キャラクター作成集中講座 5
ア「さて、今回はキャラの動かし方の話です。せっかく作ったキャラクター、自分の物語の中で生き生きと動いてほしくありませんか? かといって、こちらの決めた物語からはみ出されては結末が作れない。これをうまくコントロールするコツがあるよ、という話です」
マ「で、そのために何をすればいいんだ、俺らキャラクターはよ?」
ア「何もしなくていい……というか、今から今回の共演者をここに呼びますので、思った通りに『反応』してください」
マ「オーケーオーケー、簡単じゃん」
ア「では、今回の共演者、ドラゴンちゃんの登場でーす」
解説:まずは物語の柱、メインテーマに対する反応を見てみましょう。
ここで思うような反応をしてくれないキャラクターなら、人格の調整なり、主役のすげ替えなりをすればいいだけの話です。
マ「……随分と小さいドラゴンだな、おい……」
ア「子供だからね」
マ「それに怖くないな」
ア「子供だからね」
マ「……あのな、子供はダメだ。子供は」
ア「なんで?」
マ「俺の剣は人の生活を脅かす害獣を絶つためのものであって、こんな……こんな幼い……くうっ!」
ア「どうした! なぜ悶える?」
マ「かわええっ!! こんな可愛い生き物が斬れるか! 弟たちの面倒を見てきたせいか、俺は子供はダメなんだよ!」
ア「あー、そういうダメなのね……さて、鷹さんは?」
鷹「……あの時のドラゴンの……血筋か」
ア「え、もしかして鷹さんの家族食べちゃったドラゴン?」
鷹「あの角の形、あの鱗の色、間違いない……物語の始まりを待つまでもない。今ここで……斬る!」
ア「だー!!! アザとー式言霊、緊急発現!」
この手のドラゴンの鳴き声は、人間の幼子の声によく似ている。だから、それは単なる鳴き声のはず……なのだ。
ド「パパ」
鷹「く! この声……」
ド「ぱー」
鷹「……死んだ……息子の声に……似ている」
解説:登場人物の信念のままに動かれると困る場合は、こうして信念を揺るがす出来事を組み込んでおきます。ここに何を組み込むかは作者の腕とセンス……
メ「言霊発現! 我が名の元に集え炎の精霊よ、このドラゴンを灰塵と……」
ア「まーて!! 待て待て! 何してんの、メグちゃん⁈」
メ「え、あっちの若い人、イケメンさんだからちょっといいところ見せちゃおうかな♡ なんて」
ア「あのね、彼の反応見てた? 彼はドラゴンであっても殺せないほどの子供好きなの! ドラゴンちゃんを倒しちゃったら、逆に嫌われちゃうよ⁈」
メ「ふみゅぅ〜?」
ア「お願いだから、あんたはもうちょい暴走しないキャラ目指してください」
メ「あら、私を作ったのはあなたでしょ? あなたがもっとしっかり、キャラの手綱を取るべきなんじゃないですかね」
ア「それはね、作者の性格によるんだよ。俺はどっちかっつうとキャラをガンガン動かすの好きだから、あえてキャラクター中心に物語を組むの」
メ「つまり、どMね!」
ア「どうしてそうなったかなぁ……」
メ「どMはR-18規定により、掲載できないのよっ!」
ア「ああ、もう……なんでもいいっス。話進めます」
メ「待って、随分とながくなってしまったわ! なろうでの理想的な一話の文字数は……」
ア「あーもう!わかったよ! 次回、ついに決まる新作の主人公! メグの長い戦いの日々に幕が降ろされる? 『ベストアクター〜勝利を掴め〜』に、ご期待ください」