終:やすらかなひだまりに抱かれて
――夢を見ていた気がする。
懐かしい夢だ。
ただ、それほど昔でもない。
けして良い夢ではないのだけれど、思い出すと苦笑が浮かんでしまう程度には、思い出として整理がつけられていた。そのくらいの時間だ。
でも、もっと昔のことに感じられるのは、きっと以前と生活の在り方が変わってしまったから、感覚がずれてしまったからかもしれない。
青年はまぶたを開く。縁側に腰掛けている身体を、春の日差しが心地よく包み込んでいた。
微睡みながら、眼を細めて陽を仰ぐ。暖かな陽光に身を委ねて、ああ、なるほど、と思う。こんなに良い天気なのだから、眠ってしまうのも道理だ。今もほら、ちょっと気を抜くと、また夢の世界に旅立ちそうになってしまう。
それを遮ったのは、これもまた愛おしい日だまりだった。
「兄さん、そんな所でいつまでも寝ていないでください。お薬の時間じゃないんですか?」
そういえば、もうそんな時間だったか。すっかり、時間の感覚が曖昧になっていた。もっとも、それでもいいか、と青年は割り切っていた。自分にはこんなにしっかりとした妹がいるのだから、朝と昼と晩、その区別さえつけば上等ではないか。
ただ困ったことに、朝に食べ過ぎたものだから、どうにも昼を食べようという気分にはならない。どうしたものか、という心情を、青年の表情の変化だけ理解したのか、妹は仕方ないと笑った。
「お茶菓子をお持ちします。胃に何もはいってないよりは良いですよね」
ほどなくして、お茶菓子と茶碗がふたつ載ったお盆を持って、妹が青年の隣に腰掛けた。
青年は妹に礼をいうと、お茶菓子を手に取る。桜の花弁を模した綺麗な菓子だった。それを見て、この辺りには桜の木が残っていたことを思い出す。どうせ暇なのだから、花見にでも出かけるのは、妙案かもしれない。苦労ばかりかけているから、たまには、妹にも娯楽を提供してやりたいところでもあった。そんなことを考えていたら、手にしたお茶菓子の控えめな桜の芳香が鼻腔をくすぐった。
おっと、と青年は思索を切り上げて、お茶菓子に口をつけようとする。昔のくせでぼうっとしていたら――
ぽとり、と間抜けな音を立てて、桜のお茶菓子は縁側に落ちてしまった。青年の手から抜け落ちたのだ。そのお茶菓子を諦観した表情で見つめる青年とは裏腹に、傍らの妹の横顔には哀しげな色が差した。
「すいません、今替えを持ってきます」
青年はゆるく頭を振って断ると、落ちたお茶菓子を拾って一口で頬張った。
妹は、言葉なく青年を案じる。当の彼はというと、妹ほど悲壮な面持ちではなかった。自らの両手を見下ろす顔には、どちらかというと、笑みの方が目立った。それは、自嘲といわれる類のものであったが。
そんなふたりへ影が落ちる。青年が頭を上げると、日を遮っているのは見慣れた女性たちだった。
目の前の庭に立っている女性はふたりいて、髪を両尾に結んでいる小柄な少女は妹の前におり、もうひとりは青年の前にいた。太陽の光を浴びた、まばゆい金の御髪を持った女性だ。後頭部で結んだ長髪は、半ば程で癖によりふたつに別れていて、それがまるで翼を思わせる。金色の輝きを背にする姿は、宗教が神道の青年でも天使といわれれば信じてしまいそうだった。
ふたりとも、懐かしい顔だ。いや、云うほど離れていたわけではないし、ふたりは忙しいなか度々ここに足を運んできてくれているのだが、一時期ずっと一緒だったものだから、どうにも感慨深くなってしまうのだ。
青年は、自嘲から歓迎の笑みへと表情を変える。そして、ふたりの名前を胸の底からゆっくりと吐きだした。
「レムリア、雷華、久しぶりだな」
人の名前が己の喉を震わせることが、どうにも新鮮だった。今の青年――陵 千歳が私生活で接する人物は決まっていて、そもそも行動範囲も狭いものだから、その名前すら呼ぶ機会が少なかったのである。
