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私のベースとあのこのギターは夢をみる  作者: べるりーふ
第一章
4/6

ベースとギターで飽きるまで語り合おう!

「ねえ実羽歌、楽器ってこんなに高いの?」

「うーん、そうみたいだね......」


 壁に掛けられているギターやベースの値札は、私が想像していた以上の数字が書かれていた。

 安くても3万円、一番高いのだと60万円もするベースがある。なんかよくわかんない英語まで書かれてるし......。

 今の私じゃ一番安いのでさえ買えるようなお金は持ってないし、何よりこれから一人暮らしをする分いきなりそんな大金払えるような余裕もない。

 萌路の前で堂々と軽音部に入る、なんて言っちゃったけど、大丈夫かな? 何か今になって誘ったのも申し訳なくなっちゃった......。


「サークル入ったら楽器もらえるなんてこと、流石にないよね?」

「うん、ないと思う」


 確かお姉ちゃんは自分で楽器買ったって言ってたはず。あのベースがいくらするのかは聞いてないけど、きっとすごい高かったんだろうな......。

 これは早い段階からアルバイト探した方がいいのかもしれない。バイト経験は無いけど、早くもきっかけが出来たんだし、特に4月ともなると新一年生の募集をかけるお店が出てくると思うから、善は急げだよね。


「実羽歌、こんなのあるみたいだよ」

「えっ、なになに?」


 萌路が私にスマホの画面を見せながらそう言ってきた。画面には幾つものギターが並んでいて、スライドした分だけでも40本以上はあるかな?


「中古商品扱ってるサイトみたいなんだけど、これだと結構安く買えるんじゃないかな?」

「どれどれ......」


 商品を一つ一つ見ていくと、こっちにも値札に書かれていたよくわかんない英語が書いてあった。これ何だろう、メーカーなのかな? 同じ楽器でも細かい種類があって、みんなそれぞれ名前があるってこと?

 普段音楽を聴かないわけではないけど、楽器の細かい種類について調べたことなかったし、お姉ちゃんが弾いてる動画初めて見たときも、ベースとギターの区別が分からなかったくらいだし......。


 やりたい気持ちはあるけど、私、全然楽器のことわかってない!?


「えっと......、実羽歌?」


 萌路が心配そうに私の顔を覗いてきた。誘った側の私が知識全然なくて、変に思われたらどうしよう。てか、萌路の方が私より詳しかったらどうしよう......!


「その、萌路......」

「うん?」

「萌路のこと誘っといて申し訳ないんだけど......、実は私楽器のことあんまり知らなくて......」

「......」


 正直かなり軽い気持ちで入ってしまったから、いざ楽器を目の前にすると何が何だかわかんなくなっていた。こんな所でも後先考えない性格が出てしまうなんて......。萌路に申し訳が立たない。


「そうだったんだ~。でも、これからどんどん知っていけばいいんだよ~」

「えっ?」

「私も実羽歌に誘われるまで、どのサークルに入ろうか迷ってたんだよ。楽器の事なんて何一つわかんないし」

「萌路......」

「楽器のこと知らなくても、楽器やってみたいって気持ちは大事だと思うよ! それに、誰だって最初は何も知らない状態からなんだし、気にすることないんじゃないかな?」

「......」


 いいこだ......。よく出来た子だ......。


「そう、だね! うん、これからだよ! 私ベース頑張るよ!」


 思わず萌路の優しさに感動してしまったけど、萌路は何の楽器やりたいとかってあるのかな? どの楽器も高いから大変そうだけど......。


「べーす......?」


 私がベースと言ったのを聞き逃さなかった萌路は首を傾げ、キョトンとしている。


「あれ? もしかして、ベースわかんない感じ?」

「う、うん。ベースってどこにあるの?」

「すぐ目の前にあるんだけど......」


 壁に掛けられている色とりどりのベースを指さして、萌路に教える。すると萌路はさらに首を傾げて......、


 「これって、ギターじゃないの?」


 いつだったかの私と同じようなことを萌路は言った。やっぱり、ベースとギターって似てるよね。

 萌路が中古品サイトで検索してたの、ギターだったもんね。その時は特に気に留めてなかったけど。


 とにかく、今は私の知っている範囲でベースという楽器の説明をしようかな。

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