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「俺、実は美穂のことが好きだったんだ」


立脇の言葉に、明は目を丸くした。


「そ、そうなのか…」


そう返すのが精一杯だった。


「美穂とは幼稚園の時からなんだけど、一目惚れっていうのかな、他の子より一際輝いて見えてさ、気がついたら美穂のことしか見えなくなってさ」


「うん」


「それから明達と遊んでいると、美穂も一緒に遊ぶようになってさ、そこでいつも一緒にいるようになったんだよな」


「うん」


「俺、気がついたんだ。美穂といるとめちゃくちゃ楽しいって。美穂といるとどんなことも面白くなるって」


「うん」


明は頷くことしかできなかった。


立脇が今まで美穂に対してこんな感情を抱いていたのも知らなかったし、立脇が美穂のことを好きなことも知らなかった。


「だからさ、1回美穂に告白しようとしたんだ」


立脇は続ける。


「でも、やめたよ。今までの関係を壊したくなかったし、それにーーー」


立脇はそこで口ごもると、


「美穂が好きなのは、俺じゃないって気がついたんだーーー」


と言ってうつむいた。


「え?ということは告白してないってこと?」


明は立ち上がって聞いた。


「あぁ、何かそんな勇気出なくてな」


「なんでだよ!好きなら告白しなよ!」


「勇気が出ないって言ってるだろ!」


「このヘタレ!男なら告白しろよ!なんでずっと黙ってんだよ!男ならビシッと決めろよ!」


明がそう言うと、立脇はまた席に座った。


「ーーー明さ、美穂のこと好きなんだろ?」


立脇の言葉に明はハッとした。


「な、なんでそんなことーーー」


「何となく見てたらわかるよ」


「そ、そうかーーー」


明はうつむく。


「ーーーけじめつけて来いよ。美穂に伝えたいことあるんだろ?」


立脇が言う。


俺が、美穂に伝えたいことーーー。


今は何なのかはよく分からない。


でも、伝えなくちゃ。




「ーーー分かった。俺、美穂に俺の想い伝えるよ」


明が力強く言う。


立脇も力強くうなずいた。


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