金髪の女性、レムリアは千歳に会釈を返さず、その両手を見つめる。礼儀も何もなく、ぶしつけにレムリアは千歳に問い掛けた。
「手は、まだダメなの?」
「ああ、ダメだね、これが。どうにも思い通りに動かないんだ。箸なんかをな、使う時は特に苦労するんだ。今じゃ、フォークの方が愛用品だよ。まるで、爺さんみたいだろう」
本人は冗談でいったのつもりだったが、どうにも、周囲の反応は芳しくなかった。慌てて千歳は声を上げる。
「そう深刻になるなよ。ちょっと物が掴みにくくなっただけだ。医者だって、投薬を続けていれば治るって云っているじゃないか」
「治るかも、でしょう」
「そうだけど、治らない、よりマシじゃないか。裂夜に世話をかけるのだけは、心苦しいわけなんだが」
「いえ、別に、わたしは好きでやっていることですから」
隣にいた妹の裂夜が、千歳の憂慮は無用だと言い切る。千歳としては、こうやって嫌な顔ひとつされずに案じられてしまうからこそ、裂夜を束縛しているのではないかと心配になるのだが、今は口に出すことをやめておいた。
太陽内での決戦は、千歳の身体に後遺症を残した。
脱水症状が続いた中での過度な運動、異常に加熱された空間、そして熱せられたコクピットで焼かれた身体。最悪の状況下における極限状態での活動は、唯の人である千歳にとっては重大な負担だった。
結果として、千歳は手首から先に損傷を与えられた。握力の異常低下、突発的な指先の感覚喪失などが残り、あれから一年以上経過した現在でも完治していない。障害の原因は神経系が主な原因とされており、手先のこと以外にも、全身の痙攣、目眩などに襲われることもある。
日常生活を送る分には支障はない。ただ、パイロットを続けることは絶望的だった。
「まあ、ちょっと長い休暇だと思って気楽に治すさ。それで、今日はふたりともどうしたんだ。まさか俺の見舞いのためにこんな田舎くんだりまで足を運んでくれたわけじゃないだろう」
「そうだと云ったら?」
「反応に困るな」
「なら存分に困ると良い」
困惑する様を笑みを浮かべて眺めるレムリアに、千歳は居心地の悪さを感じて雷華の方へと視線を逃がした。
「それで、結局どうなんだ」
「アンタんとこの妖怪に用があったのよ」
「誰が妖怪じゃ誰が」
雷華が短い悲鳴をあげた。目の前に逆さづりの日本人形が降りてきたのだ。長い銀髪の、着物を着込んだ、白い肌の日本人形。
落ち着いて見てみると、それは一四歳ほどの生きた少女だった。ただし、実年齢と外見は、まったく比例しないのだが。
花弁をあしらった着物の少女に、雷華は声を上げて抗議した。
「ちょっと、驚くでしょうが。もっとマシな登場の仕方をしなさいよ。そもそも、なんで屋根から出てくるのよ」
「昼寝には絶好の場所なのじゃよ。偶に寝返りで転がり落ちるのはご愛敬じゃな」
「それよりも」裂夜が低い声でいった。「前が見えないので早急に退去願いたいのですが」
「む?」と那殊は逆さにぶら下がったまま、器用にも首をかしげて見せた。そこだけ重力が逆さになっているようだったが、髪の毛は地面にむけて滝のように流れているのだから不思議なものだ。
「おお、すまん。おったのか、裂夜」
「ええ、おりましたとも。さあ、早くどいてください。はっきりと申し上げて邪魔です。不快です」
急にへそを曲げだした裂夜の発する気配は察しているだろうに、那殊の態度といったら暢気なものだった。むしろ、裂夜の態度を楽しんでいるらしく、意地悪な猫のような笑みを浮かべている。もっとも、裂夜からは後頭部しか伺えないのだが。
「ここを立ち退いて欲しくば、云うことはひとつじゃな。ほれ、いってみるがよい」
「なんの話ですか」
「わかっておるくせに。いわぬというなら、それもまたよし。妾は妾で好きにさせてもらおうではないか」
