8話目 だから今は突風が吹いて行けないってばぁぁぁ
「行っちゃいましたね。慌ただしいおっきなにゃんこさんでしたね。」
「まぁ、私は好きよ。時は金なり。自分の求める物に突き進む姿は美しいわ。」
「私、kiちゃんから例の匂いを感じたの。」
「えっ、kiちゃん臭ったの。ちゃんと綺麗にしていると思うけど。一応、女性だし。」
「違うわよ、考え方と言うか行動が似ているということよ。
何か焦っている感じがして。」
「やっぱ汗臭かったの。今日は取材に忙しく走り回っていたかもしれないしね。」
「だから、頭から臭いを追い出してよ。」
「臭いは鼻で感じるものよね。」
「わざとでしょ。」
「わかった。」
「そこまで無理なボケを連発するとさすがに・・・・・。」
「まぁ、男がいないことに焦っていると言いたいのかもしれないけど、それは一生懸命生きている証だと思うよ。
こうなりたいけど、うまくいかない、こうしてみたけど、やっぱりうまくいかない。
その生きるためのもがきは、価値観の違う者から見ると滑稽だけど、本人たちは真剣で一生懸命なのよ。」
「その一生懸命さの方向が、なんか、駄女神様、カロリーナさんと同じ匂いなんだよね。」
「確かにその系統よね。男命。それも普段から隠していないし。
そして焦りまくって、空回り。」
「でもこのままだと、kiちゃんも先達に倣って、略奪愛。」
「略奪というよりも、ニシキヘビのようにがんじ搦めにして、有無を言わさず腹の中に取り込むような感じですね。」
「あの執念深さは確かに蛇ね。」
「蛇の道は蛇と言うよ。kiちゃんもご多分に漏れずということでしょうか。」
「まぁ、平和でいいじゃない。男のケツを追いかけるぐらい。そうしないと、いい男は掴まえられないかも。」
「最高司祭様は男よりも銭ですか。」
「金を持っていて、私に貢いでくれる若い男が最高なんだけど。」
「そんな男がいたら、私にも紹介してください。」
「高いわよ、紹介料。」
「イケメンで、金持ちで、貢君であれば最高ね。」
「アラナ信徒も貢君募集ですか。」
「当然だよ。」
「私と同じだわ。さすが守銭奴教の信徒。ただ、男のケツを追いかけているわけではないのね。」
「私のケツを追いかけさせる方が良いですわ。
えっ、ちょっとまって、私は何んて言うことを口走っているの。」
「それにしてもkiちゃんはこれから、風の聖地に行くっててたけど、あの突風をどうやって抜けるのかしら。」
「kiちゃんたちにとっては、大した問題じゃないんじゃない。」
「あの激しい突風を突破することが大したことじゃないって言うの。」
「まだ、私も突風のすごさを見ていないけどね。
特一風見鶏も使わずに、人類領からエルフ領に来たこと、その前に、人類領で活動していてどうしてエルフ領のことを、豹族のことを知っているのかも、不思議な事ね。」
「シュウ君に聞いたとか。」
「絶対とは言えないけど、kiちゃんたちとシュウ君って接点はないと思うの。
シュウ君は基本エルフ領の様々なことに掛かりっきりだし、たまに人類領に戻っても基地に引きこもっているし。
私たちもエルフ領のことを聞いたのは先週が初めてだったし。
人類領ではエルフ領のことを、今、知っているのは旅団の人間だけなはずだし。
人類領では旅団以外に広めないように、死神さんに釘を刺されているから、それに逆らってまで外に情報を漏らすメリットもないのよねぇ。
死神に逆らうなんて、どんだけ肝が据わっていないとできない事か。
その上、大魔王まで付いているし。」
「そうしたら、どうやってエルフ領の情報を知って、ここに移動してきたのかしら。」
「まぁ、その点はkiちゃんに聞くしかないけど、彼女たちが所属している国はそのことを私たちに伝えることを禁止しているようなことを言っていたわよ。
だから気にしないで、そんなものだと思っていれば、きっと、皆、平和だと思うわ。
ひと儲けするために、国家機密を探って、危険な目に会いたくないしね。
それよりもこの豪華絢爛ほにゃららや越後屋ショッピングパークを正規に運用して、ぼろもうけした方がいいと思うの。」
「わかったわ、あれこれ彼女のことは詮索しないわ。」
「それでいいと思うよ。私たちには私たちのやるべきことがあるんだし。」
「そうよね、私はこの風の聖地突風待機施設がエルフ族と豹族の巡礼者で溢れて、そして、ここに来たことに満足して帰ってくれるようにしたいと思うわ。」
「ちょっと待って、儲けはどこ行ったの、お客様を満足させることが一番だけど、タダではだめよ。
満足の対価はきちんと支払ってもらわないと、貨幣経済が崩れるわよ。」
