7話目 これから風の聖地に行って、その王子様に突撃してくるわ
「あれ、kiちゃんじゃない、こんにちは、こんな所でどうしたの。」
「なんかものすごい音と土煙が上がったので、隕石でも降って来たのかと思って様子を見に来たの。
みんな無事ですか、にゃん」
「あっ、あれね、あれは私がここでこの待合所を建立するために整地した時に出たものだと思うの。」
「そうだったんだ、隕石が落ちて、クレーターができたのかと思ったわよ。
しかし、この待合所って随分立派ね、何か、教会みたいですね、にゃん」
「ああっ、これは友達の故郷のソンバトと言う町の教会をそのまままねて作ったの、
でも中身は、転移魔法陣の部屋と待合所、仮眠室、食堂、売店をやる予定なので、礼拝堂や懺悔室なんかはないわよ。」
「で、こんな荒野の真ん中にこんな立派なものを作ってどうするんですか、にゃん」
「あの向こうで、突風が吹き続けているところがみえるかなぁ。」
「ああっ、あの小石がたまに転がっているところですか、にゃん」
「そっ、そっ、実はあの先に風の聖地と言うところをシュウ君たちが発見したのよ。
そこには礼拝堂らしきものがあって、その奥まったところに風の大精霊様の予言が書いてあったらしいのよ。
私はまだ見ていないから知らないんだけど。
ちょっど良いわ、その予言をシュウ君たちと一緒に見てきた、エルフ族のアラナさんを紹介するわね、もちろん料金はいただきませんよ。」
「初めまして、猫族のkiさんですか、エルフの特一風見鶏村のアラナです。
越後屋さんと一緒に、ここ風の聖地突風待機施設の運営を手伝うことになりました、」
「私はkiで、猫族です。
今日は犬族と狐族のKKコンビと一緒に来ています。
私たちは越後屋さんたちが住んでいる地域の様子を遠くのところに住んでいる多くの人たちに紹介する仕事をしています。
今回はこの地域に住んでいる豹族さんを紹介しようと思い、昨日、豹族の村に行ってきました。
そうしたら、豹族の関心がなんだか新たに発見された風の聖地とそこにあった予言に向いていることや、また、多くの豹族さんが風の聖地の整備で働いているということを聞きまして、今日はその取材をしに来たんですよ、にゃん」
「そうだったんだ、偶然ね。
風の聖地は例の駄女神さんが旦那と一緒に管理、運営していくことが決まって、今日、皆でここに赴任してきたんですよ。
駄女神夫妻は風の聖地本体に、私たちはここ、風の聖地の門前町的な、もう面倒だから風の門前町でいいわよね、アラナちゃん。
いちいち風の聖地突風待機施設なんて言いずらいし、言葉の無駄だわ。」
「そうよねぇ、無駄はいけないわよね。ここは今から風の門前町と呼びましょうよ。」
「あの、呼び方の前に駄女神さんが何と言いましたかにゃ。」
「えっと、なんだっけアラナちゃん。」
「確か、風の聖地を管理、運営するって言ったと思うけど。」
「そのちょっと前に、誰が管理するって言ったのかにゃ。」
「んっ、だから、駄女神さんが旦那と・・・・」
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁん。」
「どっ、どうしたのの突然叫んで、kiちゃん。」
「えっ、なんでそんなに冷静なの、若いから?
あの駄女神さんに彼氏どころか、旦那ができたのよ。
私は駄女神さんだけは一生、独り身で、彼氏もできずに枯れていくと信じて、そうならないように努力して、努力しても彼氏が出来なかったら、駄女神さんを師匠として崇めて、一生を終えるはずだったのに。
それが、旦那が出来たぁだとぅぅぅ、裏切りものぉぉぉぉ、私の青春をかえせぇぇぇ、にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」
「ちょっちょっと落ち着いてよ、kiちゃん。
いくら皆が風の聖地に出かけていないからって、マドリンから転移してくる業者もいるんだし、
豹族だって来るかもよ。
そんなに騒いだら、皆がびっくりし、逃げちゃうわよ。
豹族はギリギリOK何でしょ、猫族としては。」
「はっ、はっ、は~っ、ごめん、ちょっと興奮しすぎたわ。
あまりに現実的でない出来事に接して、脳が溶けかかって、勝手に口と手と足が動いたのよきっと。
えっと、それでどうやって、旦那を捕まえたの駄女神さんは。
越後屋さん知らない?
