子供を性的に描いた作品を規制して得をするのは誰か
それは勿論、現実に子供を襲うような者達である。あるいは、自身の誤った正義を実行して喜ぶ者達である。つまりは社会的に何ら得は生まない者達が周りに迷惑をかけるだけだ。
何故かというのをこれから解説していく。
第一に、子供を性的に描いた作品を法で規制したところで子供を対象とした性犯罪が減るわけがない。むしろ何故それらに相関関係があると考えるのか不思議である。
アイスクリームを規制すれば熱中症が減ると主張しているようなものである。
車が人気だから「イ二D」が流行ったのだ。
さて、このような言説には「キャプテン翼を見てサッカー選手になった」という話を持ち出して古臭い悪玉論を正当化しようとする者が現れる。
法治国家に住む人間にとって法を無視し、他者の権利を侵害するというのは不可能な行為だ。非合法行為への憧れと合法行為への憧れを一緒くたにして考える人間には、法治国家に住む意味がない。
そういう作品に触れたとたんに順法意識や道徳心が失われ、犯罪を犯す人間ばかりの国でそういう作品を作ったのなら、罪に問われても仕方ないが、日本でそれを主張するのはかなり無理がある。
さて、何故現実に子供を襲う人間が得をするのか。至ってシンプルな理由だ。
法規制を強化したところで警察官は生まれて来てはくれない。警官のリソースがそれらの対応に割かれるようになった時、特をしてしまうのは自身に割かれるリソースが相対的に減った犯罪者達だ。
誤った正義は善人を不当に裁き、悪人を助長させるだけである。昭和の悪書追放運動や、ナチスの退廃芸術論はどれだけの人間に迷惑をかけただろうか。