映画「フォレスト・ガンプ」は見た方が良い
僕の中の映画オールタイムベスト(歴代一位)作品ナンバーワンは「フォレスト・ガンプ」です。
これは1990年代にヒットしアカデミー賞を総なめにした作品でして。
まあ面白いです。
あらすじをざっくり言うと。
フォレスト・ガンプという軽度の知的障害を持った少年が成長し、数奇な運命に翻弄されながら、波乱の人生を生きていく話です。
全体的に明るくユーモアもあって、生きていくことの楽しさ、悲しさ、辛さをフォレストの視点から描いて行きます。
もう全編が素晴らしく、名場面だらけなんですが。
やっぱり、恋人ジェニーが素晴らしいですね。
ジェニーは知的障害のあるフォレストの幼馴染みで、家族以外では唯一、幼少期のフォレストの味方をしてくれた女の子でした。
いじめられているフォレストを庇ってくれて優しくしてくれるジェニー。
しかし、彼女はやがて大きくなります。
すると、段々とフォレストとは遊ばなくなります。
ジェニーも普通の女の子なんですね。
聖人ではないんです。
だからフォレストのことは好きだけど、彼のために生きることはしないわけです。
フォレストは普通の若者の遊びが出来ませんから。
ジェニーは大学へいき、恋人を作り、そして歌手になるという夢を持ちます。
ですが、人生とはそんなに上手く行くものではなく。
ジェニーは挫折し、徐々に悪い友達と付き合うようになり。
お金のためにヌードになったり、クスリを始めたりします。
フォレストはそんな彼女のことをずっと想い続けます。
離れていても。
手紙を無視されても。
ベトナム戦争に参加し、卓球で英雄になり、母親を亡くし、戦友と海老漁船で大金持ちになり、大成功を納めても。
ずっとずっと、ジェニーのことを想い続けます。
ある日。
ジェニーは突然、フォレストの前に現れます。
ジェニーは人生に疲れた様子で、フォレストに会いに来たのです。
フォレストはジェニーを喜んで受け入れます。
二人は昔と同じように遊び、デートをします。
その途中。
ジェニーとフォレストは昔ジェニーが住んでいた家に立ち寄ります。
かつてジェニーと、彼女の父親が住んでいた家。
ジェニーが父親から虐待を受けていた家。
ジェニーは今は空き家となっているその家に石を投げます。
泣きながら石を投げ続けます。
まるで自分の人生への恨みをぶつけるみたいに。
そして落ちている石がなくなってしまうと。
ジェニーはその場にうずくまって、さらに泣き続けます。
ここはフォレストガンプの中でも屈指の名シーンです。
人生のどうしようもなさ。
過ぎてしまった過去のどうにもならなさ。
その辺りがよく現れてて胸に刺さるんですね。
ちなみにこの映画の名セリフとしてよく使われるのが「人生とはチョコレート箱のようなもの。開けてみるまではわからない」ですが。
いえ、もちろんこれも良いんですが。
個人的にはこのときのジェニーを見たフォレストの言葉。
「投げる石が足りないときもある」
が一番好きです。
しかし実はこのときのジェニーは、フォレストに対して複雑な想いを抱いています。
フォレストに申し訳ない。
今さらどの面下げて会いに来たのか。
立派になったフォレストに比べて、自分はなんて情けないんだ。
そんな様子です。
しかし、フォレストには、そんな彼女の複雑な感情が読み取れません。
とにかくジェニーが帰ってきてくれたことが嬉しくて。
ここで初めて、僕と結婚して欲しいとプロポーズします。
ジェニーはそれを断ります。
フォレストはジェニーが自分を受け入れてくれないことに落胆しますが。
ジェニーは、自分がフォレストと結婚する資格がないと思っています。
これまでフォレストをずっとないがしろにしてきたのに。
自分がうまく行かないからと、フォレストを頼って来た自分には。
この日の夜。
ジェニーとフォレストは初めて結ばれます。
そして次の日の朝。
ジェニーは、フォレストのもとを出ていくのでした。
そして、さらに数年後。
フォレストの元に、ジェニーから一通の手紙が。
会いに来て欲しいと。
ジェニーはウェイトレスをしていました。
クスリをやめ、更正し、自立した女性になっていました。
そして、彼女には子供が出来ていました。
子の名前はフォレスト。
あの子の名前はあの子の父親と同じ名前にした、とジェニーは答えます。
そう。
ジェニーはあの日、フォレストの子供を宿していたんです。
フォレストはそのことに怯えます。
もしもその子が自分と同じように知的障害があったら。
僕はその子に対して責任を果たせるのか。
頭の悪い僕が、立派な父親になれるのか。
そのように感じて混乱します。
そんなフォレストに、ジェニーは告げます。
フォレスト。
私と結婚してください、と。
こうして。
フォレストとジェニーは結婚しました。
しかし。
ジェニーは長年のクスリや荒れた生活がたたり、不治の病に侵されていました。
やがてジェニーは亡くなり。
フォレストは息子のフォレストと暮らしていく、というところで終わります。
いやね。
このジェニーがほんと良いんです。
なんと言うか。
当たり前のヒロインじゃないんです。
弱くて。
ダサくて。
間違ってて。
優しくないところもあって。
とても人間くさいんです。
でもフォレストにはずっと優しくあろうとしてて。
儚くて。
綺麗で。
それでもやっぱり、ヒロインをやってるんです。
本当にこの作品は人生とはどういうものかを教えてくれます。
単純にエンターテイメントとしても素晴らしいですし。
とにかくオススメです。
このレビューでは作品の魅力の百分の一も伝えられてません。
いま思春期のそこのあなた!
絶対に見るべし!
最近また見て感動したので、レビューみたいなものを書いてしまいました。
こういうのが僕の作品に影響してるんだと思います。
僕が今連載中の「チビデブハゲ三重苦の俺が追放されたので最強テイマーになって仕返ししてやろうと思ったけどやっぱり見た目は大事でした」も、こういうロードムービーというか、人間ドラマのような話にしようかな笑。
ヒロインのネメシスはジェニーみたいな面もありますし。
ただ。
ジェニーみたいなヒロイン、このサイトじゃ需要無いだろうなあ!笑