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地方大会当日。空は青々と澄んでいて、大会に臨む明たちを歓迎しているようだった。

明はトーストを口にほお張る。

「よお、明、今日はいよいよ大会だな。」

欽一が話しかけてきた。

「うん、そうだね」

「今日は明にとって初めての大会だな。ちゃんと先輩のサポートをして、甲子園に行けるようにしなきゃな」

欽一はそう言って目玉焼きを口に運んだ。

「うん、わかってるよ」

明はトーストをかじった。

「どうだ、先輩は上手くなってるか?」

「まぁ上手くはなってるよ。毎晩毎晩7時ぐらいまで練習やってるし、バッティングとかも前より上達したみたいだし」

「そうか。じゃあ期待してもいいな」

期待か。明はふと窓を見た。太陽が目に突き刺さるように眩しかった。




「いいか、3年生にとってはこれが甲子園に行けるかどうかの大事な大会だ。気合い入れていくぞ!」

森先生が普段は出さないような大声を出した。円陣を組んだ部員達のオーッ、という掛け声がそれに続く。

明が会場に向かう途中に美穂が駆け寄ってきた。

「先輩達甲子園行けるといいね」

「あぁ、そうだな」

明は知っている。この先どうなるかを知っている。

「先輩達今日までずっと練習してきたもんね。絶対行けるよね、明くん」

「あぁ」

美穂が言った「絶対」という言葉が明には重くのし掛かった。

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