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キャラクター作成集中講座 4

ア「さて、面接を続けたいと思います。つぎに、皆さんの生い立ちについてお尋ねしたいと思います」


解説:キャラクターとはあなたの創造した世界で『生きている』人間です。物語に描かれる以前、物語の終わった後(死亡エンド除く)にもその人物の生活があり、人生がある。

この全てを描こうと思えば物語はずいぶんと長く冗長なものになり、本来あなたが書きたい本筋から大きくはなれてしまうでしょう。

かといって、あなたが描きたい物語ばかりを率先させてキャラクターの人生を省略すれば、それは単なるストーリーを動かすための駒にしかならない。

ならば、物語に必要な要素をキャラクターの過去に組み込んでしまえばいいのです。


ア「と、いうわけで、今回の物語に必要なのは『ドラゴンスレイヤーである』という過去です。つまり、ドラゴンと相対しこれを殺すものでありながら、極限状態によってドラゴンと心を通わせてしまう、という物語の流れに絶対的に必要かつ唯一の条件がこれなのです」

鷹「うむ」

ア「では、鷹さんから。あなたがドラゴンスレイヤーになった理由はなんですか?」

鷹「家族の……仇をうつためだ」

ア「家族の? ずいぶんと重たい話っぽいですね」

鷹「重たくはない。ドラゴンは肉を食う生き物だ。人間だって例外ではない。だから俺の家族は食われた……ただそれだけだ」

ア「そんなに達観しているのに、敵討ち?」

鷹「頭では……理解している。しかし、心で選んだ道だ」


解説:こうした重たい話を背景に置くことで、この敵討ちが彼の信念となります。つまり彼はドラゴンに出会った場合、この信念に従って行動することでしょう。

ここで注目したいのは、この信念の選択が過去の話だということです。だから本編にこのエピソードを入れる必然性はない。

それでも、物語の芯をなす信念の選択とは、キャラクターの性格によって『なされる』べき物なのです。

例えば……


メ「へんなの。頭で理解してるなら敵討ちなんてあぶないことはしないで、もっと安全な仕事をすればいいじゃない。そうね、パン屋さんとか、どう?」

鷹「料理は……苦手だ」

メ「あら、じゃあ農夫とかどう? おじさんはガタイがいいから、畑を耕したりするの、似合いそう」

鷹「それでも……俺は……」

ア「はいはい、メグたんスト~ップ! それよりさあ、メグたんってもしかして……ドラゴンスレイヤーですらないんじゃない?」

メ「細かいことは気にしないで♡ メグはね、目の前に立ちふさがるものならドラゴンだろうがワニザメだろうが、倒しちゃうのよっ!」

ア「はあ、なんか軽いっスね……まあいいや、続いてマーチンさん」

マ「お、待ってました! 俺がドラゴン狩りなんかやってる理由はな、ズバリ、マネーだよ」

ア「あんたも……軽いっスね。ていうか、もっと稼げる仕事もあるんじゃないですか?」

マ「あ~、軍人とかな。確かにウチの叔父くらいにまで上り詰めればけっこうな金はもらえるけどさ、俺は軍人にはなりたくないんだ。叔父が戦場で何をしてきたのか……知ってるからな」

ア「へえ、だったら、たとえドラゴンといえど命を奪うような仕事じゃなくて、もっと平和的な仕事を選ぶって選択肢はなかったんですか?」

マ「あ~、あったあった。俺はこの面だろ、ちょっと有名な劇団から、役者にならないかって誘いもあったんだぜ?」

ア「なのに、ならなかった?」

マ「なんていうんだろうな、俺は不器用だから……闘うことしかできないんだよ」

ア「なるほど、だからドラゴンと戦う仕事を選んだんですね」

マ「ま、そんなところかな」


解説:同じ軽さでもメグちゃんとマーチンさんでは明らかに違うことがお分かりでしょうか? これがディフォルメ。

メグちゃんも急に言霊使いをやめてドラゴンスレイヤーになった理由があるはず。でも、あえてそれを作らない。なぜならメグちゃんはご存知の通り、『恋愛成就』が信念であって、ドラゴン云々はその信念にはあまり深く関わってこないから。

そしてマーチンさんが意外に闇を抱えているのかも?と期待をさせておいて次回へと続くっ!


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