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6話目 後悔はいつでもできる、でも、進む勇気を持てるのは今だけ、今すべきことをするわ

「最高司祭様、死神大魔王様って、本物さんなんですか。

つまり、死神の王様みたいなポジションって言うか。」

「もちろん、本物の死神さんではないのよ。」

「ああっ、良かった。本物じゃないんだ。」


「当り前よ、死神大魔王様がそうそう何体も存在したら、人類領なんてとっくに”ふっ”ね。」

「”ふっ”?」

「そう、ふっと吹かれただけで、ぺんぺん草一本残らないということ。」

「ちょっと待ってよ。本物さんじゃないんだよね、死神さんの。」

「だから、死神でも、死神の王様でもないわよ。ただの死神大魔王様よ。」


「でたぁぁぁぁ、単体だったのかぁぁぁ。」

「そっ、あれで一つの形なわけね。」

「ちなみに人類な訳?」

「さぁ。」


「さぁって、ほんとは何者なんですか。教えてくださいよ。

今後もお付き合いがあるんだから。

地雷を踏んで、脱出できない暗黒面に引きずり込まれたらどうするんですか。」

「引きずり込まれるぐらいならまだましな方みたいよ。」

「暗黒面に引きずり込まれるよりもまずいことって何があるの。」


「なんでもかなりヤバい秘薬を持っているとの噂よ。それを原液で飲むと・・・・、」

「飲むとどうなるのよ。」

「気持ちの悪い行動に出るらしいわ。」

「気持ちの悪い行動ってどんなのよ。」


「べたべた一日中引っ付いてまわって、トイレにも付いて来るらしいわ。」

「うっへぇ~、ゆっくりと用もたせなくなるってこと。」

「まぁ、飲んだ方は満足かもしれないけど、まわりはドン引きよね。」

「うんうん。それで、もっとヤバい原液ってあるの。

そのべたべた原液は暗黒面に引きずり込まれるよりましだわ、飲んだ方はだけど。」


「一番やばいのはなんでも顔が半分溶けるらしいの。」

「ぎゃぁぁぁぁぁ、それヤバすぎ。まじで、溶けちゃうの、半分。」

「半分溶けちゃっても生きて動き回れるってんだから、もう、どうしようもないわね、動き回られる方は。

べたべた原液の方がましね。」


「そうよねぇ。

んっ、ちょっと待って、それって原液を飲まされた本人よりも周りに多大な精神的損害を与えるってことよね。」

「そうだわ、ちょっとヤバいわよ。

強面の自由業さんが黒魔法のその原液によって、べたべた・・・・、強面の仲間にすりすりべたべた・・・・・、私、何か気持ちが悪くなってきたんだけど。」

「そんなこと想像させるから私も気持ちが悪くなったんだけど。」

「強烈だわ、黒魔法。」

「恐るべし黒魔法。考えただけで精神的苦痛に苛まれるとは。」


私たちは押し寄せる吐き気に何とか我慢して、漸く風見鶏の小屋にたどり着いた。

歩いて7分のはずが、30分かかったわ。さすが、黒魔法べたべた原液、死神大魔王様の破壊力、はんぱねぇ。


「漸く収まったわ、吐き気。」

「私も漸く収まったわ、黒魔法ショック。」

「さっ、お昼も過ぎたけど、さっきのでいまいち、何も食べる気がしないので、このまま豪華絢爛ほにゃららを作るわよ。」

「そうしましょう。

本当は村でもらった、あんまんと肉まんを食べるはずだったのに、例の原液のせいでお腹が空かないわよ。

ちなみに"ほにゃらら"の正式名称って何だっけ。」


「あなた、これから、我ら守銭奴教の総本山となるべく、ほにゃららの名称を忘れたというの。」

「最高司祭様、大変申し訳ございません。」

「もう、しょうがないわね。豪華絢爛ほにゃららとは、聞いて驚け、・・・・・・・・・汗、・・・・・・・・汗汗汗。

何だっけ? 」

「えっ、最高司祭妻が忘れてはもう誰も思い出せないと思いますが。」

「わたしもただ忘れたわけではないの。単なるどっ忘れよ。」

「どっ忘れじゃぁ、しょうがないですよね。」


「そうだよね。きっと、後で機会があったら思い出すかもしれないので、とりあえず建てちゃうね。」

「最高司祭様、我らが守銭奴教の総本山の建立をよろしくお願いします。」

「任せなさい、それっ。」


私はまずは整地の魔法を使った。

さっきの汎用宿泊施設の土地に比較して、風見鶏の小屋や集会場らしき建物を作るために、いくらか人通りがあったため、比較的楽に整地ができた。

さぁ、次は風見鶏を中に収めつつ、風の聖地突風待機待合所の建設ね。


どんな建物にしようかしら。


守銭奴教の施設も兼ねているから、う~んっと、人類の教会に似せましょうか。

どの教会が良いかな。

職校の友達の家に遊びに行った時のあの地方の教会がシックでよかったわね。

そう、あれのと一緒にしましょう。


「今から、ほにゃららを立てますね。」

「よろしくお願いします。」む


「むむむむっ、それぇぇぇ。」


私はその町の教会を思い出しながら待合所を建てた。

