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キャラクター作成集中講座 6

さて、今回はまとめなので少し真面目なお話です。

ここまで5回にわたって繰り広げてきた茶番、実はキャラクターの作り方としては嘘っぱちです。


いや、まったくの嘘っぱちではなくて、実際にアザとーはこの方法でキャラクターを作っていますけどね、つまりは『我流』です。

アザとーに似た作法の人はこれを実践することもできるでしょうが、万人誰もがこれを使えるようにシステム化されていないやり方であり、誰でもがこのやり方でキャラクターの過去を組めるわけではないでしょう。


システム化され、かつ一般に広く流布しているやり方としては、『キャラクターの身上書を書く』『生い立ちから嗜好に至るまで細分化されたキャラクター作成書を書く』などがあります。

つまり、方法はひとつではないということです。


しかし、どのシステムを試すにしても絶対的に必要となるもの、それが人間観察です。

例えば『騒々しい人物』という設定を書いたとき、それがどのように騒々しい行為であるのかが作者には見えていないといけない。騒々しいと一口にいうことは出来ても、それがファミレスで井戸端会議するおばちゃんのごとく騒々しいのか、それともシンと静まり返った雰囲気が苦手でワザと大声を上げる子供のように騒々しいのか、これは相手に伝わらない。

文章というのが他者に自分の思考を伝える性質のものである以上は、この設定そのものも他者にわかる形に落とし込まなくてはならないのです。


これは特に共同作業のときに必要となるスキルでもある。


ア「このさあ、『すごくケチ』って、どんな感じのケチなの?」

メ「爪に火をともすようなケチっていうじゃない? あれよ」

ア「良くわかんないなあ……」

メ「これだから日本語の弱い人って嫌い!」

ア「ちょっと具体例だしてみてよ」

メ「そうね、妻が洋服が古くなったから新しいものが欲しいと言えば自分のお古を渡す、子供の洋服が投売りで安かったからって男の子に女物の洋服を買ってくるようなケチよ」

ア「ああ、なんだ、ウチのダンナか」

メ「そうそう、あんな感じ」


これは実際の生活の中での人間観察はもちろん、創作物の中のキャラクターも含む。


ア「『かわいい』ってさ、具体的にはどういうところ目指してるのよ?」

マ「例えば○○の××たんみたいな、ロリババア……」

ア「う~わ~、なんかドン引くけど……口調はえらそうなのに幼いゆえの浅はかさが可愛いって感じ?」

マ「そうそう、そんな感じ」


というやり取りは、実は裏ではよくあることなのではないだろうか。

これはパクリとかというレベルではなく、『ケチ・かわいい』をより具体的に相手に伝えるためのツールであり、類型という概念でしかない。なぜなら二次創作でもない限りは『完全なる同一人物』が存在するはずなどないのだから。


これは実に人間というものと同じだ。

類型的には同じところにありながら、誰一人としてまったく同じ人生を歩むことはなく、ゆえに性格の多様性が生まれる。

しかしながらこの類型をより多く集めるには、人間観察が何よりも手っ取り早いのである……


メ「って、退屈~。結局さ、次の主人公は誰なの?」

ア「それはね、俺が決めることじゃないさ」

メ「は? どういうこと?」

ア「物語とは読者のために紡ぐもの、ならば君たちの中で誰を選んだときにいちばん面白い話になるか、この判断は読者がするものさ」

メ「ちょっと! ここにきて投げ出すとか、信じられない!」

マ「まったくだ! このために時間を割いたのに、ロハとかありえないっ!」

鷹「うむ」

ア「え? あ? え? あ? 不穏な感じっ?」

メ「ちょっと、責任者出て来いなのよね」

ア「それではみなさま、またお会いする日まで~、あでゅー!」

メ「あ、こら、逃げるな~!」


                                完



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