第4話
第4話
「ふんぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
ここは王城にある訓練場である。
なぜ俺がこんな変な声を出しているかと言うと
「これを持ち上げなければ今日の昼ご飯は抜きですよ」
そう。昼ご飯がかかっているからである!!!
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ」
「よく持ち上げましたね。今回はダメかと思ってましたよ」
「ダメかと思ってましたよ。じゃねーよ!俺が毎回どんだけ必死にやってると思ってんだよ!てかダメかと思ってんならやらせんな!このやろう!」
「ほーう。そんなに元気があるのなら今のメニューの三倍ぐらいやっても大丈夫そうですね」
「このやろうとか言ってすみませんでした。それだけは勘弁してください。」
「わかればよろしい。それでは休憩にしましょう」
「ありがとうございます・・・」
そう言うと男は俺をおいて歩いていった。
俺を強くするために教えてくれているのは、若干22歳という若さで騎士団団長を任されているレオン・パドールという人物。金髪のイケメンだ。爆発しやがれ。でも性格は最悪。だから周りから引かれてると思っていたらあいつその事を周りに隠してやがった。だからモテてる。俺が本当に爆発させてやろうか。まぁだからといって悪いやつって訳じゃないんだけどさ。
あとなぜ魔法の訓練じゃないかというと、体力がないと魔法の威力が下がってしまうらしい。だからある程度筋力、体力がつくまでは魔法は勉強だけとのこと。まぁ勝手に練習してるけどな!
「レオンのやろう、いつか必ずボコボコにしてやる。今のところボコボコにされるところしか想像できないけどな・・・」
俺は、そんなことを一人勝手に落ち込んでいるところにタオルをもったハクアがこっちに近づいてきた。
「お疲れ様ですアユム様。いつも大変ですね」
「おぉいつも悪いな。ありがとう。あと俺のことはアユムでいいって。様付けってなんか性に合わないんだよね」
「いえ、アユム様は勇者様なのでそういうわけには・・・(それにいきなり呼び捨ては恥ずかしいです)」
最後の方が小さくて聞こえなかったけど気にしなくていいか。
「そーゆーの俺は気にしないんだけど仕方ないか。でもいつかは呼び捨てで呼んでほしいね」
「は、はい。善処します・・・・・・」
なぜかハクアは顔を赤くしてうつむきながらそういった。
そのまま話すこと約三十分。ハクアのとある一言で俺は重大なことに気がついた。
「それでアユム様、お昼ご飯はよろしいのですか?」
「あっ忘れてた・・・・・・・・・」
そこへレオンがこっちへ歩いてきた。タイミングバッチシだね。
「そろそろ休憩を終わりにして訓練を再開しましょう」
「あ、あの~とても言いにくいんだけど~」
「変なこといったらメニュー四倍ですからね」
三倍から増えてる!ヤバい。どうしよう。このまま四倍になったら俺確実に死ぬ!お腹減ってるし。正直にいってみよう。
「お昼ご飯まだ食べてないんですけど・・・・」
「そんなこと知りません。さっさと訓練を始めましょう」
「デスヨネー。そう来ること知ってました」
みんないってくるよ・・・・・・・・・・
結局お昼ご飯は食べることはできなかった。
そして訓練場にはいつも通り変な声が響くのであった・・・・・・
特訓はもうはしょります