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第四十四話

 慶太郎を乗せた護送車が拘置所を出た。数は1台。中にはクアトロ・セブンとジェーン・ザ・リッパーが乗っており、増援には東京からアイアン・フィストとザ・オールド・ワンがやって来た。護送車の内部に4人の魔法少女が座り、外部にもベルサイユとテン・バーが覆面のパトカーに乗っている。


 車の操作は覆面のパトカーが赤池、護送車は柳葉が操縦している。一応、自衛隊から借りたフルプレートのボディーアーマーに88式鉄帽を被っている。銃は刑務所からM590を借りた。弾丸はスラグ弾しか無かったのでスラグ弾である。


 慶太郎は両手足を拘束衣と拘束具で縛られて車いすに乗せてある。まるでハンニバル・レクターだとクアトロ・セブンは思い、ザ・オールド・ワンがそう口にした。




「この世界は実に闇が深い。そうは思わないかい?」




 ザ・オールド・ワンは昇にそう尋ねた。腰にはコルトのシングルアクションアーミーが入っている。正直、この段階でザ・オールド・ワンが出てくる事に全員が驚いた。この男、と言うか魔法少女は常々魔法少女の地位向上を画策、行動をしている。


 政府の裏にも繋がっているのは彼が推し進める提案が概ね通る事を見れば容易に想像出来るのだ。




「そうで御座いますね」




 現在、最も警戒するべきはこの獅子身中の虫とも成りかねん魔法少女だ。ジェーン・ザ・リッパーも同様に襲撃者よりもこの男に警戒している。そして、そんな異常事態に気がついたのは他でもない慶太郎である。口にはマスクが嵌められており会話は不可能であるが、開いている目でザ・オールド・ワンとクアトロ・セブン、ジェーン・ザ・リッパーの様子を伺い知ることが出来るし、会話も耳に出来ている。




「ある情報筋から聞いたのだが、君達がアフリカのあの暴動を起こしたらしいが、本当かい?」




 ザ・オールド・ワンは慶太郎の向かいに立ち、首を傾げてみせる。ホルスターのSAAに右手を乗せ、左手で座席を掴んでいる。慶太郎はクアトロ・セブンを見遣る。どうすれば良いのか?そう言わんばかりの視線だ。


 クアトロ・セブンはその視線に答えることはなく、立て掛けたM1918“ブローニング・オートマチック・ライフル”自動小銃にヘルメットを被せ、それを指でトントン叩いている。名古屋市内東区から東に向かって進んで居る。


 ジェーン・ザ・リッパーは慶太郎の方を向いて座っているが、瞑想するかのように目を閉じて一切喋っていない。




「フム、その格好じゃ喋れないね。


 どうだろうか?口のマスクだけでも外そうと思うんだが?」




 ザ・オールド・ワンが2人に向き直る。クアトロ・セブンはそこで漸く振り返って慶太郎の方を見た。


 そうですね、と少し考えるような仕草を見せてから別に問題は無いように思われますと告げる。ジェーン・ザ・リッパーは自分の責任では取らないが、貴女の責任でなら好きにどうぞと告げる。ザ・オールド・ワンは2人の意見に頷き、これは自分の責任で取ると告げる。そして、慶太郎の口元に有るマスクを取り外すと人の良さそうな笑みを浮かべた。




「やぁ、お喋りをしよう」




 ザ・オールド・ワンがそう言った直後に、護送車は急ブレーキを踏んで止まる。クアトロ・セブンとジェーン・ザ・リッパーはその反動を活かして前部にあるドアまで飛び、外に飛び出た。護送車前後を挟むように大型のトラックが止まり、パトカーは寸断されている。後部のトラックは荷台を跳ね上げており、銃声が鳴り、弾丸の雨が降り注ぐ。


 前方のトラックも同様に荷台の扉を跳ね上げており、機関銃で武装した兵士達が並んで銃を射っていた。全員ミニミ機関銃かQBZ或いはQBBを持っている。また3人は有ろうことかカール・グスタフ社のM3対戦車無反動砲まで背負っている。