那殊が振り子のように左右に揺れだした。那殊の頭が揺れる度に長い銀髪が裂夜の顔を撫でて、怒りの火に油を注いでいく。眉間に皺をよせて、表情をけわしくした裂夜が、今にも掴んで引きずり降ろそうとしかねない勢いで那殊の後頭部を睨み付けた。
「どいてください」
「さて、なんの話かの」
「どきなさい」
「聞こえんなあ」
「どけ!」
「断る!」
ついに裂夜の怒りがピークに達した。盆に載せられた茶碗をひっくり返す勢いで立ち上がった裂夜は、那殊の頭を両手で掴むと、耳元で叫んだ。
「ど、い、て、く、だ、さ、い、母上!」
危うく雷華を巻き込みそうに成りながらずるりと那殊が屋根から滑り落ちた。目尻に涙を浮かべながら両耳を抑えた那殊は、声を震わせながら裂夜に不満をぶつける。
「び、びっくりしたではないかーっ! 今のは反則じゃぞっ」
「知ったことですか、まったく。そんなことより、雷華姉さんの用を早く済ませてください。唯一の取り柄なんですから」
「冷たい……裂夜が冷たい。これはどうしたものかの、千歳。反抗期か」
「俺が知るか」
千歳は肩を竦めて、お茶碗を両手で慎重に持って白湯を口に運んだ。熱い湯は自然な甘みを伴って舌を滑り、胃へと落ちていく。胸を中心にして広がる白湯の温かさに、千歳が一息ついていると、雷華が那殊の首根っこを掴んで縁側に上がっていた。
「ほら、早く仕事してもらおうじゃないの。アンタには技術顧問兼鬼獣生態研究家兼よろず屋っていう大事な仕事があるんだから。サボってばっかみたいだから活を入れてやるわよ」
「ようは便利屋ってことじゃろう。最後のとか隠す気ゼロではないか。妾には家族団欒という大事な仕事があるのじゃがな」
千歳は白湯を口にしながら頷く。うむ、今日も平和だ。
――式神那殊。
その正体に千歳が驚愕したのも、もう懐かしく感じる。
正体、といっても。大それたものではない。彼女が変わるわけでも、接し方に変化があるわけでもない。ただただ、驚いた。それだけだった。
裂夜の母の話をした方が早いだろう。千歳の母が代理出産で生んだのが裂夜だ。そして、その卵子を提供したのが那殊であった。つまり、裂夜は人間と式神のハーフなのである。おそらく、母体に過度の負担がかかったのもこれが原因であろう。――もういい、これは過ぎたことだ。当の昔に、千歳も踏ん切りをつけていた。
通常、人と式神が子を成すことは可能である。なのに何故、代理出産になったのかは那殊の身体に原因があった。彼女の得意とする能力は時間の操作であるが、その副作用として身体の成長が停止しているのだ。そのせいで排卵がなく、よって妊娠することはできない。この特性故に、食物を摂取する必要もないのだという。とはいっても味覚はあるので、好きこのんで裂夜の料理を食べているが。
それを教えられてから考えてみると、確かに心当たりもある。裂夜の異常な能力もそうだが、何年も昔、まだ千歳が那殊と祠で話していた頃、何故か千歳が教えるよりも前に那殊が裂夜の名を口にしていた――ような気もする。
千歳も那殊のことは叔母と呼んだ方が良いのだろうが、それはあまりにも複雑な心境になるのでやめておいた。どちらにせよ、那殊は那殊で、裂夜もかけがえのない妹だ。裂夜もお母さんと母上、で呼び分けていることだし、千歳も母さんと那殊、は分けて考えることにしていた。
「あ、それと、千歳」
那殊を連行していこうとする雷華が、振り返る。
「なんだかんだで元気そうで安心したわ。とっととそんな怪我、完治させちゃいなさいよね。アンタが大人しく燻ってるなんて調子狂うし」
「ああ、わかったよ。努力する」
前と変わらぬ、あけすけとした物言いが嬉しくて、千歳は楽しげに応える。
ぶっきらぼうに言葉を投げた雷華をレムリアは生暖かい目で眺めていた。
「素直じゃないなあ」
