第6話
第6話
はい!みなさんやって来ました!
今私がいるのは、トロールの群れの近くです。そして、これからみていただくのは、そのトロールの群れと私の戦闘でございます。
スパンッ!
「現実逃避してないでちゃんと状況確認してください」
うぅ怒られた。この状況だったらみんな逃げたくなるよ?逃げないだけ誉めてほしいところなんだけどね。
「なぁなぁレオンさん」
「はいはいなんでしょうかアユムさん」
「トロール多くね?」
「そうですね」
「あれ俺一人でやるんでしょ?」
「はいそうですけど・・・それがどうかしました?」
こいつ殴ろ。みんな文句ないよね?ね?でもやったあとが怖い。いやこれまでさんざん苦労かけられたからこれくらいやっても大丈夫だろ。よし!強気で行くぞ!
「おいレオン!さすがにあの数一人でやれっていうのは無理があるだろ!」
「いえそんなことはないですよ?私がみる限りこの程度の依頼なら簡単にこなせるくらいに成長しているはずです。それに今までの依頼もアユム様ならできるという信頼があるからこそ受けてきたんですよ?」
「お、おう。そうだったのか。切れてすまなかった・・・。」
「こちらこそすみません。ちゃんとお伝えしなかった私が悪いのです」
「謝るのはこっちのほうだ。ほんとに悪かった」
「では目の前の的に集中しましょうか」
「そうだな」
チョロい・・・。
「では確認します。トロールの数は約100体。以上!」
「以上!じゃないでしょ!他になにかないの?!」
「ないですね」
「あぁそうかよ!もう期待なんかしてやらん!いってくる!」
「行ってらっしゃいです」
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「そして主人公は帰ってこなかった・・・・・・」
「いやちょっと待って。俺生きてるから。確かに何回か死にかけたけどちゃんと生きてるから。だから勝手に殺さないで。物語を終わらそうとしないで。」
「幽霊じゃなかったんですね。ビックリです」
「それ真顔で言わないで」
「まぁそれは置いといてですね。お疲れ様でした」
くっそこいついじり倒してきやがる。素直にお疲れ様でしただけでいいじゃねーかよ。やっぱこいつ嫌いだ~(泣)
「どうして泣いてるんですか?」
「目にゴミがね・・・(お前のせいだ!)」
とりあえずトロールの群れの討伐を俺一人でやった。
あれ?俺すごい?めっちゃすごいやつじゃない?
お?これ俺有名になるやつじゃない?
俺の知らないところでカッコいい二つ名とかついちゃうんじゃない?
一人でトロールの群れを討伐した新人冒険者!轟 歩夢!
うわーめっちゃテンション上がってきた~~
そんな感じでニヤニヤしているとレオンが気持ち悪いやつを見る目でこっちを見ていた。
「うわ。きもちわるい」
「いっちゃったよ!」
こんな会話をしながらちゃっかり素材の回収をして、町に帰っていった。