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１回裏。
秋葉高校の攻撃。
明は秋葉高校のベンチをじっと見る。
見たところ、特に飛び抜けてスゴい選手はいない。
しかし、相手もここまで勝ち上がってきたのだ。
一筋縄ではいかないだろう。
「プレイ！」
荒谷高校の攻撃が始まった。
先発の楢崎は、第一球を投げた。
「ストライク！」
審判が右手を突き上げた。
まずは様子見か。
明はマウンドを見つめた。
続いて、第２球。
バッターはスイングしてきた。
「ストライク！」
かなり豪快なスイングだった。
「やる気だな」
明はちょっと面食らった。
偵察に来たりして慎重な割には、結構積極的なんだなと明は思った。
第３球。
バッターはまた積極的にスイングする。
ボールはかすかにバットに当たり、後ろのネットに突き刺さった。
かなり本気だ。
第４球もファール。
第５球もファール。
かなりボールをとらえているな。
第６球。
楢崎の球は、少し高めに浮いた。
バッターは、それを見逃さなかった。
バットは快音を響かせ、ボールはスタンドに一直線に飛んでいった。
「…ホ、ホームラン…」
明は呆気にとられた顔をした。
