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「ホ、ホームラン…。」


明は呆気にとられた顔をした。


秋葉高校にいきなりホームランを打たれてしまった。


これは幸先が悪い。

楢崎は呆然としている。


秋葉ベンチは歓喜に湧き、打った選手とベンチにいる選手がハイタッチを交わしている。


一方、明北ベンチはシーンと静まり返っている。


その様子は誰が見ても正反対だった。


これはまずい。


今のホームランで明らかにチームの士気が下がっている。


「まだ1点だ!まだ逆転できる!」


藤田が声をあげた。


この状況をまずいと思ったのか、いつもよりかなり大きな声だった。


この藤田の声に促されるように、選手達は自分達の守備に集中した。




これはまずいーーー。


明は冷や汗をかいていた。


今のホームランでこちらの気持ちが切れているのは明が見てもよく分かることだった。


このままだとそのままの勢いで負けてしまう、なんてこともありえる。


そうなってしまったらーーー。


明は祈ることしかできなかった。




次のバッターに楢崎は第1球を投げた。


バッターは狙いすましたようにボールを叩いた。


ボールは、センターのはるか後方に落ちた。


楢崎はボールを握りしめた。


次のバッター・中原が打席に立つ。


楢崎がバッターボックスを見つめる。


さて、そろそろ決めてやるか。


中原はバットを握りしめた。


かつてない緊張感が辺りを包んでいた。


何とかしないと。


楢崎はさらにボールを握りしめた。


楢崎は第1球を投げた。


中原はバットをスイングする。


「ストライク!」


ボールはバットをすり抜け、ミットに収まった。


ーーーなるほど、キレはあるようだな。


中原はバットを握りしめてマウンドを見た。


楢崎は第2球を投げた。


またしてもボールが高めに浮いてしまった。


中原がそれを見逃すはずもなく、ボールを叩いた。


ボールは快音を響かせて高く舞い上がった。


2塁ランナーはスタートを切った。


明はボールの行方を見守っていた。


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