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ファンにもいろいろ




我が慶賛高校生徒会のいわゆるファンや取り巻きには大きく4つのグループに分けられる。


まず、我こそが生徒会メンバーのお相手に相応しいと思っている、家柄やルックスも良いグループ。このグループの特徴は登下校や放課後など隙あらば彼らに集まって必死に声を掛けまくるということ。正直あまり好ましくは無いがほとんどのメンバーからは相手にされてないのでザマァと思っている。


次に、生徒会メンバーを愛し、彼らの平穏のために活動しているグループ。先ほどのグループによる彼らへの接触阻止を担当している。家柄やルックスは様々だが、家柄によってグループ内で上下関係が決まっているらしく厳しい体制なんだとか。


そして、表立って騒ぎはしないが友人同士やSNSで情報を共有し楽しむグループ。もちろん偶然彼らに鉢合わせた場合はSNSには上げないのが暗黙の了解となっている。次の日に学校で一番の話のネタにはなるが。


最後は、全く彼らに興味が無いグループ。このグループは基本的に勉学や家業が忙しくてそれどころでは無い人達が所属している。



これを仮に上からABCDと名前を付けると私はCグループに所属していることになる。

CグループとDグループは外から見れば違いはほとんど分からず、どのグループとも付き合いがあったりするが、AとBはそれはもう犬猿の仲で、入学してまだ3ヶ月だが今のように言い争いになっているところをよく見かける。



「ちょっと!そこどきなさいよ!」


「いえ、どきませんわ。あなた方の行動が彼らの平穏を脅かしていることが分かりませんの?」




四宮先輩と目が合ったことで最高にハッピーな登校時間も校門に近づくほど騒がしくなる音に、邪魔をされ始める。


朝からご苦労なことだなー。

校門近くで2人の女子生徒が大きな声を出していることが分かる。大勢の人がいるのが見えるが、2人それぞれの後ろに付いている何人かの女子生徒を除けば、それを遠巻きに見て学校の中に入っていく生徒ばかりだ。



この光景は生徒会メンバーが登校する時間にだけ起こる現象で、彼らに話し掛けたいAグループとそれを阻止するBグループによって成り立っている。


正直、静かに登校したい私としては迷惑なこと極まりないが、この現象イコール彼らのうち誰かがいる、ということなのでお目にかかれるチャンスかもしれないのだ。まあ今日の場合はおそらく、私より少し早く歩いていった四宮先輩だろう。


Bグループの流し目でチェックされながら校門を抜けると先ほど電車で見た四宮先輩と3年の会長様がおられた。

生徒会長の一条先輩は色素の薄い髪をサラサラと靡かせて四宮先輩と談笑しながら歩いている。隣の四宮先輩よりも少し低い身長はそれでも170後半はあるんだろう。スラリとしたスタイルでモデル経験もあるらしい。



今日はなんてついてる日なんだろう。

最推しの四宮先輩と学校No. 1人気を誇る一条会長を同時に拝めるなんて…


半ば呆然としながらその光景を目に焼き付けた私は、あとは頭の中で再生するのみにし、Bグループでも見抜けなかった取り巻き達の群れが周りに出来ている彼らの横を足早に通り過ぎた。


■一条 悠里 (いちじょう ゆうり) 3年

学校No. 1人気の生徒会長

穏やかで優しい性格

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