに言った。


 


「何かがおかしい。“事件”が、終わった気がしないんだよ」


 


 ラセルナは呆れたように笑って言った。


「推理バカの悪い癖」


 


 けれど、翔一の第六感――それは数多くの事件を解決してきた名探偵としての本能が、確かに警鐘を鳴らしていた。


 何かが終わっていない。


 何かが、動いている。


 


 ――そのとき、扉がノックもなく開かれた。


 


「失礼する」


 


 入ってきたのは、カルヴィン・レイド。死者の結社を束ねる男だ。


 だがその表情はいつものように沈着冷静ではなかった。わずかに、焦りすら見える。


 


「……“消えた死者”が出た」


 


「何?」


 


 翔一がすぐに席を立つ。


 


「誰が?」


 


「数名。同時刻に。王都地下、南区の解放者たち。しかも……彼らの“死者登録記録”まで消されている。魔術的にも、物理的にも跡形がない」


 


「それじゃ……殺されたというより、“存在ごと削除された”?」


 


 カルヴィンは無言で頷く。


 


 その意味は重い。

 つまり、“死の輪廻”を断ち切ったと思っていたが、それを逆手に取って“魂そのものを消す術”が、誰かの手に渡ったということだ。


 


 翔一は立ち止まり、息を吐いた。


 


「……あのとき倒した“黒き存在”、まだ本体じゃなかったな」


 


 ラセルナが眉を寄せる。


 


「何が言いたいの?」


 


「終わらせる者は、三人いた」


 


「……まさか」


 


「そう。“影の終わらせる者”が、まだどこかで生きてる」


 


 カルヴィンが、ふと苦笑する。


 


「君はやはり、名探偵のままだな。死人であろうと、真実を探る姿勢は変わらん」


 


「死人だからこそ、気づける真実もあるさ」


 翔一は帽子を深く被り直す。


 


「それに――俺たちの物語は、ここで終わる気がしないんだよ」


 



 


 夜が更け、静寂が王都を覆ったころ。


 


 廃墟となった旧行政院跡地の奥、かつて処刑場だった部屋に、一つの影が立っていた。


 


 白いローブの裏地に、黒い印。

 “終わらせる者”の紋章。


 


「魂を解放する者……? 笑わせる」


 


 その者の手には、燃えたはずの“魂封印記録帳”があった。


 


「名探偵よ、君はまだ知らない。真に恐ろしいのは、死でも、消滅でもない」


 


 彼は帳のページを一つ捲った。


 


『PZ-023:羽鳥翔一 現在位置:未確定 状態:登録外個体』


 


「“登録外”……か。やはり君は、計画外の存在だな」


 


 笑い声が夜に溶ける。


 


「だが、いずれ記録に戻ってもらうよ。終わらない事件の登場人物として、ね」


 



 


 その翌日、翔一は新たな事件の依頼状を手に取っていた。


 差出人は不明。だがその文面には、こう書かれていた。


 


「死んだはずの人間が、昨日私を殺しました。

調査をお願いできますか? 名探偵殿」


 


 羽鳥翔一は、カップに紅茶を注ぎながら、静かに呟いた。


 


「……なるほど。まだ終わってなかったか」


 


 彼は立ち上がる。


 


「死人探偵、出動だ」


 


 夜明けの王都に、新たな事件の足音が響いた。


 


ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。


生死の境界が曖昧なこの世界で、名探偵・羽鳥翔一がどう動くのか。

事件を解決するたびに、「真実」が少しずつ遠ざかるような感覚もありました。


読後、少しだけゾッとして、でもクスッと笑える。

そんな読書体験をお届けできていたら、とても嬉しいです。


また、どこかで彼が“死んだことにされた”誰かと事件を追いかけているかもしれません。


その時は、またページをめくってください。

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