「おいおい、朝鮮か中国が攻めてきたのか?」


「全くもって笑えに冗談ですよ、それ。


 榴弾を撃たれたら先ず間違いなく私達は死にますよ」




 そして、2人は視線を素早く四方に飛ばすと、前方トラックの運転席上に影を見付ける。




「ウィークエンド……否、山口真……」




 クアトロ・セブンが銃口を向け、ジェーン・ザ・リッパーは刀を脇構えに持つ。


 ウィークエンドこと真はそのままトラックから降りる。後方に待機する兵士達は銃口を構えているが発砲する気はない様で、動かない。真の左手にはHCARが握られており、右手には刀がある。


 昇と仁は銃口も構えも取らない真に構えを解いた。




「山口、降伏しろ」


「昇、広江君を返して」




 お互いは平行線のままである。2人はお互いに黙ってしまうので今度はジェーン・ザ・リッパー、仁が口を開いた。




「山口さん、なんで貴女はそんな姿に?」


「貴女のせいよ」




 仁の問い掛けに真は昇に向けた顔とは違う憎々しい険の篭った顔を向けた。




「昇、私は貴女が好きだった。


 だから、その女と別れて私と付き合って下さい」




 真は昇の方を見据えて頭を下げる。後方の兵士達がヒューと口笛を吹く。全員顔はバラクラバで隠されており表情は読めないが、茶化している。余裕の雰囲気だ。


 仁は驚いた顔で真を見る。昇も驚いた顔で真を見ている。それから、珍しく困ったような表情を浮かべ、それから左手で口元を覆うように撫でた。




「その気持は、本当に嬉しい……」




 昇は難解なテストの問題を前にした受験生のような顔で言葉を絞り出していく。




「本当に嬉しいのだが、その言葉は些か僕には遅すぎた。


 僕も、最初はお前の事が好きだった。何時も明るく、人生が楽しそうで、羨ましかった」




 じゃあ、と真は口を開いた。




「だが、遅すぎたんだ。


 お前は言った。『好きだった』と。僕もそうだ。『好きだった』。申し訳ないが、お前のその告白に僕はNoと返事をしなくてはいけない。


 大変申し訳無い、残念だ……」




 お前は既に新しい恋を見つけている。良き理解者が居るだろう。僕とお同じように出逢えるだろう。昇はそう告げるとM1918“ブローニング・オートマチック・ライフル”自動小銃の槓杆を引いた。そして告げた。




 降伏しろ、出来れば手荒な真似はしたくない。お前は僕の親友なのだから。




「そう。でも、その提案はNoよ。


 私は君の“親友”だけれども、その提案には乗れない」


「そうか。それは残念だ」


「そして、私は昇に、いえクアトロ・セブンに用はない。


 用があるのはそこの井上さん、いやジェーン・ザ・リッパー。この忌々しい泥棒猫。一発ぶん殴ってやる!」




 昇、クアトロ・セブンは隣にいるジェーン・ザ・リッパーを見る。ジェーン・ザ・リッパーはそのまま任せろと手を降るのでクアトロ・セブンは銃口を下ろして後ろに下がった。トラックの荷台に居る兵士達は愈々しゃがんで賭けを始めた。ビデオカメラを回し、真に1万、ジェーンに2万と。


 護送車からもショットガンを構えた柳葉とザ・オールド・ワンに付き添われた慶太郎が降りてくる。




「どうしたんだ?」


「失恋をした少女が八つ当たりをしているのでございます」




 柳葉の質問にクアトロ・セブンがそう答えると柳葉は何じゃそりゃ?と首を傾げた。そして、兵士達がトラックの荷台から降りて柳葉達の方に。手にはミニミを持っており、柳葉の持つモスバーグでは間に合わない。向こうは攻撃する気はないのであろうが、何時でも撃てるよう警戒をしていた。




「おい、そこのガキ寄越せ。それと、ソイツと一緒に居た連中は?」


「誰が渡すかアホ。コイツは最重要参考人だ。


 欲しけりゃ総理大臣の辞令持ってこい、馬鹿。他の連中は大怪我してる奴は警察病院に運ばれて無傷や軽傷は拘置所にぶち込んである」




 柳葉はお前等は何者だと尋ねるが兵士達は答えるかバカと笑う。流暢な日本語は日本人のそれだ。体格も眼の色も日本人である。




「自衛隊か?」


「知らねーな。


 それより、さっさと寄越せよ」




 兵士達はそう告げると、柳葉にミニミを向ける。クアトロ・セブンは一応、銃を向けようとするが、反対にカール・グスタフを向けられたのでBARを消して抵抗をしないとやってみせる。柳葉もクアトロ・セブンもザ・オールド・ワンを見る。ザ・オールド・ワンは有ろうことか慶太郎の拘束を解いているではないか。