「うっさいわねー。いいのよ別に。元気そうで安心したから。今はそれでいいの!」
「あ、そうじゃ」
那殊が雷華に引きずられている奇妙な体勢でレムリアを指刺した。
「お主、あまり千歳と親密になるでないぞ。というか、さっきから何か解り合ってるオーラ出し過ぎじゃ。しっしっ」
「変なこと云ってないで仕事するわよー」
廊下の向こうへと雷華に連行されていく那殊を、千歳は頭痛を堪えるようにこめかみに手を当てながら見送った。
「やれやれ。そんなんじゃないんだがな」
「ねえ」
苦笑いをして、レムリアは千歳に同意した。千歳はその笑みにからかうような色も感じたのだが、特に気には止めなかった。
「そうだ、レムリアさん。お昼は済ませましたか?」
「ううん、まだ」
「じゃあ、雷華姉さんもまだですよね。せっかくだから、召し上がっていってください。今、用意しますから」
「ああ、それなら手伝う」
「え、いいですよ。お客様ですから」
「気にしなくていい。どうせ、ここにいてもこの男の茶飲み相手しかすることもないから」
「それは退屈ですね。わかりました、ではよろしくお願いします」
「お前達、今、さり気なく酷いことを云わなかったか」
ふたりに気のせいだろうといわれてしまい、千歳は不服だと唸りながら白湯をすすった。
裂夜もレムリアも台所のある部屋へと歩いて行ってしまい、千歳はまた縁側でひとりになった。小鳥の声がどこからか届き、鼓膜を優しく震わせる。
環境が変わってしまっても、適応した動物はこうして変わらず生きている。人間も同じだ。ギルトとの戦いで、人もまた新たな環境に適応しなければならないと理解した。親玉を斃すと同時にギルトが崩壊し、もうその驚異が取り除かれたとしても、それは変わらない。新たに人間は、鬼人との共存といった道を歩むことになったのだから。
鬼人たちは、かつてギルトに滅ぼされた平行世界の生き残りだった。彼らは幾多の世界を旅し、ギルトを迎え撃とうとした。だが、それらは総て失敗だったのだ。協力しようとした時も、相互理解が間に合わず、人とは別れて応戦しても失敗し、結果、その世界の人類を滅ぼし、世界を〈鬼獣〉たちの技術で完全に武装して迎え撃つという強硬手段を決行した。だが、もうその必要はない。これからは、争う必要はないのだ。
そんな世の中の変化を表す例が那殊だ。
彼女の現在の仕事は、科学技術への貢献である。鬼人は脳が異常発達しており、その頭脳はこの世界のあらゆるコンピュータを凌駕する。その能力を利用して、傷ついた世界の復旧作業、新素材の開発、皇ヶ院がもってくるあらゆる依頼を秘密裏にこなしている。それが少しでも罪滅ぼしにでもなればと願うように。表面上は怠けているが、その作業効率は確かなようだ。もっとも、彼女の犯してきたことは許し難いことであり、今も那殊の存在は世間に認知されていない。那殊によって命を奪われた者達の数は計り知れない。そのほとんどを、千歳も知っている人たちだ。さらにそれらは、千歳のために殺されたようなものだった。千歳自身が望んだことではなくとも。
つまるところ、責任をとることができずに、逃げているのだ。那殊も千歳も。那殊が今していることで救われる人は大勢いるだろうが、失われたものが戻ることはあり得ない。
いずれ、もっと正当なる裁きが下ることがあるのだろう。
それに、鬼人と人――そう簡単に手を取り合うことができないのも人のサガである。一年以上経っても、人の世は物議を醸している。さらに今度は人同士の戦争もおこってくるだろう。平和の世は簡単に訪れてくれない。これからも、戦いだ。
でも、今だけは、少しだけ、ゆっくりと休ませて欲しいと千歳は願う。彼女たちの笑顔が、どうか曇りませんように。この穏やかな日々が、できるだけ長く続いてくれますように。