汎用宿泊施設を建てた時と同じように、ものすごい轟音と砂煙が上がった。

そして、10分後に漸く砂煙が消え、新しく建てたほにゃららの全貌が見えた。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ、なんで風の聖地と同じ礼拝堂が出来上がっているのぉぉぉぉぉ。」


「えっ、私は友達の故郷、ソンバトの教会のレプリカを立てただけだけど。

職校の長期の休みには良くお邪魔していたので、結構細部まで知っているのよね。司祭様のお手伝いをして、お小遣い稼ぎをしていたのよ。」


「もう、絶対におかしいって。

失われた風の聖地の礼拝堂と人類の現役教会が同じ建物なんて。

それだけじゃないわ、人類の職校寮と風の聖地の宿泊施設が全く同一なんて。

一体どうなっているの。」


「まぁ、不思議と言えばそうかもしれないけど。

今更、取り壊せないわよ。もう魔力が残ってないし。

それよりも風の聖地と風の聖地突風待機待合所の建物が同じなんて、何か統一感があっていいじゃない。

別々よりも同じ系列の施設だとわかり易いんじゃないかな。

風の聖地突風待機諸施設の価値も上がるってもんよ。」


「確かにここも風の聖地の一部って感じが出てもいいかもね。

まぁ、建ててしまったもんはしょうがないよね。

もう、一連の施設だから同じ系列の建物だってことにしましょう。

そうしましょう。」

「そっそっ、儲けに関係ないことはできるだけ悩まない。

不思議なことは絶対儲けに繋げろよ。」


「なんか変な格言みたいだよ。」

「うふふふっ、そうだよね。

でも、儲けるためには、初期投資や損する時期も当然あるわ。

それを乗り切ってこそ初めて黒字になると思うの。

そう言った意味では訳のわからないことは、実は目新しいことだから、いずれは儲けにつながると思うのよね。」


「目新しいことか・・・・・。」

「アラナちゃんどうしたの、急にシリアスになって。」


「もともと、エルフ族は好奇心はあるんだけど、なかなか目新しいことに真剣には取り組み難い種族なの。

こういう不思議なことは面白いとは思うんだけど、それを商売に利用するという発想は持てないなと思って。」


「いいじゃない、人類だって初めてのことはみんな躊躇するわよ。

でも、明日の成功を信じて、その信念を勇気に代えて、初めの一歩を踏み出すと思うんだ。

アラナちゃんは私と共にその一歩を踏み出してしまったの。

だから、後悔するのは後にして、今は一緒に前に進もうよ。

そして、過去に躊躇したことがバカバカしくに思えるほどに稼ぎ捲ってやりましょうよ。」


「そうよね、後悔はいつでもできる。でも、進む勇気を持てるのは今だけ、今すべきことをするわ。」


「うふふふふっ、その調子、一緒に頑張ろうね。」

「最高司祭様、よろしくお願いします。」


「あっ、越後屋さんだ。どうしてここに居るの、にゃ。」


活動報告に次回のタイトルと次回のお話のちょっとずれた紹介を記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願いします。

もちろん、聖戦士のため息の本篇の方への感想、評価などもよろしくお願いします


この物語「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の外伝になります。


第108旅団の面々は3つのパーティに分かれて行動することになりました。


「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」

の本編はシュウを中心として、月の女王に会いに。

「優しさの陽だまり」はエリナを中心としたエルフ王族の寿命の調査にエルフの王都へ。

もう一つの「 アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」は駄女神さんを中心とした風の聖地の運営に。


この物語では越後屋さんとアラナちゃんの風の聖地突風待機施設の建設物語を楽しみください。

また、この物語は今後の展開とあまり関係がありません。

ゆるりとした気持ち、生暖かい目で見守ってあげてくださいね。


1日1話更新しています。


10/5より「死神さんが死を迎えるとき」という別伝を公開しています。

この物語も「聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます」の別伝になります。

「アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記」の前提ともなっていますので、お読みいただけたらより一層この物語が美味しくいただけるものと確信しております。


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