サブタイって何?
ゲロの裏側。
「めっちゃ吐いてる」
「あんまりそういう事、言わない方がイイよ?アカリちゃんだって女の子なんだからさ」
「あなたには関係ない」
「冷たーい。シャルたん泣きそー」
「あ、はい」
「ツィオーネさ〜ん」
「あらあら」
「アカリちゃんが冷たいですー」
「それは、アナタの彼女へ対する愛が足りていないからよ?」
「へっ?」
「彼女を愛しなさい。そして、伝えるのです―――愛していると」
「それは、ちょっと・・・違う気が」
「甘い!お菓子よりも甘く愛よりも苦いわ!」
「ツ、ツィオーネさん・・・?」
「そう、それはまるでビターなチョコレート・・・」
「は、はぁ・・・まー、良く分かんないですけど」
「ならば教えるしかありませんね!」
「物凄い力でガッシリと肩を掴まれた私は、その強大な力を前に何の抵抗も出来ず、ただひたすらにビターでスイーツな彼女の世界観を三倍速ばりの早口で聞かされるのであった」
「解説、おつ」
その後。
「―――っと、それが愛なのです。分かりましたか?」
「感動しました!」
「ご理解頂けて感謝感謝ね」
「それでは行きましょ。そろそろ開会の花火が上がる頃です」
「待ちなさい」
「・・・まだ何か?」
「勿論です。もう忘れたの?私が愛について語ったのはアナタに愛を口にしてほしかったからよ?」
「ただ単に語りたかっただけでは・・・?」
「言い訳は耳障りよ!」
「えぇー・・・」
「さぁ、言ってちょうだい!愛のささやきを!」
「・・・あ、アカリちゃん、愛してる」
「その恥じらいが素晴らしい!さぁ、次よ!」
「次って何ですか・・・?」
「女の子はもうひとり居るでしょ?」
「くっ・・・」
「勇気を出して。恥ずかしいのは最初だけ」
「・・・あなたも愛してる」
「ぶっきらぼうな感じも中々良いわよ!」
「もう勘弁して下さい・・・」
「何言ってるの?まだよ?」
「まさか・・・」
「それはさせない」
「これはシャルの問題なの。横入りは止してもらえる?」
「だめ」
「なんて強情な―――はっ!なるほど、そういう事ね!」
「?」
「あらあら、分からないフリなんてしちゃって、可愛いわ」
「どうしたの?」
「アカリちゃん、気にしなくてイイよ。いつもの病気が出ただけだから」
「???」
火の国の王。