私も是非試してみるから、にゃん、にゃん」
「それを聞くの、聞くに値することだと思う訳、ふっ。」
「最高司祭様の"ふっ"がまたまた出たぁ、今日はもう何回目の"ふっ"だぁ。」
「今の"ふっ"は、今までとはレベルが違うわ、異次元まで届く"ふっ"だわ。」
「・・・・・・・中継していないのに、まねき猫キャスターに届いたのかなぁ・・・・・にゃん」
「kiちゃんなんか言った? 」
「あっ、別になんともないわよ。
それよりもふっでも何でもいいから駄女神さんが旦那をどうやって捕まえたのか教えて、にゃん」
「えっと、聞きたいの?」
「是非に、にゃん」
「最高司祭様、言っちゃうの、あのおぞましい方法をば。」
「だって、聞きたいと言っているし、聞いたらきっと、今日は豪華絢爛ほにゃらら仮眠室に泊ってくれるかもしれないし、そこに種族的にギリギリOKな豹族を強引に連●して連れ込んでくれれば、仮眠室利用料2人分払ってもらえるじゃない。」
「私、そんな、雄豹を宿に連れ込むなんて、はずくてできないわよ、にゃん」
「えっ、そうなの。
じゃ、"ふっ"を聞いても無意味だと思うけど、ねっ、最高司祭様。」
「でも一応、聞いてみて、気が向いたら種族的にギリギリOKな豹族を強引に〇行して連れ込めばいいんじゃないの。」
「あっ、そう言うこと、私、"ふっ"の中身を悟ったわ、駄女神さんらしいと言えばらしいけど、引っかかる旦那もちょっと情けないわよ。
その甲斐性が全くなさそうな旦那は誰なわけ、にゃんにゃん、」
「・・・・・・エルフ族の政の中枢の王族と族長会議のメンバーで、現エルフ王の孫、王太子の次男の方です。」
「えっ、王族で政治の中心にいる方なの。何、その玉の輿。
エルフ族はどんな弱みを駄女神さんに握られたの、にゃん」
「私もよくわかんないんだけどね、何でも結婚できなかったら駄女神さんがエルフ族の象徴でもある森の木の全てを口と手から炎を出して、それを突風で煽って、灰にすると言ってゴネたって。
森を燃やされるのを嫌ったエルフ族の王族と族長会議の決定として王族のソ●〇さんを人身御供に差し出したのよね。
どうせ40年我慢すれば人類の理により駄女神が滅するし、そうすれば、王太子の次男なんだけど、何でも立太子して次期エルフ国王になれると聞いたわよ。
まぁ、40年我慢すれば、150年は王様として左団扇なんだから、悪い取引ではないわね。
そう考えるとソ●〇さんてなかなかの策士ね。」
「それ本当なの、王族の大スキャンダルだじゃない。
その策士旦那に突撃して、本当のところをインタビューして、みんなに知ってもらう必要があるわよ、社会部記者としてはにゃ。」
「確かにゴシップとしては面白いわね。
そのインタビューで社長賞をもらったら半分頂戴ね。」
「もちろんその時は成功報酬をお支払いしますにゃ。」
「えっ、ちょっと待って、最高司祭様、私が聞いたのとはちょっと違うのよ。」
「どのように違うのかなぁ、聞かせてもらってもいいですか、にゃん」
「私が聞いたのは、と言うか、その場にいたんですけど、
実はエルフ族の駄女神仕様のカロリー●さんと言う王族と族長会議の職員なんですけどね、彼女がカメさんという、確か最高司祭様の元チームのメンバーですよね、タイさんもそうかな。」
「わたし、タイさんも良く知っていますよ。
それで、カロリーメイトさんとそのカメさんがどうしたんですか、にゃん」
「カロ〇ー●さんがカメさんに一目ぼれして、おされにおされて、挙句の果てに○○ルに連れ込まれて、既成事実を強引に仕立てられて、結局、根負けしたカメさんがそれを受け入れたのね。
それでシュウ君がエルフ族の駄女神様を人類で受け入れたんだから、人類の駄女神様はエルフ族で受け取れって、押し付けたのよ。
その話をしている時にたまたま横にいたエルフ族の若い男、それが●シオさんだったわけね。」
「それはそれで、やっぱりエルフ王族のスキャンダルね。
エルフ族の保身のために若い王子を差し出したのは変わらないわね。
よし、これから風の聖地に行って、その王子様に突撃してくるわ。
いろいろ、面白いネタをありがとうねぇぇぇぇぇ。また、情報をお願いねにゃ。」
「行ってらっしゃい、泊るならここに戻って来てね、」
「行ってらっしゃい、突風に気を付けてね、」
活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。
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この物語「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の外伝になります。
第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。
「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」
の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。
「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。
もう一つの「 アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。
この物語では越後屋さんとアラナちゃんの風の聖地突風待機施設の建設物語を楽しみください。
また、この物語は今後の展開とあまり関係がありません。
ゆるりとした気持ち、生暖かい目で見守ってあげてくださいね。
1日1話更新しています。
10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。
この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。
「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。