流れていく雲を千歳が眺めていると、目の端をたなびく何かが横切った。それがなんであるか理解して、面倒そうに吐きだした。
「やれやれ、気が早いな」
それとも、自分の気が長すぎただけなのかもしれない。そう溜息をひとつ吐いて、千歳は剣道場へと向かった。
剣道場は、いつでも静かだ。神聖だ。この自然と背筋が伸びてしまう空気は、今も健在だった。
そして当然、剣道場には千歳ひとり――ではなかった。
先客がひとり、剣道場の奥に立っていた。掛け軸を背にしているのは、紅い獅子のような鬣を持った青年だ。赤い眼、赤銅の肌、それは全身で炎を体現している鬼人だった。
「決着をつけにきた。異論は?」
「ない、な」
「相変わらず万全ではないようだが」
「気にするな。丁度良いハンデだ」
壁に掛かった木刀から、千歳は一番扱い易い長さの得物を選ぶ。刀なら刃渡り二尺三寸といったところか。
「負けっぱなしは趣味じゃないんでな。こんな怪我、物の数じゃない」
千歳は神蛇侘に木刀の切っ先を突き付ける。
「その度胸だけはかってやる」
神蛇侘は腰を低くして、拳を構える。日本拳法の構えによく似ていた。
「そうかい。
――飯の前に、決着をつけさせてもらうぞ」
もし、お茶菓子ではなく昼餉を食べていたら、きっと動き難かっただろう。食後の運動で身体が痛む、そんな弱い鍛え方はしていないが、目の前の相手と鎬を削ろうと思うのなら、わずかな慢心が命取りだ。すると、千歳は最初からこの戦いを予期していたのかもしれない。
戦いのゴングを鳴らしたのは、小鳥の一鳴き。それを合図にふたりは動く。
どこかに機械が眠っている。役目を終えて、静かに眠っている。自分は人ではなく、人の世を動かすのは常に人でなくてはならないのだから、こうして眠るのは必然だった。
自分が戦うようなことは、もうなければ良いものだが。そう機械は唸る。
ただ、戦いがあるというなら、それもまたよし。必要とされれば、答えよう。それが、自分の宿命なのだろうから。
――さて、しかし、〈天斬〉はしばらくは自分の出番はないように思えた。
ならば、人目を憚って外に出ることもできぬ自分にできることといえば、優しい姉のことを心配してやることくらいのものだ。
自分と違って、人の血が流れているのだから、真っ当な人生を歩んで欲しいものではあるが。
物言わぬ機械の巨人が抱く願いも、結局のところ、そんなものだった。
人は欲望の塊である。我欲の塊であり、我執の権化である。
それでも、希望に変えて掴みとれる者もいる。
あとは彼らの可能性に総てを委ねるのみだ――。
無事完結致しました。ここまで目を通して頂き、本当にありがとうございます。
話が長くなってしまったために、打ち切り風味な終わり方になってしまいましたが、それでも文章だけ見るとそこそこ量があるので、こんなものでよかったのかもしれません。
出番がなくなってしまったキャラクター、日の目を見ることなくお蔵入りしてしまったキャラクター、などもいたりしますが、そういう不甲斐ないところは次回に生かしたいと思います。アリスとイリス再登場とか、ダブルヒーロー系にするだとか、ものの見事に頓挫しました。
というか、キャラクター増えすぎですね。男女比率も少しおかしくなってますし。もう少し男臭い話にするつもりだったんですが。軍人主人公、ということで興味を持たれた方には、途中からの展開は拍子抜けだったかもしれません。もっとミリタリーなことに蔵志を深めておくべきでした。
後半は章ごとにタイトルの付け方に法則性を持たせたり、思いついたことをちょこっと試したりとしていましたが、気づいていた人がどれだけいたかは謎。
後書きも長くなってしまいました。ここまでおつきあい頂き、重ね重ねありがとうございました。私生活が慌ただしくなっている人は、健康に気をつけてください。それでは。