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「プレイボール」

審判の掛け声とともにけたたましくサイレンが鳴り響いた。

明達は三塁側。明達は一年のため、観客席からの応援だ。

ーー大丈夫だよな。

明はそう自分に言い聞かせた。

一番はセンターの井川勝俊(かつとし)だ。確か三年生の中で一番足が速く、校内リレー大会でもアンカーを務めていたはずだ。

第一球。相手のピッチャーが投げる。

鋭く速い球は内角低めに構えていたキャッチャーのミットに収まった。

速い。明はそう感じた。多分130キロ前後は出ているだろう。

井川はそのスピードについていけなかったらしく、あっという間に三振になった。

「速いなぁ。あれじゃ打てっこねぇよ」

明のとなりの長瀬が愚痴をこぼした。

続く2番は北野龍太郎。こっちも三年生でショートを守っている。

だが、北野もあえなく三振。

そうだよな。未来なんてそう簡単に変わる訳じゃない。

肩を落としてベンチに帰る北野を見て明は思った。

結局過去に戻ろうが、未来が変わる訳なんてない。自分に何ができるというんだろうか。




明はふとグラウンドに目をやった。3番の岩崎が打席に立っていた。

そういや岩崎先輩は一年からレギュラーだったな。明はそんなことを思った。

とその時、キィンという音が球場に響いた。

ボールはライト方向へぐんぐん伸びていく。それを相手の野手が追っていく。

ボールは野手のグローブにすっぽり収まった。

「スリーアウトチェンジ」

審判の声が響き渡る。

前と一緒だ。

明は守備につく先輩達を横目で追いながら思った。

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