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次の日の朝、天気はよく、快晴というべき朝だった。

明は目を開ける。まだ眠たい。明は大きなあくびをした。

あ。今日は朝練があるんだ。

明はベッドから体を起こし、一階のリビングに向かった。

「あ、お兄ちゃんおはよ―」

光莉がトーストをかじりながら挨拶した。

「おはよう。光莉も朝練か?」

「うん。大会も近いしね。これからはもっと技術面を上げていかないと」

「へえ、大変だなぁ」

明はトーストにジャムを塗りながら他人事のように言った。

「お兄ちゃんも今日朝練でしょ?」

「うん、まぁ俺たちはまだ球拾いだから、そんなキツいって訳じゃないけどさ」

明はコーヒーを飲み干した。

「じゃあ、行ってきます」

明は家を出た。日射しが体を照らす。


学校のグラウンドでは、朝練が始まっていた。部員達のかけ声が響いている。

「よう、明」

長瀬が明の肩をポンと叩いた。

「あ、長瀬。おはよう」

「今日はずいぶんゆったりした出勤だったな」

長瀬が笑いながら言う。

長瀬は甲子園に行きたかったんだろうか。ふと、そんな事が明の頭によぎった。

だが、こんな事今聞いてどうするんだ、という感情も沸いてきて、明は聞くのをやめた。

「今、行くから先に行ってて」

明は長瀬に言った。長瀬はおう、とだけ言った。

考えたってしょうがない。タイムスリップしたからには甲子園に行ってやる。これは神様が俺に与えたチャンスなのかもしれない。

変えてやる。俺が甲子園に連れていく。

明はスパイクの紐をギュッと結んだ。

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