表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/90

(72)

荒谷高校との試合の次の日、大会は休養日を迎えた。

久しぶりの休日である。


「そういえば、あんまりゆっくりしたことなかったな…。」


明は、伸びをして家の部屋のベッドにへたりこむ。


昨日、あんな試合をしたのが嘘のようである。

体は少し痛いが、我慢できる。


ベットに横になり、ボールを手で回す。


俺達がここまでイケるとはなーーー。


次はいよいよ準決勝。


未来を変えるためにタイムスリップしてきたが、まさかここまで変わるとは。


その時、ドアを叩く音が聞こえた。


玄関のドアを開ける。


そこには美穂が立っていた。


「美穂、どうしたんだ?」


美穂は小さく頷くと、


「実は、明くんに話があるんだ」

と小さな声で言った。


「え、話?」


明が聞くと、


「うん、でもここじゃ話せないから、ちょっと公園に行こう」

と美穂が言った。


「うん、わかった」


と言い明は、


「ちょっと出かけてくる」


と一声かけて、家を後にした。




明と美穂は近くの公園のブランコに腰掛けた。

いつも通っていて見慣れているはずの公園なのに、今日は知らない町にある公園のように思えた。


しばらく沈黙が続く。

美穂は話すタイミングをうかがっているような感じだった。


「…話って、何?」


明がそのタイミングを作ってあげるかのごとく、話を切り出した。


美穂は少しの沈黙の後、


「あの、実はね…」


そこで美穂はまた少し沈黙し、


「私、転校するんだ」


と絞り出すように言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