「会長!」


「ああ、良いんだ良いんだ。


 後から朝生君には私から言っておくから」




 朝生君とは現在防衛大臣をやっている朝生多聞で、次期総理とも言われている。元警察幹部であり警察の方にも顔が利き総理大臣とも旧知の仲である。また、タカ派に近いために自衛隊の特殊部隊や防諜組織の設置に意欲的で、現在推し進めている米国海兵隊の様な諸島防衛専門の水陸機動団の設置にも大きく貢献している。


 柳葉はザ・オールド・ワンを睨み付けるがザ・オールド・ワンはそれを木にした様子もなく朗らかに笑って落ち着いてと告げる。拘束を解かれた慶太郎は手首を確かめながら体のコリを伸ばすよう軽く伸びや柔軟をしながらクアトロ・セブンの横に並ぶ。




「先輩、山口先輩は告白しましたか?」


「した。まぁ、僕には仁が居るから振ったけれども」


「なら、俺が告白しても良いんっすよね?」


「したければするが良い。


 きっと、お前の告白は受けれて貰えるぞ。傷心中の女子だ」




 僕はそういうのに詳しいんだと昇が告げると、慶太郎も俺だってギャルゲやエロゲ位何本もやりましたと告げる。慶太郎の言葉に昇はそうかと告げ、M1918“ブローニング・オートマチック・ライフル”自動小銃を肩に担いだ。


 慶太郎も左手に電撃を纏わせる。




「私、クアトロ・セブンと申します」


「俺は広江慶太郎だ」




 2人はそう告げてから、クアトロ・セブンはウィークエンドに銃撃を、慶太郎はジェーン・ザ・リッパーに電撃を浴びせる。銃撃と剣戟を繰り広げていた2人はそれを合図に別れて新しい敵に対峙する。




「何時かのリベンジです」


「腕の敵だ!」




 クアトロ・セブンと慶太郎がそう告げると、真とジェーン・ザ・リッパーは大きく笑う。




「そもそも、昇が悪いんだから!」


「今度は両足も突き刺してあげるわよ」




 その日、ウィークエンドと謎の武装組織が黒子の魔法少女を奪還するべく6人の魔法少女と激突した。戦いは夜明けまで続き、最終的に武装組織が甚大な被害を出しつつも黒子の魔法少女を奪還した。しかし、代償としてウィークエンドは死亡したと号外が出た。


 現場で護衛任務についていたクアトロ・セブン、ジェーン・ザ・リッパーは重傷を負い、またザ・オールド・ワンや一晩で2万発の銃弾を撃ったベルサイユ、テン・バー等の話によると襲撃者は中国製の武器を使用し、中国語を話していたそうだ。


 ウィークエンドが死亡し日本には再び平和が戻った。一方で、黒子の魔法少女を捕まえるまでの過程で捜査に問題が合ったと言う噂も流れ、スンナリと事件解決とは認められなかったが、どれもこれも魔法少女協会と防衛省、警察庁が機密情報を開示しないので全貌は明らかに成らないし、クアトロ・セブンやジェーン・ザ・リッパーと言った魔法少女達も厳重な緘口令が敷かれており、マスコミからの追求は全て相手にせず、逆に余りにしつこいマスコミ達が魔法少女協会を通じて告訴される騒ぎにまで発展した。


 また、これは公にはならないが、真は2ヶ月ぶりに自宅に帰り、母親にビンタを食らい、父親からげんこつを落とされたそうだし、慶太郎は愈々母親の自衛隊と魔法少女に対するヘイト発言に我慢出来ず、生まれて初めて親子喧嘩をし、現在は昇の家に家出しているそうだ。


