『ヴァンパイア』
日本での1年間、行方不明者数は約85,000人にのぼる。
夜10時過ぎ、会社帰りのサラリーマンがコンビニで買ったビールを飲みながら、1人 公園で愚痴をこぼしていた。
「・・・・ちくしょう。こんなに頑張っているのに、皆、オレを無視しやがって!オレが何をしたっていうんだ? 昔からそうだ。頑張っているのに、人から怒られ、無視され、お前は使えない?勉強できない?はぁ!それは、お前たちの教え方が悪いのだろう!お前らの言葉がよくわからない人だっているんだよ。オレの気持ちなんて これっぽちも考えてないだろ・・・・・・・・ずっと、前から死にたい。生きていたくない。」
男は下を向き泣いていた。
「じゃあ。殺してあげるよ。」
男は、ふと、顔を上げた。そのには、中学生ぐらいの男の子が目の前に立っていた。
「なんだ。子供か。塾の帰りか?帰えんな。じゃまだ。」
「なんだ、お兄さん、死ぬの本気じゃなかったの?」
「・・・お前に殺されるぐらいなら、逆に俺がお前を殺してやるよ。」
男は、ビールを飲みながら歩き始め少年に関わらないようにしようとしたが、
「うざいな。」
その ひと言に男は切れてしまった。
「本当に、こ・・・」
男が少年の方に振り向うとした瞬間、離れていた少年が、正面に周り 腕を 伸ばし首をわしづかみにした。
「ぐぅ。がぁぁ。」
次第に少年が別の何かに変わっていった。
「せっかく、新月の綺麗な夜なのに、お前 耳障りなんだよ。気分がよかったのに、お前が台無しにした。素直に殺してくださいって言えば、楽に殺してやったのに。さぁ、苦しめ。」
目が真紅に光り、妖しく放つ口元から牙が見えた。
そう、少年の姿をしたヴァンパイアだった。
ゆっくりと首がしまっていく、じわりじわりと、苦しむ姿に微笑むヴァンパイア
めり込んでいく爪から指から男の滲んでくる血をゆっくりと指が吸い始めた。
ドカ、ドカ!「がぁ、がぁ、や…」
暴れ騒ぐ男だが、びくともしない。だだ、ゆっくりと血を吸うのを楽しんでいる。
「あはは、本当にお前の血は、薄いなぁ。お前の人生そのものじゃないか。お前の薄っぺらい記憶が、私の中に入ってくるぞ。あはは・・・」
ヴァンパイアは、少年の声で、男の耳元でささやいた。
「よかったな。望み通りに死ねて。楽しもうと思ったが、お前じゃダメだ。すぐに読み終えてしまう。私の血の本となれ。」
そう言うと、ヴァンパイアは腕に力をいれた。
腕の血管が太く浮き出てくる。
一気に男の生気が失われ、ひからびたミイラのようになった。
「・・・・・・」
ヴァンパイアは余韻も残さずに、ひからびた男を宙に軽々と放り投げた。
宙に舞う男だった者が突然、漆黒の炎に包まれ、焼かれた。
焼かれた者は、地面に落ちる前に燃え尽き灰になり、風に舞い、完全に消えた。
「あはははは、闇の住人の機嫌を悪くするから、こうなるのだ。」
そこには、もう少年のヴァンパイアの姿は無く、
新たに、先ほど吸われた男の姿のヴァンパイアがいた。
ヴァンパイアは人間の血を吸い、吸われた人 そのものに変化する。
元の自分の姿なんて、記憶の本の奥の奥、深き闇よりも深く眠っている。
「しかたないが、2、3年は、この姿で人の世を、夜を楽しむとしよう。
まったく、こいつの本(血の記憶)は、私が持っている本の中でも、薄すぎて、読み返す気もおきぬわ。」
日本での1年間、行方不明者数は約85,000人にのぼる。
しかし、そのほとんど99%以上は見つかっている。死体となっても。
だが、実際に1%未満の人は見つかっていない。
読んでいただきありがとうございます。
Twitterトレンドの『ヴァンパイア』で妄想いたしました。
王道だけに、どうしようかと思ったけどね。
『ヴァンパイア』イイ歌ですよね。かわいい~!
あたしヴァンパイアまずはこっちおいで
行く、行く~w
それから、ヴァンパイアって行ったらヘルシング、実写化ですね。楽しみです。( *´艸`)
3部構成で外伝ぐらいやってくれw
1部 ドバルカインまでで、
2部 リップヴァーンまでで、
3部 最後までw
外伝は、由美子達だなぁ~
あ、また妄想癖が……
それでは、またお会いいたしましょう。(._.)ペコッ