愚者の恋
◇◇◇
薄汚い私を貴方は美しいと言う
傷だらけで膿だらけの心は
こんなにも歪で醜いのに
薄っぺらい表面を貴方は愛しいという
何も知らない貴方を
私は憐れに思う
貴方が知る私は私の本質では無いけれど
貴方の知る私に私はなりたいと思う
貴方がくれる言葉を私は美しいと思う
真実でも嘘でもいいから
聞いていたいと思う
貴方がくれる優しさを私は愛しいと思う
何度も繰り返す愛の言葉が
ただ一つの光に見える
偽りの愛は温く心地よく
真実はただ痛いだけ
たちまち消えてしまう脆い愛でも
愚かであるがゆえに見ないふりをする
そしてほんの少しの可能性に
しがみついてしまうのだ
全てを曝け出して
闇まで暴いて
それでも貴方が
私を愛してくれないかと
あなたに真実の愛を捧げることを
許されるかもしれないと