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楢崎は抱え込まれる形でベンチに戻っていった。その姿が衝撃を物語っていた。

「楢崎、大丈夫か?」

森先生が楢崎を心配する。

「…あ…、い…痛い…」

楢崎は途切れ途切れにそう言った。

「これはもう投げられないな。代わりを出すしかないか。おい、アイシングしろ」

森先生がそう言うと、美穂がはい、と言ってバッグを取り出した。

…まずいことになった。明はそう思った。楢崎はとても投げられるような状態じゃない。楢崎の代わりに誰が投げるのか。

「おい川崎、ブルペンで肩作っとけ」

森先生が2年で控え投手の川崎に声を掛けた。

はい、と川崎は答えてブルペンに向かった。ヤバい。これはヤバい。明は危機を感じていた。




楢崎といえば、明北高校の絶対的エースだ。スライダーやカーブなど多彩な球種を持っていて、数々の三振の山を築いてきた。プロからのスカウトもあった噂も聞いた。

そのエースは今ベンチで右肩を押さえて小さくなっている。

時折美穂が濡らしたタオルを右肩に当てている。

果たして川崎に押さえられるだろうか。

「明北高校の守備の交代をお知らせします。ピッチャー楢崎君に代わりまして、川崎君」

アナウンスが場内に響き渡る。川崎がゆっくりマウンドに向かっていった。

押さえてくれ。明はマウンドの川崎をじっと見つめた。



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