「もちろん、儲けもいただきます。」
「さぁ、巡礼者のお客様が満足して帰っていただく越後屋ショッピングパークにするために、私も一度、風の聖地を見てこなきゃね。
巡礼者の目的は風の聖地なんだから、そこの状況を知らないで、満足なサービスを提供することはできないわよ。」
「そうだね。まずは風の聖地を訪ねてみたほうがいいわね。」
「それじゃぁ、案内してくれる。」
「ムリ。絶対無理。」
「えっ、私を連れていけないって所なの。
入場料を取るために強面の自由業の方がすでに縄張りにしているとか、2人の邪魔をするなと駄女神さんが口から火炎放射をまき散らすとか、何か行かない方がいい理由でもあるの。」
「そう言うなじゃなくて、今はいけないの。」
「なぜ? 」
「突風が強くて、前に進めないどころか、飛ばされて、信じられないほど遠くに飛ばされるから。」
「えっ、そうなの。じゃっ、kiちゃんたちが危ないんじゃないの。」
「えっ、そこに戻るの、さっきの話は何だったの。」
「そんなすごい突風だとは思わなかったから、何か壊れない傘を盾にしてなんとか進むのかと思った。
その傘みたいなものが秘密かなって。」
「かなって、」
「何かいつも形のあるものは回収していくのよねぇ、彼女たちは。
この間も慰労会をやったんだけど、鍋やお皿はもちろん、お玉や箸、ホークなんてものまで全部回収していったんだから。
犬族のKさんなんて、そう言う食べ物以外で忘れ物がないか地面を嗅ぎまわっていたのよ、這いつくばってね。」
「へぇ~、徹底しているんだ。ケチなの。」
「その割に食べるものついては珍しいというか見たことのない食材や料理、お菓子なんかを平気でバンバンか出してくるのよねぇ。」
「へぇ~、ケチなわけでもないんだ。」
「とにかく、後々、残りそうなものは徹底的に引き上げるのよねぇ。」
「そのkiちゃんの国の料理やお菓子を越後屋ショッピングパークのお土産屋さんで出せないかしら。
人類もエルフ族も知らない、おいしいお菓子、謎のお土産。
きっと売れると思うんだけど。」
「なるほど。それは良いわね。試食でもらったトウキョウばななと言うお菓子も絶品だったわ。
よし、それもお土産に加えよう。まずは仕入ね。
直ぐ、kiちゃんを追いかけなきゃ。
今すぐ、風の聖地に行きましよう、アラナ信徒。早く。」
「だから今は突風が吹いて行けないってばぁぁぁ。」
取り敢えず完
P.S.
「また、お会いしましょうね。それまで稼ぎまくります。」越後屋
「次回、お会いするまでには、守銭奴教の初級司祭となっていますね。」アラナ
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。
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よろしくお願いします。
もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします
この物語「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の外伝になります。
第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。
「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」
の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。
「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。
もう一つの「 アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。
この物語では越後屋さんとアラナちゃんの風の聖地突風待機施設の建設物語を楽しみください。
また、この物語は今後の展開とあまり関係がありません。
ゆるりとした気持ち、生暖かい目で見守ってあげてくださいね。
1日1話更新しています。
10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。
この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。
「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。