 事件後、宇山江神代が2週間の有給休暇を取ったとかで桐明高校の治安が少し悪くなった。




「おはようございます、先輩方」


「ああ」


「ども」




 1週間後、昇と仁は部活を行うために部室に向かう。剣道場には既に慶太郎が居り掃除をしていた。真は家出をしたバツとして学校の授業が終わると同時に母親が迎えに来て連れ去っていくのだ。また、真が逃げないようにと母親に全幅の信頼を置かれている仁と昇が真を母親のもとに“連行”して行く。真が帰ってきたのは2人が忙しい合間を縫って居場所を見つけ、説得して連れて来たという話に成っているのだ。


 また、2人から真を余り叱らないでやって欲しいと家出をした理由も恋に敗れての傷心旅行だという事で説明してある。故に1ヶ月の学校以外は外出禁止と言う罰に成ったのである。問題に成った親戚の女は誰か?と言う話では旅行中に仲が良くなったOLとして赤池まで用意したのだが、深く追求されなかったので無駄となった。




 赤池も事件の影の立役者として、と言うかザ・オールド・ワンが予てから釈放しても良いんじゃないか?と言う事で内々に仮出所という事で知らぬ間に世間に出てきた。現在はBARウィリアムズでタケさんの監視下でバイトとして働いている。


 尚、桜はこの赤池を気に入ってるらしく、度々呼び付けては兄昇と仁のデートを尾行するというスパイごっこに興じているそうであるが、それはまた別の話である。


 事件は結局有耶無耶になり、暫くの間は真も慶太郎も自衛隊の仕事に駆り出されないが、宇山江神代と彼女に率いる部隊、自衛隊の暗部に付いての追求は総理大臣から正式に探るの止めるようにと言う辞令が下り、柳葉は大きく憤慨していた。


 また、ジェーン・ザ・リッパーが居ない首都では魔法少女の損害が大きなり、代わりにベルサイユが都市部の穴埋めとして差し出されたとして、都市部では大いに迷惑しているそうだ。




「ベルサイユがハチ公の像を壊したとかでニュースに成ってましたよ」


「もう、知らん。あの人は知らん」




 慶太郎の報告に昇は僕は無関係だと告げて服を着替え始める。


 慶太郎も昇も仁も真も重傷を負ったが魔法少女のみ治療できる医療系の丙種魔法少女に寄って傷を回復し既に一般生活を送れるまでに回復している。慶太郎は両手足を突き刺されたが今では飛んだり跳ねたり出来るように成った。




「先輩は、あれから一度も僕に自衛隊での活動を聞きませんけど、気にならないんですか?」


「ああ、興味ないね。


 僕の仕事はお前のやったことを調べることでも咎めることでもない。キメラを駆除することだ。


 魔法少女の仕事は、キメラの駆除が仕事なんだ」




 昇が胴着を羽織ると、慶太郎がそうですねと笑い、そういえば硫黄島で幽霊を見ましたと告げる。昇はやはり、硫黄島には英霊の亡霊が出るのか!と何時に無く近い間合いで慶太郎に話を聞きに行く。




「興味ないんじゃないんですか!?」


「興味ないのはお前の活動だ。


 硫黄島の亡霊に付いては2ちゃんでも色々と噂がされているのだ!話せ」


「嫌ですよ。僕の命が無くなりますって」




 彼等の日常は徐々に元に戻りつつ有った。




ウィークエンド編終わり!


決着付けたいと三十話辺りで言ったのにもかかわらずそれから十話以上続いたよ


無計画に話書くもんじゃないね




それと最近偏頭痛が酷い


生まれて初めてこんなに酷い頭痛を持ったよ


風邪の時だってもっとマシだった


姿勢を変えたりすると痛いのね


で、初めて成ったからネットで調べたら色々と怖いことばっか書いてあんのよ


だから、一番怖くない群発性頭痛に成ったと思う事にした




症状もこれに近いし、気圧の変化で起こるって書いてあるし、今6月だし


治療法は薬か純酸素とか言う奴


この程度で医者にかかってべらぼうに金取られるのも癪だし、だからといって家に酸素吸入器置くのも何だから、深呼吸でやってみる


あと、マッサージ




最近、読みなおして誤字脱字とか直してます


また、表現とか微妙に加筆訂正してたり矛盾してる場所を直したりしてます


なんで、見落としてる誤字脱字見つけたら教えてやって下さい


すぐに直します故に



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